暑さが苦手なキャバリアのための室内の温度調整|熱中症を防ぐ快適な夏の過ごし方

暑くて床が涼しいところへ避難中。

はじめに

夏に、「愛犬が息をハァハァとして苦しそう」と心配になったことのある方もいらっしゃると思います。実際、我が家のキャバリアも暑いと直ぐにハァハァし始めます。キャバリアは元気そうに見えても暑さに弱い犬種です。特に夏場は、室内でも熱中症になるリスクがあるため、十分な注意が必要です。

この記事では、キャバリアの健康を守るために知っておきたい最適な室温と湿度の管理方法、さらにおすすめの冷房グッズを紹介します。


キャバリアは、なぜ暑さに弱いのか?

心臓と呼吸器が繊細

キャバリアは心臓や呼吸器系が繊細な犬種です。もともと夏が涼しい気候のイギリス原産の犬種のため、日本のような高温多湿な気候は身体への負担が大きいのです。(イギリスは「西岸海洋性気候」といって、夏の気候が比較的穏やかで、雨も日本ほど多くありません。)

呼吸器系が繊細なため、キャバリアは体温調整が苦手な犬種となります。ワンちゃんは汗をかく代わりに、舌を出して「ハァハァ」と呼吸することで体温を下げる仕組みを持っています。これは「パンティング」と呼ばれる行動で、舌の唾液を蒸発させることで身体の熱を逃がしています。キャバリアは鼻ぺちゃな犬(短頭種)なため、口の中の面積が狭く、身体の熱を逃がしにくいという特徴があります。そのため、少しの暑さでパンティングをすることとなります。

キャバリアは、遺伝的に「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」という心臓病を発症しやすい犬種です。パンティングによる身体への負担が続くと、心臓へダメージを与えてしまいます。キャバリアにとって暑さは健康の敵と言えるでしょう。

被毛の構造の影響

キャバリアが暑さに弱いのは、被毛が「ダブルコート」と呼ばれる二重構造になっているためです。

このダブルコートは、内側の「アンダーコート」と上毛の「オーバーコート」で構成されています。アンダーコートは細く柔らかい毛で、体温の調整や保湿の役割を果たしています。一方、オーバーコートは太くしっかりとした毛で、紫外線など外部の刺激から皮膚を守る働きをしています。

しかし、このように毛が二重構造になっているため、体内の熱がこもりやすくなり、気温や湿度の影響を受けやすくなるのです。そのため、見た目がふわふわで可愛らしい分、キャバリアはとても暑さに弱い犬種となります。

とくに夏場は、室温が高いだけでも熱中症のリスクが高まることがあるため、快適な温度管理が欠かせません。


室温と湿度の最適なバランスは?

理想の室温:23~25℃

キャバリアが快適な室温は、23〜25℃程度です。

エアコン等で室温がこの範囲になるように調整しましょう。一方で室温が下がりすぎるのも良くありません。キャバリアのような小型犬は、大型犬より身体が小さいため、体温の保温機能が低く、寒さへの耐性が弱い傾向にあるためです。飼い主さんが良かれと思って設定した温度が、実は愛犬には適していなかったということもあります。愛犬が自分の好みの場所を選べるよう自由に移動できるようにしておく、冷房を入れていても近くに毛布を置いておいて寒くなったら潜れるようにしておいてあげる等、工夫してあげましょう。

最適な湿度:40〜60%を

犬が快適に過ごせる湿度は 40〜60% 程度が目安です。

湿度が高すぎると、ワンちゃんが体温を下げるために行う「パンティング」の効果が下がってしまいます。口の中の唾液が蒸発しにくくなり、熱がうまく逃げないためです。

一方で、湿度が低すぎると空気が乾燥し、呼吸器に負担をかけてしまう可能性があります。そのため、室内の湿度を適切に保つことが、健康管理のうえでも非常に重要です。

湿度を正確に把握するには、「温湿度計」を使うのがおすすめです。湿度だけでなく温度も一緒に確認できるタイプが便利です。

また、温度を測る場所にも注意しましょう。人間が快適と感じる高さと、犬が過ごしている床付近では、温度に差が出ることがあります。できるだけ犬の生活している高さ(人間の膝あたり)に測定器を設置し、実際の体感に近い温湿度をチェックしてあげましょう。

温湿度計のおすすめはこちら

エアコンの使い方と注意点

エアコンは、つけっぱなしがおすすめ

夏の暑い日には、室温が40℃を超えることもあります。飼い主さんが外出する際、エアコンをタイマー設定してしまうと、室温の上昇に気づけず、愛犬が熱中症になる危険性が高まります。

エアコンをつけっぱなしで、自動運転機能を働かせておけば、室温と湿度を快適な状況にキープできますので、日中も愛犬が安心して過ごせる環境が保てます。

節電の工夫も

一日中エアコンを使うと電気代が気になるところです。でも、工夫次第で節電しながら快適さも保てます。

【省エネのためにできること】

・サーキュレーターを併用する
  →室内の空気を循環し、室温を一定に保つ。
   設定温度を下げすぎずに済む

・直射日光を遮る
  →窓からの熱を防ぐことで、室温の上昇を和らげる
   雨戸・遮光カーテンを閉める
   すだれやよしずを使う
   グリーンカーテン(つる性の植物で窓を覆う)を活用する

風が直接当たらない工夫も大切

エアコンの冷風が愛犬の身体に直接当たると、冷えすぎて体調を崩したり、ストレスを感じさせたりする原因になります。愛犬が快適に過ごせるために、「風向きを調整して、風が直接当たらない角度に設定する」「愛犬のケージやベッドの位置を変えて、風の当たらない場所に移動させる」といった工夫をしてあげましょう。


暑さ対策におすすめのグッズ3選

① アルミプレート

アルミプレートは、夏の暑さ対策におすすめのアイテムです。

アルミは熱伝導率が高く、熱をすばやく吸収・拡散するため、自然とひんやり感をキープしてくれます。エアコンと併用すれば、より効率的に体温を下げることができます。

さらに、凍らせた保冷剤や水を入れたペットボトルを布に包み、アルミプレートの端に置くと、冷却効果がアップします。

お手入れが簡単なのも魅力のひとつ。水拭きや水洗いができるので、いつでも清潔に保てます。また、アルミは丈夫な素材のため、噛み癖のあるワンちゃんにも安心して使えます。

