機械の導入による利便性の追求

機械の導入による利便性の追求に関して記載します。

 渋谷駅(渋谷第一勧業共同ビル)にバナナの自販機があります。初めて見た時は驚愕し、ずいぶん奇をてらった自販機だと思いました。しかしながらそれは自分が知らなかっただけで、この自販機、2010年の6月から設置されていて、ビジネスパーソンに利用されているようです。株式会社ドールの自販機でバナナ1本130円。手ごろでフルーツをちょっと食べたい方には便利なのでしょう。

バナナの自販機のように、様々な商品を販売する新手の自販機やスペース的に店舗を設置できない場所で消費者に利便性を提供する自販機が近年増えてきているそうです。アメリカではホテルや空港に旅行時に必要な商品を販売する自販機があったり、タクシーにノンアルコール飲料の自販機を搭載していたりするようです。日本においてはファミリーマートが「自販機コンビニ(オートマティック・スーパー・デリス(ASD))」を企業内や公共施設内に設置し、おむすび、サンドイッチ、スイーツなどの販売を行っています。

 上記のような自販機以外でも機械を使用し利便性の向上を行っているものとして、デジタルキオスクの設置というものがあります。アメリカの百貨店チェーンのコールズではサイズ切れを起こしやすい靴売場のそばにデジタルキオスクを設置。店舗で在庫のない商品や在庫切れのサイズを、その場でオンライン注文できるようにしています。さらにオーダーした商品は自宅に無料で配達されます。お客様にしてみれば、欲しい商品をその場で注文できますし、店舗側としてみれば販売のチャンスロスを防ぐことができます。(キオスク端末:街頭や店舗内に設置される、銀行のATMくらいの大きさの情報端末。液晶画面に情報を表示し、操作は画面に触れるタッチパネルを利用することが多い。例:コンビニのチケットのオンライン販売)

 韓国の地下鉄ホームの壁面には「バーチャルストア」が登場。スーパーの棚がポスターで表示されていて、その商品をスマートフォンで読み取ると、商品の発注ができ、自宅に配送されるというものです。この「バーチャルストア」、もともとはイギリスのTescoと韓国サムスンの共同出資のディスカウントストア「Home plus」のプロモーション的な企画でしたが、結果的に「Home plus」のオンラインサイトの売上が130%も増加したそうなのです。通勤のついでにホームで買物ができるとなれば、消費者にとってみれば時間の効率化が図れるという大きなメリットがありますから、この売上の増は企業側が消費者に与えたメリットがそれだけ大きかったことの表れだと思います。

 最近ではスーパーマーケットにセルフレジを導入している店があります。少量の買物の場合、並ぶよりも自分で会計したほうが早いのでセルフレジはとても便利だと思いますが、これなども機械の導入により「消費者のレジ待ちの時間を効率化する」という点で店舗の利便性を高めていると言えると思います。近年、ネットショッピングの急速な普及もあり、店頭で待つのは苦手だという人も増えていると言います。世の中が便利になればなるほど更なる便利さが求められるということでしょうか。店舗の特性によってというところではありますが、上記のような例は消費者から小売業に対してスピーディなサービスや忙しい人を満足させるサービスの強化が求められている結果の表れといったところだと思います。

(参考文献:実店舗で商品を売るにはどうしたら良いのか!?)

シニア対策

小売業が取り組んでいるシニア対策に関して記載します。

 日本においては全人口に占める65歳以上の年齢の割合が、2010年に約23%、2013年に約25%、2040年に36%、2060年には約40%と、どんどん増えていくことが想定されています。また、2011年の世帯主の年齢階級別の1ヶ月平均の消費支出(二人以上世帯)を見ると、働き盛りと思われる30~39歳が263,197円に対して60~69歳が281,022円という具合に、高齢者も多くの支出をしています。高齢になればなるほど保健医療の支出が増え(保険医療の支出 30~39歳9,424円→60~69歳14,721円)、洋服や通信の支出は40代以降減るという年齢に伴う消費構造の変化は見られますが、家庭用耐久財や書籍など支出の割合にそれほど大きな変化の見られないものもあります。何れにせよ高齢者市場は今後確実に拡大することが想定されますし、最近では元気で活動的なアクティブシニアが増加していることから、その年齢層の方を対象とした商品・サービスが強化されてきています。

