商業施設の証券化による資金調達

本日は商業施設の証券化による資金調達に関して記載します。

最近、不動産投資信託(証券会社でバスケットを組んでいるもの)の売却を行ったのですが、ここ最近の株安に影響されてなのか、これに関しても若干価格が低下傾向で少し残念な思いをしました。さて、この不動産投資信託、これが資金調達の手段として活用され、企業の成長スピードUPに繋げられています。

例えばイオンモールでは、自社が運営するSC17か所の土地・建物の所有を日本リテイルに譲渡しています。そして日本リテイルはJ-リートとして上場し、イオン系SCを中心に20か所以上のSCを保有して証券化し、賃料収入を得て投資家に収益を分配しています。

また、イオンは自らも不動産投資信託を立ち上げて、自社のショッピングセンターを活用した資金調達も2013年始めています。イオンがいったん自社系の投資信託会社にショッピングセンターを売却して現金を調達。改めて借り直して店舗を営業。そして投資信託会社はその賃料を投資家に分配していきます。イオンは埼玉県にあるレイクタウンを含めた20店舗程度を売却し、その結果、2000~3000億円程度の資金を手に入れました。これによって、イオンは国内やアジアに新しいショッピングセンターを開発していく動きをつけました。

商業施設の証券化は2006年ですでに1兆円を超えるといいます。最近ではロードサイド型専門店のような小型物件まで証券化されてきているといいます。流通業界では成長の源となる資金調達の仕組みとして建物の証券化が進んできているのです。

J-リートを初めて知ったときは不動産を比較的少額で購入できるすごいシステムだと思っていました。不動産投資信託自体、1960年代のアメリカで誕生しているそうなのですが、企業の資金調達方法の一つとして活用されている興味深いものだと感じました。

(参考文献 立地ウォーズ)