プレートの裏面に滑り止めが付いているタイプを選べば、フローリングの上でもずれにくく、より安全です。

ただし、直射日光が当たる場所や、室温が非常に高い環境では、逆にプレートが熱くなってしまうことがあります。その場合は冷却効果が期待できないため、設置場所には注意が必要です。また、プレートの表面が滑りやすいと、ワンちゃんがびっくりして乗らなくなってしまうケースもあるようです。最初は様子を見ながら、徐々に慣れさせてあげましょう。

アルミプレートのおすすめはこちら

② クールマット・ジェルベッド

冷感素材を使用した犬用のマットは、クッション性に優れているため、特にシニア犬のように長時間眠るワンちゃんにもぴったりのアイテムです。

寝床を整えるために前脚で勢いよく地面を掘るワンちゃんも多いですが(うちの愛犬も毎日のように掘っています)、クールマットなら柔らかくて弾力があるので、そんな仕草をしても、飼い主さんが神経質になりすぎる必要はありません。

また、折りたたんでコンパクトに収納できるものや、丸洗いできるタイプを選ぶと、お手入れもしやすくて便利です。

気を付けるポイントとして、アルミプレートと同様に、室温が高い場所や直射日光が当たる窓際では冷却効果が十分に発揮されないこともありますので、涼しい場所に設置するなど、使い方を工夫してあげましょう。また、ジェルベッドについては、鋭い爪や噛み癖のあるワンちゃんだと、マットを破ってしまい、中のジェルが飛び出す恐れがありますので注意が必要です。

クールマット・ジェルベッドのおすすめはこちら

③ ペット用サーキュレーター

扇風機は体に直接風を当てて涼しさを感じさせるのが目的ですが、サーキュレーターは部屋の空気を循環させることを主な目的とした家電です。

エアコンの冷たい空気は床の近くにたまりやすい性質があります。そこでサーキュレーターを使って空気をかき混ぜることで、室内全体の温度を均一に保つことができます。その結果、ワンちゃんがより快適に過ごせるだけでなく、エアコンの冷却効率も上がり、電気代の節約にもつながります。

愛犬がリラックスして過ごせるように、運転音が静かなモデルを選ぶのがおすすめです。また、安全面にも配慮しましょう。いたずらや接触を防ぐために、サーキュレーターは棚や台の上など、ワンちゃんが触れられない場所に設置すると安心です。

送風の向きは、冷たい空気を部屋全体に行き渡らせるために、斜め上方向に向けて使うのが効果的です。

ペット用サーキュレーターのおすすめはこちら

 

※外出中はスマート家電で室温を遠隔確認できる仕組みを用意するのもおすすめです。


よくあるNG対策と改善策

NG① 扇風機だけでの冷却:ワンちゃんは足裏の肉球などの身体の一部しか汗を出す汗腺がありません。扇風機で風を当てても、人間のように、汗が蒸発して熱が逃げるという期待はできません。また、扇風機の音に敏感なワンちゃんもいます。エアコンを使って快適な空間を作ってあげましょう。

NG② 保冷剤をそのまま置く:愛犬が保冷剤をかじって誤飲してしまう危険があります。ペットボトルに移して、タオルや靴下などで包んでから、使ってあげましょう。


まとめ:快適な夏を過ごすために

キャバリアは暑さに弱く、体調を崩しやすい犬種です。快適な室温は「23~25℃」、湿度は「40〜60%」を意識しましょう。

エアコンだけに頼らず、冷却グッズやサーキュレーターとの併用で、効率的に室温をコントロールすることも大切です。

愛犬が快適に健康的に夏を過ごせるよう、ひと工夫して生活空間を改善してあげましょう。


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・キャバリアのお留守番について

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荒川河川敷の緑地公園 ドッグラン2025年5月14日情報

現在建築中の東京都北区初のドッグランですが、工事期間が「5月23日まで(予定)」と記載されていた看板や一部ブルーシート等が撤去されていました。

ドッグラン入り口の様子。
新荒川大橋側からドッグランを撮影。
ドッグランの地面を撮影。蛇口と思われるものもあります。
【過去情報】2024年2月9日の情報はこちらから
【過去情報】2025年4月5日の情報はこちらから
【過去情報】2025年4月27日の情報はこちらから

犬の跛行

■跛行とは

犬が、少しだけ特定の脚をかばっていたり、完全に持ち上げてブラブラさせていることがあります。このような症状のことを「跛行(はこう)」と言います。

■ヘッドボブ

動画は、ねんざにより左前脚を痛めて、歩く際にその脚をかばっている様子です(ソファに備え付けた階段を使って床に降りたときに、着地に失敗して左前脚を痛めてしまいました)。歩いている時に頭を上下に動かす『ヘッドボブ(Head Bobbing)』と言われる症状が出ています。痛い脚を地面に接地する時に衝撃を軽減するために頭を上げています。

■跛行の原因

跛行は四肢のいずれかに異常が生じているため正常に歩けない状態になっているのですが、その原因として以下が考えられます。

・ねんざ 骨折

 障害物でつまずいたり、階段から滑り落ちたりといったことで、
 ねんざや骨折をしてしまうことがあります。
 飼い主さんが見ていない時にねんざや骨折をしていることもあります。

・指間炎

 肉球の指の間の皮膚が炎症を起こすことをいいます。
 流血にいたることもあります。

・関節の脱臼

 ひざのお皿がずれる「膝蓋骨脱臼(パテラ)」

・「十字靭帯断裂」「半月板損傷」

・椎間板ヘルニアに起因する脊髄の障害

・レッグ・カルベ・ペルテス症(大腿骨頭無菌性壊死症)

 大腿骨の骨頭部分への血液供給が不足し壊死を起こす症状です。
 若齢期の小型犬に多く見られます。

・先天疾患

・腫瘍

etc

■最後に

跛行の症状がみられる際には、様々な原因が考えられます。飼い主として日頃から愛犬の様子をよくみてあげて、変化に気づいてあげることが大切です。

そして、跛行の症状が見られたら、動物病院で早期に診察してもらいましょう。動物病院では無傷を装う犬もいるそうです。跛行の様子を動画で撮影して、その様子を動物病院の先生に診てもらうことがおすすめです。

荒川河川敷の緑地公園 ドッグラン2025年4月27日情報

現在建設中の東京都北区初のドッグランですが、柵が出来上がり、全容が見えてきました。

川寄りのスペースの方が大きそうです。
入り口と思われる辺りに、看板があります。
ドッグランの中にベンチが設置されていました。ベンチの上に屋根もつきそうな感じです。
【過去情報】2024年2月9日の情報はこちらから
【過去情報】2025年4月5日の情報はこちらから
2025年5月14日の情報はこちらから