イオンは2011年を起点とする3ヶ年のイオングループ中期経営計画において、グループ共通戦略の一つに、シニア層への商品・サービスなどを強化し飛躍的な成長を目指す「シニアシフト」を掲げています。その一環としてシニア世代を年齢にとらわれず豊かに人生を楽しむ世代と捉え、「GRAND GENERATION(グランド・ジェネレーション)」と名付けました。そして、2012年9月に55歳以上を対象とした「G.Gイオンカード」「G.G WAON」を誕生させ、年金支給日の15日を「G.G感謝デー」に制定し、「イオン」「マックスバリュ」「イオンスーパーセンター」などの店舗でこれらのカードを使用すると支払額が5%引きとなるサービスを実施しています。イオン同様、セブン&アイ・ホールディングスに関しても、電子マネー「ナナコ」に2012年4月から65歳以上対象の「シニアナナコカード」を設け、年金支給日の15日をシニアナナコデーとして、衣料、食料、住まい品を表示価格より5%引きしています。また、店舗購入商品の宅配サービス「きいろい楽だ」の配送料金を通常315円から80円に割引なども実施しています。

2012年3月1日に新しい建物に建て替えてオープンしたダイエー赤羽店はヤングと子供をカットした「アクティブシニアの館」へとリニューアルを行いました。商圏の居住者の4割が50歳以上、2人以下の少人数世帯が72%という状況の中、シニア向けのMDを強く意識して「こだわり」「美容・健康」「趣味・ライフスタイル」をキーワードに店づくりを行っています。なお、施設面から見ても、この店舗のエスカレータ、とてもゆっくりです。

コンビニもシニアの取り込みを大きな課題としていまして、ファミリーマートは、元気で毎日はつらつと過ごすアクティブシニアを「おとな」と位置付け、新しいおとなのコンビニ文化創造を目指し、2010年9月に「おとなコンビニ研究所」を立ち上げました。実際にアクティブシニアの声を聞いて開発した「おとなコンビニ研究所」の商品は、見た目や彩り、素材、ひと手間かけた調理、健康や環境への配慮などをコンセプトに作られています。また、シニア扱いされることを嫌うアクティブシニアの声を反映して、まとめてコーナー化するのではなく、各カテゴリーの商品の一つとして陳列されています。

シニア世代がかわいい孫に買ってあげるということを狙って、アメリカでは10月の第3日曜日を「孫の日」としてキャンペーンを展開しています。日本においても日本百貨店協会が10月第3日曜日をまごの日と制定しPRを図っています。アメリカにおいては特定の日の設定だけでなく、多くの小売業が「Upromise(ユープロミス)」と提携して、孫の教育資金としてポイントを蓄えることもしています(Upromiseとはお買い物額の何%かを大学の学資としてUpromiseの口座に貯金することができるシステム)。

 社会の変化に対応して様々な動きが出てきています。そして身近なところで変化が着々と進んでいます。気づかずスルーしてしまいそうなことの中にも社会の変化を裏付ける何かがある場合があるのかもしれません。

 (参考文献:実店舗で商品を売るにはどうしたら良いのか!? データ:流通統計資料集)

小売業各社の客層の拡大に向けた対策

本日は小売各社の客層の拡大に向けた対策に関して記載します。

 日本の家族の世帯数の推移をみると近年増加傾向にあり、国立社会保障・人口問題研究所の資料によると、世帯数総数は1980年に35,824千世帯に対し2010年には51,842千世帯に増加しています。この内訳を見ると単独世帯の増加の割合が大きく、1980年7,105千世帯に対し2010年に18,457千世帯と急増。核家族に関しては夫婦のみの世帯やひとり親と子の世帯が増加傾向にあるのに対し、夫婦と子の世帯は減少傾向にあり、1家族当たりの人数が減ってきているということが言えます。この流れの中、単独世帯、いわゆるお一人さまを取り込むための商品やサービスが増えています。年末年始のイベントのお一人さま需要が多いことを踏まえて、三越が小分けの歳暮「三越個包ギフト」を用意したり、ローソンが1~2人前のクリスマス用オードブル販売を行ったりするなど、個食向け商品の販売を始める企業が出てきています。また、焼き肉店「ひとり」という店では一人客専用の焼き肉店でテーブルとテーブルの間に背の高い仕切りを作り、一人でも気兼ねなく焼き肉を食べられるようにしています。このように時代の流れを見て、新たに増加してきている市場“お一人さま”をターゲットにして客層の拡大を狙う企業が出てきます。

