回転寿司から見る廃棄ロスに関して記載します。
過日、久々に職場の近くにある回転寿司に食べに行ったのですが、回転寿司屋にもかかわらず、お寿司は一個も回っておらず、代わりに商品POPがくるくるとコンベアの上を回転していました。結局最後まで寿司が回ることはありませんでした。
これは廃棄ロスを踏まえての対応と考えられます。
例えば「あきんどスシロー」という回転寿司のチェーン店があります(売上高1133億円、経常利益66億円(2012年9月期)、1店舗当たりの客席は約200席、売上高は3億円。かっぱ寿司やくら寿司と競い、売上高トップにもなっている規模の回転寿司チェーン)が、この「あきんどスシロー」は業界の中でも廃棄率が少ないということでも有名です。
通常、回転寿司は先に「これが売れるだろう」と見込んで商品を生産します。ですので、その商品がお客様から選ばれなかった場合、鮮度が落ちて、時間が経てば捨てられてしまう運命を辿ります。よく、回転寿司で何回も目の前を回ってカピカピになっている寿司を見ることがありますが、そういった商品は最終的に廃棄されてしまうのです。回転寿司には上記のような廃棄ロスがどうしても出てきてしまいます。この廃棄率、業界の平均は4~5%です。ところが「あきんどスシロー」は廃棄率が約1.5%です。
このように廃棄率が低いのには理由があります。それは回転寿司にインターフォンをつけたのです。回転寿司なのに普通の寿司屋同様、商品を受注してから生産するようにし始めたのです。また、お客様が入店するごとに大人と子供の人数をコンピュータ入力し、そのデータをもとにバックヤードのモニターに、時間帯別に投入すべき寿司の種類と量が表示されるようにもしています。
廃棄ロスは利益率を低下させてしまうものですので、企業ごとにいろいろと工夫がされているようです。また、無駄を省くために常に工夫し続けていくことが必要です。いずれにしても、寿司がカピカピだった時の残念な思いは、あまりしたくないものです。
(参考文献 小売・流通業が知らなきゃいけない物流の知識)