荒川河川敷の緑地公園 ドッグラン2025年4月5日情報

東京都北区初となるドッグランの工事がスタートしています。

工事スタート当初は2025年3月中の工事完了を予定していたようですが、4月5日の段階では、工事期間を5月23日まで延長しているようです。出水期(6~10月の間)は工事を避けるようですので、おそらく5月中に工事を完了させるスケジュールにしていると思われます。

ドッグランの場所は新荒川大橋付近で、上り方面を背にして右側になります。

大型犬・小型犬が分かれて遊べるように整備される予定です。4月5日現在、地面に木枠がされている状態です。

2024年2月9日の情報はこちらから
2025年4月27日の情報はこちらから
2025年5月14日の情報はこちらから

キャバリア 逆くしゃみ

上の動画は、うちのキャバリアの逆くしゃみを撮影したものです。夜中に何度か嘔吐し、その後ブーブーという苦しそうな声を連続してあげました。焦って、翌朝に動物病院に連れていったところ、嘔吐により鼻の方へ胃酸が上がり、それが原因で逆くしゃみが起こったということでした。苦しそうな声を聴くと飼い主さんとしては、非常に焦ってしまうと思います。以下に逆くしゃみについて記載いたしますので、ご参考にしてみてください。

■逆くしゃみとは

逆くしゃみ(正式名:吸気性発作性呼吸)とは、急激・連続的に鼻から空気を吸い込む発作性の呼吸のことを言います。くしゃみが体の外に排出しようとする発作であることに対し、逆くしゃみは鼻から吸い込むような発作となります。逆くしゃみの発作が出ている時、空気を吸い込むようなブーブー・グーグーという音をさせます。また口を閉じていることもその判断のポイントとなるようです。上につけさせていただいている動画でも口を閉じているように見えます。発作の継続時間は短時間で、数秒から1分程度で治まることがほとんどとなります。犬特有の症状のため人間にうつるといったことはありません。

■逆くしゃみの原因

逆くしゃみが起こる原因は以下となります。①鼻腔(鼻の内部の空間)に刺激があった時。例:香水等の強いにおい。煙が鼻に入る。空気が乾燥している。興奮している時や運動後に気道が刺激された。②鼻に異物が入った時。例:埃や植物の種。花粉。③鼻炎・歯周病・鼻の中に腫瘍ができている、といった病気に罹っている。

■逆くしゃみを起こしやすい犬種

全ての犬種で起こりうる発作ですが、特に小型犬や短頭種(鼻ぺちゃ)によく起こるとされています。また、若い犬は逆くしゃみをしやすい傾向にあります。

■逆くしゃみを愛犬がしている時の対処

基本的に、逆くしゃみは呼吸困難のような緊急性を要する症状ではないため、発作が治まるまで、刺激せず、見守ってあげるようにします。飼い主さんとしては、愛犬の異常事態に焦ってしまうかと思います。しかしそこはぐっとこらえて、落ち着いた声で愛犬を安心させてあげましょう。

一方で、逆くしゃみの症状が病気の現れであることがあります。「症状が頻繁に起こったり長時間続いたりする、徐々にひどくなる」「呼吸が荒い。舌や歯茎が青白くなる(チアノーゼ)」「唾液に痰や血液が混ざる」「発作の後に失神する」というときは病気の可能性が高いので、動物病院で診ていただく必要があります。撮影可能であれば、その時の動画を撮り、動物病院の先生に診ていただけるようにしましょう。

■逆くしゃみを起こりにくくする環境づくり

部屋の中の埃や花粉を減らすため、掃除をこまめにしたり、空気清浄機を使用したりしてあげましょう。空気が乾燥している時は、加湿器を使うようにします。また、香水などの強い匂いのするものや煙は、愛犬の生活圏から取り除いてあげる必要があります。散歩のときは、首輪ではなくハーネスを使用すると、首への負担が軽減して逆くしゃみの症状が出にくくなるようです。

■まとめ

自分の愛犬が逆くしゃみをしていると焦ってしまうと思いますが、落ち着いて様子をみて、病院へ行くべきか否かを判断したいところです。また、愛犬の生活環境を普段から整えてあげることも大切です。飼い主としては、愛犬が健康で安心して暮らせるよう常日頃から心掛けて行動したいものです。

キャバリアのお留守番について

キャバリアは甘えん坊で寂しがりやな性格なので、長時間のお留守番により強いストレスを感じてしまうことがあります。理想としてはずっと一緒にいてあげることなのでしょうけれど、仕事や用事で愛犬にお留守番をしてもらわなければならないことは日常的にあることと思います。特に一人暮らしの方は、愛犬に長時間のお留守番をしてもらう必要が出てくるでしょう。以下、キャバリアにお留守番してもらうにあたって飼い主としてどうしていくのが良いかを記載いたしますので、ご参考にしてみてください。


【目次】

■キャバリアのお留守番の体制を整える

愛犬にお留守番のトレーニングを実施する

お留守番をしてもらう前後に行うこと

お留守番スペースの環境づくり

暑さ対策

寒さ対策

■飼い主さんの時間を創出する

1日の計画を立てる

ITスキルの向上


■キャバリアのお留守番の体制を整える

キャバリアは、穏やかな優しい性格で社交性があります。そのため一人暮らしや子どものいる家庭でも飼育しやすい犬種となります。その一方で、ワンちゃんによっては、飼い主と離れると過剰なストレスを感じ(分離不安)、吠えたり物を壊したりといった問題行動を起こす可能性があります。また、長時間の留守番は、運動量の不足に繋がり、愛犬の不満がたまります。これらを防ぐためには、愛犬へのトレーニングと、留守番中の環境を整えてあげる必要があります。(例えば、うちのキャバリアだと、普段はスンとして近寄ってこなかったりするのですが、ひとりになって寂しくなると、壁をひっかき続けて壁紙をボロボロにします。)

※ワンちゃんによって性格や適応力には個体差があります。愛犬の様子をよく見てあげて、留守番中のストレスを軽減してあげるように、飼い主さんが愛犬の性格や適応力に合わせて創意工夫して、環境を整えてあげることが大切となります。