 新たな客層の拡大という点で他の例としては、大丸松坂屋が2012年のクリスマスにO2Oによるネット客の獲得を図る動きをみせました。野村総合研究所の『インターネット経済調査報告書』によると、2010年度のデータを使用した結果、国内において市場規模約110兆円のリアル店舗での購買行動のうち、「インターネットからの情報収集に基づく消費(お2O)」による消費規模は約22兆円という結果になっています。その状況の中、大丸松坂屋はミクシィとの共同事業に取り組みクリスマス商戦の集客拡大を図ったのです。ミクシィがネット上で展開するクリスマスイベント「ミクシィクリスマス」には、期間中200万人以上の人々が参加するのですが、大丸松坂屋はそこに注目し、今まで百貨店をあまり利用しなかった年齢層の店舗への誘導を狙ったのです。

また、銀座三越とプランタン銀座は20~30代の女性客獲得策として女子会を活用。2012年に「GINZAテラスナイト」という、人気レストランの特別メニューの提供・コスメや占いの無料体験などが楽しめる女子会を開催しています。

 人口の減少が進む日本において、多くの業種業態において客層の拡大が必要となってきます。その中で上記のように新たな客層を取り込む動きを見せる企業が出てきています。自ら変化をしていかなければ生き残ることができない時代。このような動きは今後も継続していくと思われます。

 (参考文献:実店舗で商品を売るにはどうしたら良いのか!?)

クレジットカードによる既存顧客の囲い込み

クレジットカードによる既存顧客の囲い込みに関して記載します。

 現在、いろいろな小売業でクレジットカードによる顧客の囲い込みを行っています。例えば日本のあるドラッグストアでは、前月の購入金額に応じて当月のポイント還元率が変わるという制度を取っているところがあるそうです。お買い上げ額に応じてポイント還元率を増やしていくという方法は百貨店のカードでもよく見られ、例えば「東武百貨店 東武カード(年会費無料):年間お買上げ 20万円未満3%→20~50万円未満5%→50万円以上7%」「大丸 DAIMARU CARD(年会費1,050円・初年度無料):半年お買上げ 10万円未満5%→10~20万円未満6% 20~30万円未満7.5% 30万円以上10%」などといったようになっています。自社カードを活用した顧客の囲い込みは日本だけではなくアメリカでも行われていて、チェーンデパートメントストア「ブルーミングデールズ」においては、自社のクレジットカードを使用しての買物で3ポイント→化粧品やフレグランスの買物はダブルポイント→セールによっては2倍、3倍のポイント取得、となっているようで、5000ポイントにつき25ドルの買物券がもらえるとのことです。様々な施策を行い、顧客の再来店を促し固定客化することは小売業が生き残る上で非常に重要なことです。

さて、近年において日本のクレジットカードの発行枚数は年々増加傾向にあります。全体的なクレジットカードの発行枚数でみると1998年度に245百万枚が2010年度には322百万枚へ増加。その中で流通系(百貨店・量販店・流通系クレジットカード会社)を見ると1998年度63百万枚だったのに対し2010年度103百万枚へ増加。クレジットカードの発行枚数で一番多い銀行系の発行枚数が1998年度97百万枚、2010年度134百万枚の増で38.0%伸びているのに対し、流通系の伸びが62.9%ですから、流通系のクレジットカード発行枚数の伸びの高さが伺えます。流通系クレジット枚数の発行枚数の増加を踏まえると先ほどの囲い込み戦略が流通業界全体において積極的に行われているだろうことが見て取れます。

