コンビニの種類

コンビニエンスストアの種類について記載します。

コンビニエンスストアというとイメージとしてフランチャイズチェーン(FC)のイメージが大きいですが、それ以外にもボランタリーチェーン(VC)やレギュラーチェーン、単独店があります。小売業の業態別チェーン組織加盟事業所数でFCとVCの店舗数を比較してみると、専門スーパーやドラッグストアについてはFCよりVCが多くなっていますが、コンビニエンスストアは圧倒的にFCの店舗数が多くなっています(・専門スーパー FC:2,923店 VC:4,632店 ・ドラッグストア FC:470店 VC:5,387店 コンビニエンスストア FC:38,175店 VC:1,290店)。

そもそもFC、VCやレギュラーチェーン、単独店の違いは以下のようなもののようです。

1.フランチャイズチェーン(FC)

 本部組織があり、本部が作り上げた店舗のノウハウなど(FCパッケージと呼ぶ)を総ての加盟店に提供して経営する形態。加盟店はFCパッケージの使用対価として、ロイヤリティを本部に支払う。

 2.ボランタリーチェーン(VC)

 本部組織は存在するが、本部は経営ノウハウや店舗パッケージを持っているわけではなく、単独店が集合して仕入れを共有化する機能を担っている。本部は集中仕入れによる有利な商品原価交渉や販売促進策への協力依頼などを行う。加盟店は低額のロイヤリティを支払い、全加盟店の協力により本部を支えていく仕組み。

 3.全店が本部直営店で運営され、店舗勤務従業員も全員が正社員。個店の売上・利益の積み上げがチェーン全体の売上・利益になる。

 4.単独店

 元酒屋さんなどの業態変更が大半。独自の商品仕入れルートを持ち、店舗展開も経営者自身が考えて実践。いわゆる『パパママストア』が大半を占める。

コンビニエンスストアのFCというとセブン-イレブンがすぐ出てきます(直営店も2%くらいあるようですが。)。それに対してVCは国分グローサーズチェーン株式会社が運営する『コミュニティ・ストア』があります。コミュニティ・ストアは関東・東海・関西地方で展開していて、もともと国分株式会社が取引先酒販店の経営支援を狙って結成したことからVCの形をとっているようです。

FCは本部の経営ノウハウをはじめ店舗経営に関わる全てを本部が提供し、それが適正に運営されているかチェックしていきますが、VCの場合は共同仕入れなどのスケールメリットを享受できる業務以外は、全て個店が独自に経営します。ですので、個店独自の経営スタイルを貫きたい経営者はFCに加盟するよりもVCに加盟したほうが良いということになります。一口にコンビニエンスストアといってもその形に種類や特徴があるというのは興味深く、表面のみを見ていると見えてこない部分もあるのだろうと感じさせます。

 (参考文献 コンビニのしくみ)

フランチャイズチェーンに関して

フランチャイズチェーンに関して記載します。

 日本のフランチャイズチェーンのチェーン数は全体的な傾向でみると増加傾向にあり、1986年に619だったところ、2010年には1233となっています。そのうち、小売業は1986年201→2010年333、外食業は1986年291→2010年518、サービス業は1986年127→382という状況です。また、店舗数で見ても全体的な傾向でみると増加傾向にあり、1985年89,267店→2010年234,146店となっています。内訳をみると、小売業は1985年27,595店→2010年90,632店、外食業は1985年35,484店→54,757店、サービス業は1985年26,188店→2010年88,757店となっています。セブン-イレブンやローソンのコンビニの出店数が増加することが見込まれている2013年、小売業のフランチャイズチェーンの店舗数はさらに増えていくかもしれません。

そもそもフランチャイズチェーンとは、小売業やサービス業の店舗形態の一形態で、本部と加盟店がフランチャイズ契約を結び、本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に経営ノウハウの一式を与え、加盟店は本部に対して対価として加盟金やロイヤリティなどを支払う形態を言います。

 世界初のフランチャイズはアメリカ生まれのケンタッキーフライドチキン。話は逸れますが、60歳を過ぎてからフライドチキンをワゴン車に積んで各地を回り成功をしたケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースは本当にすごいと思います。日本で初のフランチャイズは1960年の不二家。ちなみにまた話は逸れますが、不二家のマスコットのペコちゃんとポコちゃんは、日本ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース像に続いて、立体商標として登録されているそうです。

フランチャイズシステムは、ブランド化されているサービスを、地政学的・文化的事情が異なる様々な地域に展開するためにも有効です。マクドナルドやセブン-イレブンなどの世界的に認知され、販売しているブランド(グローバルブランド)においては、本部企業がエリアフランチャイズ契約をある一企業と結び、その国での独占的な権利を与えています。

フランチャイズを行うにあたって、本部のメリットとしては「低コストで事業展開できる」「新規事業を急速に拡大し、ブランド力を確立できる」ということがあり、加盟店のメリットは「ビジネスノウハウを短期間で容易に身につけられる」「本部のブランド力、マーケティング力によって、初期段階から安定した経営が期待できる」ということがあります。

フランチャイズチェーンは本部にとって急速に事業を拡大でき、規模の経済性を発揮できる点は魅力ですし、新たに加盟店になるにあたっては、自分で0から作り上げる必要がないので、その分リスクを負わなくてよいという部分は大きいです。何よりもフランチャイズチェーン。この「仕組み」を作り上げたことそのものが重要だと感じました。

 (参考文献 ブランド・マーケティング)