愛犬にお留守番のトレーニングを実施する

前述のように飼い主と離れることによって過剰なストレスを感じるワンちゃんもいます。長時間のお留守番もできるようにトレーニングをしてあげましょう。

お留守番トレーニングを実施するにあたり、愛犬にひとりになってもらうのですが、いきなり長時間ひとりきりにしてはいけません。キャバリアにお留守番を教える際には、短時間からスタートするのが基本となります。最初は数十秒間だけでもよいので、愛犬がひとりでいる時間を作ってあげます。そして、少しずつひとりの時間を長くしていきます。愛犬の鳴き声が聞こえるとかわいそうになって、すぐに戻りたくなりますが、戻ってはいけません。鳴けば帰ってくると認識して、吠え癖がついてしまう可能性があります。ひとりになる時間が延びていく中で、飼い主が必ず戻ってくるということを愛犬に覚えてもらいましょう。また、愛犬がお留守番を上手にできたら、ほめて安心させてあげましょう。


お留守番をしてもらう前後に行うこと

愛犬にお留守番をしてもらう前には、十分なスキンシップを取ってあげると良いです。そうすることで、愛犬に安心感を与えてあげることができます。また、飼い主さんが毎回出かける前に同じルーティンを行うと、愛犬がひとりになるタイミングを覚えてしまうので避けた方が良いようです。例えば、出かける前に必ず「いってきます」の声かけをする等です。余談ではありますが、うちの愛犬にはお留守番の前に必ずおやつをあげていたのですが、その結果、出かける前に必ずおやつを要求されるようになってしまいました。

お留守番の前後は、短い時間でもよいのでお散歩に行ったり、遊んであげるようにしてあげると良いです。そうすることで愛犬がお留守番で感じるストレスを軽減することができます。

帰宅直後は、飼い主さんに愛犬がテンション高く駆け寄ってくると思います。そんな時は、愛犬が暴れてケガをしないように(例えばフローリングで走って滑って転ぶ)、飼い主さんは落ち着いて状況を見ながら、スキンシップをとって可愛がってあげましょう。


お留守番スペースの環境づくり

愛犬が留守番中に快適な時間を過ごせるよう、静かで安心できるスペースをつくってあげることが大切です。

後述もいたしますが、キャバリアは暑さ寒さに弱いので、室温を一定に保つようにします。一方でエアコンの風が直接当たるような場所でしか留守番できないようにしてしまうと、愛犬が体調を崩してしまう可能性がありますので、注意が必要です。ケージの配置を工夫する等してあげましょう。

また、留守番中に暇だと、ストレスを感じてしまうこともあります。愛犬のお気に入りのおもちゃや知育ゲームを用意し、遊べるようにしてあげます。

一方で、小さなものがお留守番をするスペースにあると誤飲してしまう可能性があるので、隠しておくようにします。あわせて、感電の危険のある電気ケーブルや、ワンちゃんにとって毒物となる食べ物も隠しておくようにしましょう。

臆病な性格のワンちゃんの場合、外が見える環境だと警戒心を煽ってしまい、落ち着いて留守番できないことがあるようです。その場合はカーテンを閉める等の工夫を行う必要があります。

愛犬が留守番している部屋に、留守番カメラを設置することをお勧めします。外出先から愛犬の様子を見られるだけでなく、室内の温度を確認できる留守番カメラもあります。また、愛犬が問題行動を起こしているのを見たら、マイクを使用して、愛犬に声かけをすることもできます。


暑さ対策

キャバリアは、被毛がダブルコートのため暑さに弱いです。また、短頭種のため呼気で熱を逃がすことが苦手で熱中症になりやすい犬種です。夏場は、室内でも熱中症にかかる可能性があります。クーラーを1日中つけてあげて、室温を一定に保ってあげましょう。その際、目安となる室温は23~25℃、そして、理想的な湿度は40~60%です。水分もとれるようにしてあげます。また、ひんやりする犬用マットを用意してあげる等、暑さ対策グッズを使用することもおすすめです。ケーキ購入時等でもらった保冷剤は捨てずにとっておき、ある程度数がたまったら、保冷剤の中身をペットボトルに移し、1本の大きな保冷剤を作り、それをタオルでくるむなどしてワンちゃんの近くにおいてあげるのも良いと思います。


寒さ対策

キャバリアは、被毛がダブルコートなので、暑さには弱いけれども寒さには強いのではないかと思うかもしれません。しかしながら、キャバリアは寒さにも弱い犬種となります。キャバリアのような小型犬は、大型犬より身体が小さいため体熱の保温機能が低く、寒さへの耐性が弱い傾向にあるためです。また、室内で飼育していることから、寒さへの耐性が低下しているということもあります。

キャバリアが寒い時には、身体を小刻みにブルブルと震わせます。また、寒いと散歩に行きたがりません。うちのキャバリアも、寒さからかなのか、散歩に出ても、すぐに家に走って帰っていきます。身体を丸めたり、朝寝坊になったり、水を飲む量が減ったりするときも、寒いときの特徴です。

留守番中、愛犬が快適に過ごせるように、防寒対策をおこないましょう。エアコンをつけてあげるとともに、愛犬が自分で身体を温めることができるよう、犬用ベッドや毛布を用意してあげると良いです。うちのキャバリアもお留守番中に寒いと自分で毛布の中に潜り込んでいたりします。

あわせて、部屋が乾燥しないように工夫してあげることも大切です。乾燥は、皮膚トラブルや呼吸器系の病気の原因になる可能性があります。自然気化式加湿器(電気を使わない置くだけの加湿器)は、部屋全体を加湿することはできないものの、ワンちゃんのお留守番中でも比較的安心して使用できると思います。

若年層や高齢のキャバリアは、体温調整能力が低いので、暑さ寒さに敏感です。愛犬の様子をよく見てあげて、日々の天候を考慮しながら、対応を変えてあげることも必要だと思います。


■飼い主さんの時間を創出する

飼い主として、なるべく愛犬と長く一緒にいてあげたいものの、仕事等でどうしてもお留守番してもらわなければならないことも多々あります。

帰りが遅くなってしまったとき、ペットカメラから愛犬が寂しそうな表情をしているのを見てしまうと、いてもたってもいられなくなります。少しでも長い時間を愛犬と一緒に過ごしてあげるために、時間を有効に活用する方法等を以下に記載しますのでご参照ください。