 業種別の販売信用供与額の推移を見てみましても、「流通系クレジット会社 1999年35,864億円→2010年111,762億円」「サービス・小売業者等 1999年18,371億円→52,646億円」「百貨店 1999年18,156億円→2010年9,805億円」と百貨店を除いてその額は増加傾向にあります(百貨店の販売信用供与額が低下しているのは売上高が1998年9兆1773億円から2011年6兆1525億円と市場規模が縮小していることが要因として考えられます。)。この結果は、以前よりも買物の際にお客様がクレジットカードを利用することが多くなっているという証左だと思われます。昔はニコニコ現金払いとか言いましたけど時代が変わったものです。企業側はクレジットカードにより顧客の囲い込みを狙い、消費者側は買物の際、自分のメリットを最大化するにはどうしたらよいかを考えるようになってきているということでしょう。

 最近、どこに行ってもポイントカードはどうですか的な流れになって、1回しか言ってない店のポイントカードが結構たまっているなんてこともあります。ポイント還元による店舗の魅力化は非常に重要なことと思いますが、一方でそれ以外の魅力も同時に高めていかないと、店側からすればポイントカード代の無駄にもなってしまうかもしれません。バランスよく全体を良くしていけるように目指すことが重要だと思います。

ネット販売とPB

本日はネット販売とPB(プライベートブランド)に関して記載します。

アメリカにおいて1916年にグローサリーストアのピグリーウイグリーが、顧客が自分で商品を手に取って選び、買物かごやショッピングカートに入れ、レジで一括会計して代金を決済するというセルフサービス方式を導入して以来、豊富な品揃えとローコストオペレーションが実現し、小売店では対面販売の小売店からセルフサービス方式が発展するという変化が起きました。そして現在、その時と同じような小売業の変化がアメリカで起きているといいます。それがネット販売の急成長です。2012年のアメリカのネット販売市場は小売業トータルの約5%のシェアを占め、前年比で15%強の成長を示しているようです。

その中で、アメリカにおいて、リアル店舗で商品の実物を見て、実際の購入はアマゾンのようなネットショップで行う「ショールーミング」という消費行動が常態化してきています。

ウォルマートのようなスーパーセンターの大型店は圧倒的な品揃え数によるワンストップショッピング機能で人々に支持されてきました。それと同時に「エブリデーロープライス」などの価格訴求を行ってきました。しかしながら、品揃え数についてはネットの方が豊富になってきていますし、最低価格は、スマホで簡単にどこが一番安いか確認が取れるようになり、小売業の低価格戦略が以前ほどの強みではなくなってきました。スーパーセンターの強みが弱体化してきているのです。その状況に対抗するため、アメリカの大手ディスカウントストア「ターゲット」は、商品はリアル店舗で見て買い物はネットという「ショールーミング」を避けるため、大手トップブランド企業に「差別化のできるPB商品の開発」を迫っています。PBで独自の商品を提案することでネットとの価格比較を避ける作戦です。今後もPB商品の開発が進むことが想定されます。PBが増えるということは、メーカーにとっては商品の陳列スペースが減るということになります。メーカーとしては対策を取らなければならないわけで、生き残りをかけてネットを使って消費者へ直接販売を始めているようです。そのことが小売業とメーカーの間で軋轢を生んでいることもあるとのことです。

さて、日本のPBの購入率を見てみると、その数値は意外と高いものとなっています。例えば2012年で最近1年間に最もよく利用したスーパー・コンビニにおける「菓子/デザート/おつまみ」の購入率を見てみますと43.8%という数値になっています。さらに20代の購入率においては50.3%と約半数もの人がPB商品の購入を行っているという結果となっています。また、清涼飲料やお茶もPBの購入率は高く、ともに30%を超える数値となっています。最近、スーパーやコンビニへ行くとだいぶPBが多いなあというような実感もあります。2012年に「ファミリーマートコレクション」にブランド統一されてはいますが、「ボクのおやつ」は税込105円で安かったですし、PBのお茶系も安いから商品棚で選んでいる時にはすぐに見てしまう自分がいます。日本においても小売業者ごとに差別化を図るためPBを強化する=メーカー独自商品の陳列スペースが減るということが確実に起こっているということが言えると思います。

ネット販売とPB、相関関係がないように思っていましたが、そうではないということを感じました。

 (参考文献:実店舗で商品を売るにはどうしたらよいのか!?)

