本日はフリーミアムに関して記載します。
【無料ユーザーが9割以上を占めていても利益が出る“フリーミアム”とは】
フリーミアムという言葉を最近耳にすることがあります。このフリーミアムとは「フリー(無料)」と「プレミアム(割り増し)」を合わせた造語で、無料サービスを提供することでユーザー数を増やし、そのうちの一部のユーザーに高度な機能を持つ付加価値の高い有料サービスを購入してもらい利益を出すビジネスモデルのことを言います。無料のサービスという観点から言うと、昔から「無料サンプル」を配布するという手法もあります。しかしながら、フリーミアムは無料サンプルと“無料”という点では同じですが、双方には大きな違いがあります。それは無料ユーザーと有料ユーザーの比率が異なるということです。無料サンプルの場合、無料で商品を配布するにはコストがかかりますので、多くの商品を無料サンプルとして配布することが出来ません。一方でフリーミアムの場合、IT化によりコンテンツやサービスのコストを下げることが出来ているので、無料ユーザーがどれだけ増えたとしても、少数の有料ユーザーを獲得できれば利益を上げることが出来ます。フリーミアムを実践する企業は、たいてい1割に満たない有料ユーザーからの課金で利益を上げていると言います。
【フリーミアムを実践している企業例】
■エバーノート
エバーノートは無料で活用できるネット上のスクラップブックのようなアプリケーションソフトです。テキスト、写真、音声、動画などを自分のアカウントにアップロードすれば、クラウドによって、どこのパソコンやスマホからでもアクセスして利用・編集・共有ができます。エバーノートのユーザー数は5000万人以上いるそうですが、無料版と有料のプレミアム版のユーザー比率は96対4程度だそうです。クラウドを活用することでランニングコストを低く抑え利益を生み出しています。個人的にはちょっとしたメモをとる時に便利だと思っています。
■ドロップボックス
パソコンのフォルダをクラウド上に保存できます。無料版は容量が限られていますが、有料版にすると大幅に増量されます。iPhoneで撮った写真や動画がiPhoneをパソコンにつなぐと自動的にドロップボックスに保存されるので便利です。
■Avira
ドイツのAvira GmbHが販売するアンチウィルスソフトウェア。無料で利用できますが、起動するたびに有料版の広告が出ます。また一部機能が使えないなどの制限もあります。日本語版は2009年12月1日にリリースされ、1年で日本のユーザー数が250万人を突破しました。
■スカイプ
2003年に創業した無料電話サービス。インターネット回線を利用することで、パソコン(スマホ)の会話を無料にしています。有料サービスにすると固定電話への通話もかけ放題になります。
■Flickr(フリッカー)
画像投稿サイト。写真をウェブ上で整理・分類・展示できます。また、他人と共有してお互いにコメントを書き込むこともできます。有料版は広告表示がなくなります。
IT化が進むことにより、無料で多くの顧客を一気に集め、一部のコアの利用者へ課金をすることで利益を生み出すことが可能になりました。フリーミアムは社会環境の変化にともなって登場した新たなビジネスモデルと言えそうです。
(参考文献 図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書)