1日の計画をたてる

行動計画を立てることは、自分の時間を創出するうえで大切なこととなります。ToDoリストで、すべきことを書き出していくということも効果的ではあると思います。しかしながら、ToDoリストだと、やるべきことがどんどんと増えていき、未消化のやるべきこと項目が処理しきれないほど増えてしまうということもよくあります。そういったことを避けるためにも、タイムボクシング(時間割)を作ることをお勧めします。タイムボクシングを使って週40時間働くと、何も考えずに週60時間以上仕事をしたのと同じ生産性があるとも言われています。タイムボクシングは、①タスクをすべて書き出す、②1日の重要タスクを絞り込む、③1日のスケジュールに最重要タスクを先に割り振る、④実行、⑤1日を振り返り、行動の改善・改良を繰り返す、というものになります。残業が多い等により、愛犬との時間がなかなか取れない方は、ぜひタイムボクシングを取り入れてみてください。

また、長時間続けて作業するよりも、短い休憩を挟んだ方が集中力と生産性は上がります。1時間に1回程度の休憩を取り、ストレッチ等で体を動かすとよいです。

昨今、マルチタスクという仕事の進め方も話題になることがありますが、こちらも注意が必要です。マルチタスクは注意力が散漫となり生産性が落ちると言われています。状況が許さない場合も多々ありますが、仕事をシングルタスクで一つずつ完遂していく方が、生産性向上・時間創出につながります。

生産性を上げ時間を創出していくためには、「どうすれば簡単にできるだろう」と考え続けることが大切です。左記もご参考にしていただき、飼い主さんが愛犬と一緒にいる時間をつくれるようになれば嬉しい限りです。


ITスキルの向上

仕事をする上でパソコンを使用するシーンは数多くあると思います。ブラインドタッチにより入力速度を上げたり、アプリケーションの知識を高める(例:Excelの数式やマクロを覚える)ことで、作業時間の短縮と生産性の向上に繋がります。

パソコンのショートカットを覚えることもお勧めです。一つ一つの時短効果はわずかなものの、身体に覚えさせ自然に指が動くようにしておけば、塵積って山となるで時間の創出につながります。例えばWIndowsであれば「ウインドウズマーク → x → u → u」と入力すれば素早くパソコンをシャットダウンできます。ExcelやWordのショートカットを以下に記載しておきますので、ご参考にしていただければと思います。

Ctrl + cコピーCtrl + f文字列を検索
Ctrl + v貼り付けCtrl + h文字列を置換
Ctrl + x切り取りCtrl + d上のセルをコピー
Ctrl + z元に戻すCtrl + Shift + lフィルターをかける
Ctrl + yやり直すCtrl + Alt + v形式を選択して貼り付け
Ctrl +a全選択Ctrl + Shift + :表全体を選択
F2セルを編集Ctrl + Shift + +行列を追加
F4絶対参照・相対参照Ctrl + Shift + 矢印矢印の方向へ全選択
F7全角カタカナに変換Ctrl +Shift + ^標準の表示形式に設定する
F12名前を付けて保存Alt → h → h セルの色を変更
Excel ショートカット一例

多くのデータを扱う場合、フィルターをかける「Ctrl + Shift + l」は便利です。また、VLOOKUPをよく使用される方は、「Ctrl + Shift + +」で列を追加した後、「Ctrl +Shift + ^」で標準の表示形式に設定するショートカットを利用すると便利です。

Ctrl + cコピーCtrl + b太字にする
Ctrl + v貼り付けCtrl +l (r)左揃え(右揃え)
Ctrl + x切り取りCtrl + [ ( ] )フォントサイズを大きく(小さく)する
Ctrl + z元に戻すCtrl + fテキストを検索
Ctrl + yやり直すCtrl + hテキストを置換
Ctrl +a全選択Ctrl + p印刷プレビュー表示
F12名前を付けて保存Ctrl + n新規文書を開く
Word ショートカット一例

Wordについて、上記のショートカットはよく使用しています。テキストを検索・テキストを置換するショートカットは、個人的にExcelの方で多用しています。置換は一括で記入内容を変換できるので初めて知ったときは非常に便利さを感じました。

ITの発展は加速度的に進んでいますので、上記以外についても最新のものをどんどんと使いこなしていくことが、自身の時間創出・生産性の向上につながると感じています。

キャバリア ミックス犬

ミックス犬とは

ミックス犬とは、違う種類の純血種同士の両親から生まれた犬のことをいいます。

※純血種:同じ犬種から生まれた、血統書がついた犬種のこと

※ミックス犬は、ハーフ犬、ハイブリッド犬、F1、デザイナードッグとも呼ばれています。

違う犬種の両親から生まれた犬のことを雑種犬とも呼びますが、雑種犬とミックス犬に大きな違いはありません。ただ、人気の犬種を意図的に交配させたことによって生まれてきた犬をミックス犬、意図せず違う犬種が交配して生まれてきた犬のことを雑種犬と呼ぶことがあります。

ミックス犬は純血種ではないため、その金額が高額であろうと、正式な犬種と認められておりませんので、血統書の発行はされません。ただし、家で普通に飼う分には、血統書がなくても何も問題はありません。

ミックス犬のデメリットとして、飼い方等の情報が少ないということが挙げられます。ミックス犬の個性は、母犬・父犬のどちらのDNAが色濃く出るかによって、様々です。両親どちらの犬種に似るかは成長してみないと分かりません。また、犬種によってかかりやすい疾患がありますが、ミックス犬の場合、母犬・父犬それぞれのなりやすい疾患を両方受け継いでしまうこともあります。

ミックス犬はかけあわせの種類が多いため、データの蓄積がされておらず、参照すべきエビデンスも少なくなります。それに伴い、一緒に生活する中で、頼れる情報がなくて困ってしまうこともあると思われます。ミックス犬の母犬・父犬それぞれの犬種特有の性格や特徴を押さえておけば、飼育のコツやかかりやすい病気をある程度把握することに繋がり、一緒に生活していく中での助けとなるでしょう。


キャバリア ミックス犬の種類

キャバリアと他犬種とのミックス犬は、両親の名前をとって、以下のように呼ばれています。

キャバション ・キャバチーズ ・キャバチワ ・キャバプー ・キャバシーズー ・ポメキャバ ・キャバグル ・キャバックス ・キャバヨン ・キャバッツ ・ペキキャバ

前述のように、ミックス犬を飼育する際には、両親のそれぞれの特徴を把握しておく事が一緒に生活する上での助けとなります。以下にキャバリアともう片方の親の特徴を記載しておりますので、ご参考にしてみてください。