広告媒体費に関して

本日は広告媒体費に関して記載します。

 最近、SNSを使った売上対策の本をよく見ます(FaceBookやTwitterで売れる方法みたいな)。これらSNSは無料で使用でき、バイラル効果(口コミによる情報拡散)も期待できることから、こういった本がよく売れるようになってきていると思われます。新しい情報発信方法であるため、いろいろな人がいろいろと効率的な方法を探っているということの表れでもあるようにも思われます。

 情報発信という視点から企業の広告費の推移をみると近年低下傾向にあります。総広告費の推移を見てみると2006年に69,399億円であったのに対し2011年は57,096億円と減少。2010年の総広告費が58,427億円ですので震災影響があったとしても総広告費の減少傾向が読み取れます。総広告費の50%以上の割合を占めていたマスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)も激減。その中でも大きな割合を占めるテレビに関しては2006年から2011年にかけて△14.5%広告費が減少しています。一方で全体的な広告費が減少する中で特筆すべきはインターネット広告費で2006年から2011年にかけて67.1%増しています。この状況は企業が従来からあるマスコミや折込、つり革広告といった媒体方法からネットを使用した媒体方法への方向転換を模索している時期とも言えるかと思います。

 次にマスコミ4媒体における業種別広告費の推移を見てみます。これは先ほど述べたように2006年から2011年に広告費が激減している中で、どの業種についても広告費を減らしています。(ただし、官公庁・団体の広告費のみ2011年急増。2010年と2011年の対比で166.4%増。ACの「あいさつの魔法。(ポポポポ~ン)」等の広告が一気に増えたことが原因と考えられます。)流通・小売業に関しても2006年23,486千万円に対し2011年18,694千万円という結果になっています。

 最近では「続きはネットで」のようなテレビCMとネットを融合させた手法も一般化してきていますが、ネットの登場により広告のあり方も費用対効果の観点から変化が求められてきている時代になってきたということが言えると思います。一方で非常に多くの企業が情報発信方法としてネットを活用するようになってきていることから、十分に学んでから参入しなければその効果性も薄くなってしまうようにも思います。

 (データは「流通統計資料集」より)

出店する際の立地

本日は出店する際の立地に関して記載します。

 商売を行うに当たって商品力やサービス等が重要であることはもちろんですが、どこに立地するかということも重要になってきます。そのことはネットで商売しようとHPを作成したとしても誰も見てくれなければ売上が上がらないのと同様です。どこに立地するか判断する上で難しいのは、この場所は交通量が多いからとか駅が近いからとかで立地場所を選んだとしても100%うまくいくとは限らないということだと思います。いい場所に立地するには、人口総数や年齢別人口、就業者数、世帯人数別世帯数など各種データをもとに分析するとともに現地で調査を行い五感で人々の動きを感じ取るということも必要なようです。

 立地を行う際に通行人を対象とした場合、交通発生源(Traffic Generator)を把握することが基本となるようです。交通発生源とは駅や大型小売店のことを指し、多くの人が向かうところになります。この交通発生源と交通発生源を結ぶ、人々が歩くラインを、動線と呼び、この動線にそって出店を行うといいということです。駅周辺に立地する場合は “駅の改札口はいくつあるのか”“駅の改札口はどのように使われているのか”“駅のホームから見えるのか”といったことも判断材料とします。駅によっては、北口は発展しているけれど南口はそれほど、などということが多々あるような気がしますから、そういった部分を出店の検討を行う際には事前に現地で見ておくことが必要だと言えます。自分の出店しようとしている場所が多くの人から見える、視界性の高い場所であることが重要です。また、駅の乗降客数が多い駅は商売をするにあたって有利になると考えがちですが、バスやタクシーが運行する駅であれば、乗降している人々は乗り換えでその駅を使用しているだけで必ずしも顧客になるとは限りません。しかも乗り換えをする人は歩くのが早いですから、自分の店をそれほど見てくれないということもあります。

