tabのO2Oサービス

本日はtabのO2Oサービスに関して記載します。

【多くの企業が注目するO2Oサービス“tab”】

ファッション性の強い商業施設から注目されているO2Oサービスに、頓智ドット株式会社が提供するtab”があります。“tab”のサービスは2012年6月末にスタートしたのですが、13年9月時点でのパートナー企業となっているところは「三越伊勢丹」「六本木ヒルズ」「東京ミッドタウン」「高島屋」「三菱地所」「ビームス」「東急ハンズ」等、その数200社に上っています。そして、アプリダウンロード数は30万人強、月間アクティブユーザー数は約17万人となっています。

このtabの特徴として『キュレーション』が挙げられます。キュレーションとは、ネット上の情報やコンテンツを収集・編集し、新たな価値を生み出して、それを他者と共有することを意味します。かつて企業や店舗から消費者へ情報は一方通行でした。それに対してネットが普及した現在では情報は双方向となっています。その流れの中で、自分の友人・知人、興味・関心が合う人、参考にしたい人をフォローすることで、その人が収集・編集された情報が自動的に自分の下へ流れてくるようなサービスが生まれています。

“tab”のコンセプトは「“行ってみたい”を集めた、みんなの“My雑誌”」。ユーザーは自分の興味・関心・センスで独自の特集を作っていきます。ユーザーはテーマごとに“行ってみたい”“食べてみたい”“買いに行きたい”といったリアルな場所を集め、自分のtab帳をまとめていきます。そのtab帳は公開されていますので、雑誌を見る感覚で他人のtab帳を見て、行きたい場所を見つけることができるのです。気に入ったユーザーをフォローすることもできます。

【伊勢丹新宿店リニューアル時の“tab”とのコラボレーション】

伊勢丹新宿店が総工費約90億円をかけて大規模な改装を実施し、2013年春にグランドオープンしましたが、この際にプロモーションの一環として“tab”と手を組みました。同キャンペーンは、伊勢丹新宿店とタイムアウト東京がリニューアルした伊勢丹新宿店の楽しみ方やおすすめスポットを各々の視点で集めて“tab”で発信するというものでした。発信した情報は40項目で「世界一“自分”が進化するヘアショップ」「伊勢丹でしか聞けない坂本龍一を聴く」などで、ユーザーは自分の興味ある情報を“tab”に入れていくという仕組みです。

さて、 “tab”の特徴として上記のキュレーション以外に「プッシュ通知」があります。自分が行きたいと思っていた場所でも、しばらくするとそのこと自体忘れているということは多々あります。“tab”ではユーザーがtab帳に入れたスポットの半径500m付近に立ち入ると、ユーザーのスマホに通知されるような仕組みにしています。そのことで「行きたいと思っていたけれど忘れていた」ということを防ぐことができます。

伊勢丹新宿店の同キャンペーンにおいては、ユーザーが伊勢丹新宿店の情報をプッシュ通知された件数は13年5月から1か月間で約1600件あったと言います。

技術の進歩とともにO2Oも進化を遂げています。“tab”と伊勢丹新宿店、タイムアウト東京は「新宿でしかできない101のこと」という新宿の街に焦点を当てたキャンペーンも実施しています。O2Oを活用し街全体の活性化を図る取り組みと言えます。今後、商業施設がO2Oを活用して街全体を活性化していくことが増えてくるのではないかとも思われます。

(参考文献 O2O、ビッグデータでお客を呼び込め! ネットとリアル店舗連携の最前線)