■キャバション

キャバリアとビションフリーゼのミックス犬

キャバションの外見的な特徴として、ふわふわした被毛と大きな丸い目で垂れ耳を持っているということが挙げられます。キャバリアの穏やかさや優しさ、ビションフリーゼ の陽気で素直な性格を引き継げば、初めて犬を飼う人でもお世話がしやすい犬となります。キャバリア・ビションフリーゼ ともに被毛がダブルコートとなりますが、ビションフリーゼ は抜け毛が少ないので、ビションフリーゼ に似ればキャバリアほど抜け毛は多くならないでしょう。日頃の生活の中で、適度な運動と、被毛がからまりやすいので時々ブラッシングをしてあげると良いようです。なお、日本ではキャバション は珍しい犬ですが、アメリカではポピュラーなミックス犬なようです。

キャバリアビションフリーゼ
体高31〜33cm25〜29cm
体重5〜8kg5kg程度
平均寿命9〜14歳12〜15歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い陽気で明るい・フレンドリー・素直・甘えん坊
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他白内障・尿路結石症・外耳炎・急性湿潤性湿疹(ホットスポット)・膝蓋骨脱臼(パテラ) 他

■キャバチーズ(マルキャバ)

キャバリアとマルチーズのミックス犬

キャバチーズの外見的な特徴として、短めのマズルとつぶらな瞳、シルキーな被毛が挙げられます。毛がからまりやすいので、ブラッシングをしてあげましょう。抜け毛については、比較的少ないと言われています。キャバリア・マルチーズそれぞれの性格を引き継げば、飼い主や家族への愛情が深く、いつもそばにいたがるタイプになります。

キャバリアマルチーズ
体高31〜33cm22〜25cm
体重5〜8kg3〜4kg
平均寿命9〜14歳12〜15歳
被毛ダブルコートシングルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い陽気で明るい・活発・遊び好き・甘えん坊
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他僧帽弁閉鎖不全症・膝蓋骨脱臼(パテラ)・流涙症・外耳炎 他

■キャバチワ(チワキャバ・キャバチー・チワリア)

キャバリアとチワワのミックス犬

キャバチワの外見的な特徴として、丸い大きな瞳を持っていることが挙げられます。毛質は短毛から長毛まで様々です。体格は、傾向としてキャバリアの純血種よりも小さくなります(チワワよりも少し大きめ)。性格は、チワワの特徴である警戒心と活発さを持つこともあります。激しい運動は必要ありませんが、適度な運動をさせてあげることは求められます。

キャバリアチワワ
体高31〜33cm18cm前後
体重5〜8kg1.5〜3kg
平均寿命9〜14歳14歳程度
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い動きが機敏・活発・勇敢で負けん気が強い・警戒心が強い
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他僧帽弁閉鎖不全症・膝蓋骨脱臼(パテラ)・気管虚脱・水頭症・泉門開存 他

■キャバプー(プーキャバ)

キャバリアとトイプードルのミックス犬

キャバプー の外見的な特徴として、大きな瞳と飾り毛をまとった垂れ耳が挙げられます。顔の雰囲気はマズルの短いキャバリア 寄りになる傾向が強いです。被毛は、トイプードル寄りのモコモコとしたワンちゃんが多く、抜け毛は少なめの傾向です。体格については、キャバリア寄りになることが多いようで、小型犬としては比較的大きめのサイズになります。キャバプー は、人懐っこく社交的、穏やかで愛情深い性格をしているため、躾がしやすく人気です。キャバリアもトイプードルも吠えにくい犬種のため、キャバプー も無駄吠えが少ないと言われています。トイプードルは全犬種の中で2番目に賢いと言われる頭脳を持っていますので、その点も飼いやすさに繋がっていると言えるでしょう。飼育にあたって過度な運動は不要ですが、適度な運動は必要です。なおキャバプー は、アメリカで、セラピードッグ(身体や心に病気を持つ人々、障害を持つ人々に寄り添う犬のこと)として活躍することを目的に生み出された犬で、欧米では日本と同じように「Cavapoo」と名付けられるほどメジャーなミックス犬となっています。

キャバリアトイプードル
体高31〜33cm23〜28cm
体重5〜8kg3kg前後
平均寿命9〜14歳12〜15歳
被毛ダブルコートシングルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い明るく活発・温厚で友好的・聡明
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他クッシング症候群・膝蓋骨脱臼(パテラ)・骨折・外耳炎・流涙症・白内障 他

■キャバシーズー(キャバシーズ)

キャバリアとシーズーのミックス犬

キャバシーズーの外見的な特徴としては、大きな瞳と垂れ耳が一般的で、体型は丸みを帯びています。被毛は、ふわふわで柔らかく、そのカラーはシーズーの特徴を受け継ぐことが多いようです。被毛は絡まりやすいので、週に数回のブラッシングが推奨されます。性格は、人懐っこく甘え上手になる傾向にあるようです。

キャバリアシーズー
体高31〜33cm20〜28cm
体重5〜8kg4〜7kg
平均寿命9〜14歳13〜15歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い明るく穏やか・遊び好きで活発・友好的・頑固
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他僧帽弁閉鎖不全症・気管虚脱・角膜症・緑内障・外耳炎 他

■ポメキャバ

キャバリアとポメラニアンのミックス犬

ポメキャバの外見的な特徴として、キャバリアのやや丸みを帯びた体型と、ポメラニアンのコンパクトな姿が融合した体型をしています。耳は、個体によって異なり、キャバリアの垂れ耳がを受け継ぐこともあれば、ポメラニアンの立ち耳を受け継ぐこともあります。被毛は、ポメラニアン のふわふわした毛質とキャバリア の滑らかな被毛が混ざった中毛〜長毛になります。毛量が多い場合があるため、週に数回のブラッシングが推奨されます。

キャバリアポメラニアン
体高31〜33cm18〜22cm
体重5〜8kg1.8〜2.3kg
平均寿命9〜14歳12〜16歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い活発で遊び好き・好奇心旺盛・自己主張や警戒心が強い
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他膝蓋骨脱臼(パテラ)・気管虚脱・乳歯遺残・脱毛症(アロペシアX) 他

■キャバグル

キャバリアとビーグルのミックス犬

キャバグルの外見的な特徴として、垂れ耳と大きな瞳を持っていることと、四肢がしっかりしていることが挙げられます。ビーグルのエネルギッシュな性格を引き継ぐことが多いようで、毎日、散歩をしたり遊んであげたりすることが推奨されます。なお、キャバグルは、映画『僕のワンダフル・ジャーニー』のモリー役として登場しています。