ロードサイドの出店の際にも注意することがあります。100m以上手前から店舗あるいはその看板が見えていないと車を使用しているので、顧客が店を使用してくれる確率が減ります(車は急に止まれないから)。通行人を対象とした場合と同じで視界性が高い場所で立地をすることが重要となります。例えば街路樹がある通りの場合、冬はドライバーから店舗やその看板が見えるかもしれませんが、夏になってしまえば葉っぱで店舗やその看板は隠されてしまい、ドライバーからその存在を気づいてもらえなくなります。また、道がカーブしている場合は左カーブにしても右カーブにしても共通してアウトカーブ側の方が視界性は高くなります。合わせて、通行人の際に記載した動線と同様の考え方で、ロードサイトの場合にも例えば空港と都市圏を結んでいる道路であるといった場合、立地に有利な場所となります。店舗前道路がどのくらい延びているかということも立地の判断材料となります。その道路の利便性、つまり広域に商圏が伸びる可能性があるかどうかがわかるためです。

 立地は店舗を持つにあたって最初の重要なポイントとなります。立地をするにあたってはそれなりの投資額も出費するわけですから、しっかりと調査を行った上で判断をしてROIを少しでも高めていくことが必要だと思います。

 (参考文献:売上予測と立地判定)

ブルー・オーシャン戦略

本日もブルー・オーシャン戦略に関して記載します。

ブルー・オーシャン戦略の考え方で過去大きく売上を伸ばしたものの中に任天堂のWiiがあります。Wiiは2006年末に販売されましたが、その成功により任天堂の株式時価総額は1年で倍以上に成長したほどです。もともとゲーム市場は1997年をピークに縮小を続け、2003年にはピーク時の約半分の3000億円程度まで縮小していました。そのような中、Wiiは主婦やおじいちゃん・おばあちゃんといった新しいユーザー層を作り上げ「新しい市場を創造」しました。Wiiとほぼ同時期にPS3も販売されましたが、Wiiが約1年間で1317万台の売上に対しPS3は約1年で559万台の売上という結果。PS3は「リアルなグラフィック」「コンテンツの難しさ」「音楽の完成度の高さ」といった機能の高さと多機能化を、最先端技術を使って徹底的に追求した商品。従来の業界内の競争内容を踏襲した次世代マシンで、かなりの高い機能性や中身を持っていたにもかかわらず、買手はそこまで求めてはいなかったのです。一方でWiiは「ゲーム市場の縮小」を直視し、「ゲームをあまりやらない人やまったくやらない人」をどのように開拓していくかに注目しました。また、ゲーム機が生活から離れていくのと対照的に、携帯電話が生活に溶け込んでいく様子を見て、「家族の生活に溶け込む」ゲーム機の開発を心がけました。このような取り組みにより「シンプル」で「短時間でできて」「マニュアルがなくてもできて」「体を動かしみんなでコミュニケーションできる」という新たなタイプのゲームを作り上げたのです。また、ゲーム機の購入に大きく影響を与える母親がゲームを嫌がることがないよう「夜うるさくないようにコンセントをつないだままでも、寝ているときはゲーム機内部の放熱ファンを止める機能」までつけていました。PS3の取った戦略をレッド・オーシャン戦略、Wiiの取った戦略をブルー・オーシャン戦略と言います。

さて、小売業においてブルー・オーシャン戦略を活用し成功した店にユニクロがあります。基本的にアパレル業界はファッション性や流行を訴えかける、非常に感性の高い業界で、シーズンごとにパリ・ミラノ・ニューヨーク・東京などで行われるコレクションを、一般向けに置き換えて提供するというのが標準的なビジネスモデルとなります。ところがユニクロはそのような感性志向の商品戦略を取るのではなく、洋服を機能的に捉え、さほど流行を追わないスタンダードな着まわしのきく洋服を提供しました。店頭の見せ方もVMD的に合理的だと思わせるディスプレイをしています。同じ製品・様々なサイズをお客様が手に取りやすいように陳列が工夫されています。話は逸れますが、VMDの教材が本屋などで売られているのを見ますし、その重要性は認知されていると思いますが、ファッション関係の店舗でしっかりとカラー戦略が行われているお店はそれほど多くないような気もします。それだけユニクロが商品の製造から陳列までお客様からのわかりやすさを追求しているのだとも感じます。話を戻しまして、ユニクロもWii同様、感性中心のアパレル業界において、機能性という新市場を開拓し成功したということです。

