VMDの陳列・展示

本日はVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)の陳列・展示に関して記載します。

 VMDは視覚的な工夫を凝らすことにより販売を支援していく方法で、その工夫をすることにより、“お客様に店舗内を長く回遊してもらう”“商品に興味を持ってもらう”ようにしていくことです。今、目的買いではなく、ついで買いをするお客様が増えていますが、店舗側からしてみれば、少しでもお客様に長い時間、店舗を回遊していただき、多くの商品を見ていただくことが売上の嵩上げに繋がりますので、その点からVMDは有効な手段の一つと言えます。

まず、展示の基本として、商品や装飾品を組み合わせて「三角形」にします。三角形の形は、等辺三角形でも不等辺三角形でも逆三角形でも問題はありません。三角形をつくると安定感が増して見栄えが良くなります。また、一つの塊として展示しますので、お客様からも「そこに商品がある」とわかりやすいです。また、この三角形の塊を等間隔に並べるとお客様からの視認性が高まります。三角形の塊の並べ方は素材違いや色違い、他には左から小さい順に並べていくという方法があります。

 次に陳列方法に関してですが、お客様の滞在時間を延ばす方法として「連鎖陳列」という方法があります。商品を陳列する際に不規則にばらばらに商品を置いてしまうと、お客様はどこに何があるのかわからず、その場を離れてしまいます。そこでカテゴリごとに分類された商品群に関連性を持たせて、“左から小→大の繰り返しで陳列する(お客様の視線は左から右へと移動するため)”“平台(カウンター)の上に商品を1つずつ等間隔で並べる”“サイズの小さいモノから大きいモノ、大きいモノから小さいモノという順番で波のような形を作るように繰り返し商品を並べる”“商品カテゴリごとに横、縦、斜めに並べる(一般的に横方向に陳列するが、縦、斜めと変化をつけることで、商品がお客様の目に留まりやすくなる)”というように、商品を連鎖させて陳列を行うと、お客様の視線は次、次と移動していき、結果的に回遊性が高まっていくこととなります。

 VMDは店舗側からすれば客単価向上につなげていくための手段ですが、買い物に行ったときに店舗をVMDの視点で見るのも面白いです。

 (参考文献 繁盛店が必ずやっている商品陳列最強のルール)

VMD(色彩の活用)

VMD(色彩の活用)に関して記載します。

 2013年の8月ごろに渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催していた『レオ・レオニ 絵本のしごと』に行きました。レオ・レオニは絵本作家で、1959年に孫のために作った絵本『あおくんときいろちゃん』でデビュー。教科書に載っている『スイミー』など有名で色の魔術師と称されています。さすがにその二つ名を持つだけあって色の使い方が素晴らしいなと感じました。類似色相の配色や対照色相・補色色相の組み合わせがすごいですし、ブルーアンダートーンやイエローアンダートーンを意識して描いているような絵もありました。

 (ブルーアンダートーン・イエローアンダートーン→パーソナルカラーの理論でも使用されるもの。例えば一枚の絵を描く際、使用する絵の具すべてに青(黄)を混ぜると、調和のとれた絵になる。)

さて、店舗の商品陳列においても、“色”は人に大きな印象の違いを与えます。VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)という言葉がありますが、これは、お客様がいかに売場に興味を抱き、その後、どのように店内を回遊して商品を選び、購入まで至るかを想定した売場づくりを考えていくことを言います。店舗側の都合で、売りたい商品を並べるのではなく「お客様はどう買うのか」と常にお客様視点で考えるのがVMDの基本となります。その中で、色は重要な役割を果たします。例えば商品ディスプレイを赤や橙、黄でまとめれば暖かなイメージを与えることができますし、夏をイメージしたいならビビッドな色を組み合わせたほうが夏っぽくなります。

また、商品を順番に並べるときには、人の視点は「前から奥」「左から右」に流れることを意識して並べてあげることも必要です。左から右へ明度が高い色から低い色へ並べてあげたり、色相環の順番(赤橙黄緑青藍紫)に並べてあげたりするのが良いです。よくぐちゃぐちゃに色を並べていることがありますが、きれいに並べたほうが商品を探しやすくなるので、お客様視点からいけば色彩の理論を押さえた上で商品陳列をすべきでしょう。部屋がぐちゃぐちゃで汚いなと感じるのは色数が多すぎるということがあります。VPでは色をある程度絞り込むことも重要です。

 色は空気のように存在しているので意識して見て使わないといけないと思います。かなり色の世界は奥深いと思いますので。