キャバリアビーグル
体高31〜33cm33〜38cm
体重5〜8kg7〜12kg
平均寿命9〜14歳12〜15歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い明るく朗らか・エネルギッシュ・協調性、社会性がある・探究心が強い・寂しがりや
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他椎間板ヘルニア・クッシング症候群・糖尿病・白内障・外耳炎 他

■キャバックス

キャバリアとダックスフンドのミックス犬

キャバックスは、垂れ耳で、キャバリアのふわふわした耳の質感を受け継ぐことが多いようです。体型は、胴が少し長めで、曲線的なフォルムをしていることが多いようです。ダックスフンドの狩猟犬としての性質を受け継いだ場合、適度な運動が必要となります。

キャバリアミニチュアダックスフンド
体高(胸囲)体高:31〜33cm胸囲:30〜35kg
体重5〜8kg5kg以下
平均寿命9〜14歳13〜16歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い友好的で落ち着きがある・明るく遊び好き・賢くて用心深い
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他椎間板ヘルニア・クッシング症候群・白内障・歯周病・膀胱結石 他

■キャバヨン

キャバリアとパピヨンのミックス犬

キャバヨンの外見的な特徴として、ふわふわとした耳や長い被毛を持つことが多いということが挙げられます。知的でトレーニングしやすく、家族に対して愛情深いため、初心者にも飼いやすいワンちゃんとなります。

キャバリアパピヨン
体高31〜33cm28cm以下
体重5〜8kg2〜4kg
平均寿命9〜14歳12〜15歳くらい
被毛ダブルコートシングルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い明るく活発・遊び好き・好奇心旺盛・賢く状況判断が得意
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他膝蓋骨脱臼(パテラ)・進行性網膜委縮症(PRA)・膀胱結石・腎不全 他

■キャバッツ

キャバリアとスピッツのミックス犬

キャバッツは、耳は垂れ耳、またはやや立ち耳の形、毛色はスピッツの白い被毛が優勢となる場合が多くなります。キャバリア由来の人懐っこさがあったり、スピッツ由来のエネルギッシュな性格をしていたりします。

キャバリアスピッツ(日本スピッツ)
体高31〜33cm30〜38cm
体重5〜8kg9〜11kg
平均寿命9〜14歳12〜14歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い以前はムダ吠えが多かったが、近年では温和で人懐っこく、好奇心旺盛になってきている。
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他膝蓋骨脱臼(パテラ)・血友病・落葉状天疱瘡・流涙症・気管虚脱 他

■ペキキャバ

キャバリアとペキニーズのミックス犬

ペキキャバは目が大きく、被毛はペキニーズのふわふわした長毛とキャバリアの滑らかな毛質がミックスされることが多くなります。キャバリアの明るく人懐っこい性格が強く出ることが多いですが、ペキニーズの頑固さを受け継いだ場合は、根気よくしつけなければならない可能性も出てきます。ペキニーズ由来の鼻腔の短さが受け継がれた場合は、暑さに弱くなるので夏場の熱中症には注意してあげる必要があります。

キャバリアペキニーズ
体高31〜33cm15〜23cm
体重5〜8kg3〜6kg以下
平均寿命9〜14歳12〜15歳
被毛ダブルコートダブルコート
性格優しい・穏やか・友好的・協調性高い落ち着いている・聡明・マイペース・自立心旺盛・誇り高く頑固
かかりやすい病気僧帽弁閉鎖不全症・脊髄空洞症・短頭種気道症候群・乾性角結膜炎・外耳炎 他僧帽弁閉鎖不全症・短頭種軌道症候群・気管虚脱・鼻腔狭窄 他

キャバリアに見た目が似た犬種

こちらでは、キャバリアに見た目が似ている犬種と、キャバリアと同じスパニエル系の犬種を記載しています。見た目が似ている犬種だとしても、性格等の特徴は異なります。ご参考ください。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(ブレンハイム)
キャバリアの特徴はこちらを参照ください

-目次-

 コーイケルホンディエ

 ビーグル

 ジャックラッセルテリア

スパニエル系

 キング・チャールズ・スパニエル(イングリッシュトイスパニエル

 イングリッシュ・コッカー・スパニエル

 アメリカン・コッカー・スパニエル

 イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

 パピヨン


コーイケルホンディエ

コーイケルホンディエキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国オランダイギリス
サイズ小・中型犬小型犬
体高35~42cm31~33cm
体重9~11Kg5~8Kg
寿命12~14歳9~14歳

野球選手の大谷翔平選手が飼っているということで一躍有名になったコーイケルホンディエ。キャバリアのブレンハイムに見た目が似ています。違いとしては、キャバリアより身体が少し大きめであり、また、マズルも長くなっています。キャバリアと同様、ダブルコートなので、抜け毛は多めとなります。性格は温厚で友好的なので、社交性の高いキャバリアとその点似ています。一方、見知らぬ人や犬に対して用心深いという点がキャバリアと異なります。高い運動能力とスタミナがあるので、必要な運動量が多くなることもキャバリアとの違いと言えます。第二次世界大戦後、頭数が25頭まで減ってしまったという経緯もあり、入手が難しい希少な犬種です。左記の経緯もあり、近親交配が原因の遺伝子疾患を持っていることもあります。


ビーグル

ビーグルキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国イギリスイギリス
サイズ中型犬小型犬
体高33~38cm31~33cm
体重7~12Kg5~8Kg
寿命12~15歳9~14歳

ビーグルはアメリカの漫画『ピーナッツ』のスヌーピーのモデルになった犬です。大きな垂れ耳を持つということと、毛色がキャバリアのブレンハイムに似ていることからチョイスしました。食欲旺盛なわんちゃんも多く、その点がキャバリアと似ています(キャバリアと同じで太りやすい体質でもあります)。協調性は高いですが、キャバリアと異なりエネルギッシュでたくさんの運動量が必要です。また、探求心が強く興味があることに夢中になってしまうところがあります。散歩のときは飼い主さんがペースをコントロールしてあげることが必要です。ビーグルは、ひとりで過ごすのも苦手な犬種なので、飼い主さんがたくさんコミュニケーションをとってあげたいところです。


ジャックラッセルテリア

ジャックラッセルテリアキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国イギリスイギリス
サイズ小型犬小型犬
体高25~30cm31~33cm
体重4~6Kg5~8Kg
寿命13~16歳9~14歳

