BTO

本日はBTO(=Build To Order ビー・ティー・オー)に関して記載します。

【デル BTOによる成功】

BTOとは製造業のビジネスモデルで、注文を受けてから顧客の要望に合わせて組み立てる受注生産の仕組みです。そして、BTOは昔からあるような受注生産ではなく、ITや生産技術などを駆使して、低コストの大量生産をしながら、個々の要望にも柔軟に対応していくという特徴を持っています。

BTOを行っている企業の代表例として「デル」が挙げられます。かつてパソコンは大量生産品を買うのが当たり前でした。その中でデルの創業者のマイケル・デルは、「処理速度を速くしたい」「ハードディスクを補強したい」など、個々にパソコンに対する顧客ニーズがあることに着目し、1985年に顧客の要望に合わせて機能や付属品の有無などを選べるパソコンを販売しました。また、1996年にネット上で必要な機能を選ぶだけで、思い通りのパソコンが買えるサイトを開設しました。

デルは上記のように顧客のニーズに合わせたパソコンを販売できるようにしたことに合わせて、パソコンをリーズナブルな価格で提供しました。なぜ、低価格でパソコンを販売できるのかというと、その理由の一つとして「直接消費者に販売することで中間マージンを削減した」ということが挙げられます。また、トヨタのカンバン方式を導入し、生産工程を徹底的に効率化し、大量生産と柔軟な生産体制の両方を実現。必要な分だけを発注することで、完成品在庫や仕掛品が減り、余計なコストも抑えています。

最近では、家電量販店を歩いていると、デル以外のパソコンでもBTOを取り入れている企業を見受けます。

【ナイキのBTO NIKEid】

デルのパソコン以外のBTOの成功事例として、ナイキのNIKEidが挙げられます。これはナイキが1999年にアメリカでスタートさせたサービスで、スポーツシューズを自分の好みに合わせてカスタマイズできるものです。靴全体はもちろんのこと、靴側面のラインやソール、紐など、デザインを決める重要な部分の色が自分の好みで変えられます。また、足幅の広さもレギュラーとワイド2種類から選べるようになっています。

一人ひとりのニーズは異なります。パソコンは容量がたっぷりあった方がいい人もいますし、もしかしたらネットさえ使えればいいという人もいるかもしれません。個々のニーズに応えられるBTOのビジネスモデルを採用する企業が今後増えてくるかもしれません。

(参考文献 図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書)