本日はプロセス・イノベーションに関して記載します。
【プロセス・イノベーション】
プロセス・イノベーションとは、企業が製品やサービスを生産していく活動や業務に関わるもので、従来通りのやり方から劇的な変革を行い、業界の標準よりも優れた方法を確立し、他に類を見ない高効率やコスト優位を実現していくことです。例えば、トヨタが無駄や過剰を減らして、会社のあらゆる部署での効率向上と製品・プロセスの継続的な改善を推し進めたような手法はこの事例となります。プロセス・イノベーションにはトヨタが実施したようなシステムのあらゆる部分から無駄とコストをそぎ落とす“リーン生産方式”、共通の手順を使うことでコストと複雑さを抑える“プロセスの標準化”、過去の実績データをモデル化して未来を予測する“予測分析”などがあります。
【ZARAのプロセス・イノベーション】
ZARAはデザインや生産、ロジスティックス、配送を統合した生産システムを使用することにより、注文を受けてから商品の配送にかかるまでの時間を短縮しています。同社はターゲットとする「流行を先取りする顧客」と接点を持ちやすくするために主要ショッピング地区の高級店街に店を配置していて、そこから入ってくる顧客の願望や要望といった情報が、同社の200人のクリエイティブ・チームに伝えられていきます。それにより、クリエイティブ・チームが生産面の課題をすぐさま検討することができ、ファッション・トレンドの変化に素早く対応することが出来るようになっています。またサプライヤーや配送業者は、効率を高めるために世界各地に適切に配置されるように選定され、社内ロジスティック・システムは配送センターで注文を受けてから商品が実際に店舗に届けられるまでの時間をできるだけ短くするように構築されています。
【IKEAのプロセス・イノベーションの事例】
IKEAはフラットパック家具を開発して、国や地域による修正を行うことなく、どこに行っても全く同じハードウエアと取扱説明書で商品を販売しています。このことにより、同社は社内生産プロセスの合理化を図ることができています。
プロセス・イノベーションには企業のコア・コンピテンシー(核となる競争力)を形作ることが多く、理想的に展開すれば競合他社が真似できないものとなると言います。模倣されないということは企業の優位性を高めますので、このプロセス・イノベーションが実施できるということは成長するための一つ手法と言えます。
(参考文献 ビジネスモデル・イノベーション ブレークスルーを起こすフレームワーク10)