顔の模様と色合いがキャバリアのブレンハイムに似ていると思いチョイスしましたが、かなりキャバリアとは性格が異なる犬種です。ジャックラッセルテリアは、とても元気でパワフル、遊ぶことが大好きな犬種です。小動物を見ると追いかける習性もあるわんぱくものです。子犬の頃からしつけをしておかないと問題行動を起こすこともあるため、しつけがあまり必要ないと言われるキャバリアと異なります。キャバリアと似ている点をあげるとすれば、ジャックラッセルテリアはシングルコートであるものの、抜け毛が多いというところでしょうか。わんちゃんと一緒に活動的に過ごしたい飼い主さんには、ジャックラッセルテリアはお勧めの犬種となります。


スパニエル系

キング・チャールズ・スパニエル(イングリッシュトイスパニエル)

キング・チャールズ・スパニエルキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国イギリスイギリス
サイズ小型犬小型犬
体高26~31cm31~33cm
体重3.6~6.3Kg5~8Kg
寿命10~12歳9~14歳

1800年代イギリスにて狆(ちん)やパグといった鼻ぺちゃな犬と交配されたことにより誕生した犬種がキング・チャールズ・スパニエルです。その後20世紀に、キング・チャールズ・スパニエルが、鼻ぺちゃの影響で呼吸器疾患などの病気にかかりやすいことを受けて誕生した犬種がキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとなります。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの人気に押され、ブリーダーや販売ルートを探すことが難しい犬種となっています。性格は、やや内気で騒々しい環境苦手です。おっとりした気質なので、激しい運動や豊富な運動は必要ありません。鼻ぺちゃの影響で、いびきが大きく熱中症にもなりやすい犬種です。


イングリッシュ・コッカー・スパニエル

イングリッシュ・コッカー・スパニエルキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国イギリスイギリス
サイズ中型犬小型犬
体高38~41cm31~33cm
体重12.5~14.5Kg5~8Kg
寿命12~15歳9~14歳

まず、コッカー・スパニエル(イングリッシュ・コッカー・スパニエル 後述のアメリカン・コッカー・スパニエル)は、どちらも長い被毛と大きな垂れ耳を持っています。この点キャバリアと共通の特徴を持ちます。一方で華奢な身体つきのキャバリアとことなり、コッカー・スパニエルは筋肉質です。被毛はコッカー・スパニエル、キャバリアともにダブルコートですが、コッカー・スパニエルの方が毛量が多い傾向にあります。

イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、人懐っこくて明るく陽気な性格をした犬種です。キャバリアと異なり、高い運動能力を持つため非常に多くの運動が必要となります。食いしん坊で太りやすい犬種なので、その点キャバリアと似ています。イングリッシュ・コッカー・スパニエルの毛色は、2色が混じったグラデーションのような独特の模様が入る「ローン」、単色の「ソリッド」、黒・チョコレート色・レッド・セーブル・ブラック&タンなどがあり、カラーバリエーションが4種類のキャバリアと異なり豊富です。主に遺伝性疾患である先天性激怒症候群(突然噛みつくなど攻撃的な行動を見せてしまう病気)を持つわんちゃんがいます。


アメリカン・コッカー・スパニエル

アメリカン・コッカー・スパニエルキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国アメリカイギリス
サイズ中型犬小型犬
体高35~38cm31~33cm
体重11~13Kg5~8Kg
寿命10~15歳9~14歳

日本でアメコカと略されるアメリカン・コッカー・スパニエルは、コッカー・スパニエルの特徴である長い被毛と大きな垂れ耳を持っています。キャバリアと同様、被毛はダブルコートですが、毛量は多い傾向にあります。また、華奢な身体つきのキャバリアと異なり、コッカー・スパニエルは筋肉質です。

アメリカン・コッカー・スパニエルの性格は、アメリカで「メリー・コッカー(陽気なコッカー)」と呼ばれるほど、明るく、社交的で、楽天的です。また、飼い主のことを理解する賢さも持っています。キャバリア同様、アメリカン・コッカー・スパニエルも食いしん坊なわんちゃんが多く、太りやすい犬種です。毎日1時間程度は散歩してあげることが推奨されます。毛色は4種類のキャバリアと異なり、黒やレッド、チョコレート色、クリーム、トライカラー(黒・白・茶)などバラエティに富んでいます。ひとりの時間が非常に苦手なので、なるべく一緒にいる時間を多くしてあげたい犬種です。

なお、同じコッカー・スパニエルである前述のイングリッシュ・コッカー・スパニエルとの違いは、アメリカン・コッカー・スパニエルの方が頭が丸く、マズルが短いという点があります。


イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国イギリスイギリス
サイズ中型犬小型犬
体高48~51cm31~33cm
体重22~24Kg5~8Kg
寿命12~14歳9~14歳

大きな垂れ耳とウェーブがついた長い被毛に覆われている点がキャバリアと同じイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル。温和で従順な性格をしています。平和的な性格をしているキャバリアとその点が近いように思われます。一方、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、足が長くて力強く、活動的な犬種です。1日1~2時間以上の散歩や運動をさせてあげることが推奨されています。キャバリアと同様、被毛はダブルコートです。「激怒症候群(レージ・シンドローム)」と呼ばれる、遺伝的な攻撃性を持つわんちゃんもいるので、飼い主さんが子犬を入手する際には慎重に確認することが求められます。


パピヨン

パピヨンキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
原産国フランス・ベルギーイギリス
サイズ小型犬小型犬
体高28cm以下31~33cm
体重2~4Kg程度5~8Kg
寿命12~15歳くらい9~14歳

マリーアントワネットが愛した犬種として知られるパピヨン。パピヨンは好奇心旺盛で、あかるく活発な性格をしています。また賢い犬種ですので飼いやすいです。飼いやすいという点ではキャバリアと同じですが、パピヨンは警戒心が強いという点が異なります。身体能力が高く、散歩は1日2回、各30分が目安となります。食へのこだわりが強く、少食だったり偏食だったりするケースがあります。キャバリアはダブルコートの犬種ですが、パピヨンの被毛はシングルコート・ダブルコートそれぞれいる犬種です。パピヨンというと大きな立ち耳が特徴的ですが、耳が垂れているタイプもいて、こちらも標準として認められています。耳が垂れているタイプはファレーヌと呼ばれています(フランス語で、パピヨンは蝶、ファレーヌは蛾を意味する)。