ブルー・オーシャン戦略、レッド・オーシャン戦略、どちらが正しいというわけではなく、その都度、使い分けをしていくことが重要なようです。小売業においてもゲーム業界同様、市場が縮小していますが、どのような戦略を取って生き残りを図っていくのか、十分に検討していくことが必要なのかもしれません。

 (参考文献:日本のブルー・オーシャン戦略)

ペットフードに関して

本日はペットフードに関連して記載します。

ペットフードの購買者は、ほとんどが家庭の主婦で、食べるのはもちろん犬や猫といったペットになります。その中でキャットフードに関してですが、1990年代、日本のキャットフード業界は実際にキャットフードを食べる猫のために、栄養のバランスや美味しさ(食いつきの良さ)を競っていました。まさしく食べる側の顧客視点に立って企業間で競争を繰り広げていたようです。そういった状況の中で世界最大の食品・飲料ブランドのネスレがキャットフードの缶のサイズを半分にすることによってキャットフードのシェアを劇的に伸ばしました。当時、キャットフードは185グラム缶が主流でしたが、185グラムの大きさでは食べ残す猫が多かったようです。そのことに対して主婦は不満を持っていました。そこで、この点に着目したネスレが、食べきりサイズのシングルサーブ缶(90グラム)の販売をスタートしました。今でこそ、スーパーに行くと90グラムくらいの大きさのキャットフードがたくさん売っていますが、当時はきっと画期的だったのでしょう。日本のキャットフード業界が基本的に「利用者である猫が好む食事は何か」という軸でしか競ってこなかったことに対し、ネスレは実際の購買者である主婦層のニーズを詳細に調べ、食べ残しの無駄をなくしたい(コスト削減したい)というニーズを発見し、新たな市場を開拓したのです。さらにネスレは、そのシングルサーブ缶を、グラム単位としては185グラム缶より高い価格設定にして、高級ブランドとして展開。独自のポジションを確立したということです。

 買手は単一ではなく、実際に物を買う『購買者』以外にも様々な存在が関わっていることがあります。実際に物を購入する購買者以外の存在として、購買者と利用する者が違ければ『利用者』がいます。これは先のネスレの例でいくと購買者が主婦で利用者が猫です。子供に携帯電話を持たせている親も購買者と利用者が異なる例でしょう。また、場合によっては購買者に影響を与える者(『影響者』)も存在します。この例としてはテレビで「これ良い」と芸能人とかが言うとたくさん売れたりする時の芸能人が影響者に当たると思います。ネスレのように、買手を一塊で見るのではなく、ニーズや立場の違う買手の連鎖として捉え、それぞれの違いに着目することによって、新たな成長につなげることができるということです。

 昔アメリカでは今の日本と同じように鉄道が主な交通手段だったと言いますが、今ではバスや飛行機にそのシェアを奪われているそうです。その原因として鉄道会社が自分たちの事業を輸送事業ではなく鉄道事業と考えていたため、自分たちの顧客がバス等ほかの交通手段を使ったとしても、うちは鉄道会社だから関係ない、と考えてしまったからだと言います。このことからも一定の枠組みの中に縛られた考え方をするのではなく、業界の常識よりも全体を広く見渡す力を養っておくことも必要だと言えます。

 (参考文献:『日本のブルー・オーシャン戦略』『100円のコーラを1000円で売る方法』)

プロスペクト理論

本日はプロスペクト理論について記載します。

2002年にノーベル経済学賞を受賞したカーネマン教授とその友人トバスキー教授が唱えた理論で「プロスペクト理論」というものがあります。通常1000円くらいだろうなと思っていた商品が800円で200円得したなという時と、通常800円の物を1000円で買って損したなという時だと、同じ200円でも、消費者にとって損をした時の方がインパクトは強いという理論です。この理論をグラフ化すると掲載しているもののようになります。このグラフの傾きを見てもわかるのですが、得をするときと損をする時では、損をする方が急になっています。つまり、損失のほうがインパクトは強くなります。また、効用逓減といって利得、損失ともに次第に曲線は水平に近づいていくこととなります。

 感じ方は人それぞれだとは思いますが、「損した」「得した」という場合、それぞれの額が同じでも感じ方が異なるということは面白い話だと感じました。

 (参考文献:「日本一わかりやすい価格決定戦略」)