チャネル

本日はチャネルに関して記載します。

【数多くの卸売業を通した方が新鮮?】

メーカーで商品が作られ小売店で販売されるまでには、何らかの経路をたどります。メーカーで作られた商品が小売店に卸されることもあれば、中間に卸売業者を通じて小売業に卸される場合もあります。この“生産者から小売業者へと製品を届ける販売経路”のことをチャネルと言います。

このチャネルにはゼロ段階~3段階以上まで様々な長さがあります(ゼロ段階→直販。1段階→メーカーと小売業者。2段階→1段階の間に卸業者が介在。3段階→1段階の間に卸業者、二次卸業者が介在)。

卸売業者の重要な役割は、大量の段ボールの山をさばき、小分けして小売業者に配送することにあります。例えば、メーカーへ100ダースの卵のケースを注文し、それを20の小売業者に5ダースずつ販売するという具合です。小規模の店舗がいきなり100ダースの卵のケースを買ったとしても売りさばけないでしょう。パパママストアのような過去からある小売システムにおいては、小売店舗は小規模で小売業者が一度に仕入れる量は少ないです。発注単位が小さくなればチャネルも長くなっていきます。

また、製品の特徴によってもチャネルの長さは変わってきます。もし製品が傷みにくければ、一度に大量仕入れをして貯蔵しておくことが可能です。よって、チャネルは短くなります。一方で、製品が傷みやすいものほど、チャネルが長くなっていきます。一見、短いチャネルの方が傷みやすい商品を迅速に顧客に届けられそうな気がしますが、これはバケツリレーの原理と同様で、長いチャネルの方が速く届けられるのです。

鮮魚の流通は食料品販売の中でも最も長いチャネルの一つと言います。魚は新鮮でなければならないため、品質を維持するのに1日2回か、少なくとも1回の配送が求められます。

チャネルが短ければ良いというものではなく、状況に応じた対応となっているということです。

【チャネルの幅】

チャネルには先に記載した長さに加え、幅があります。「どのチャネルの幅を選択するか?」は流通政策の一つとなります。

・開放的流通政策

これは自社製品の販売先を限定しないで、広範囲にわたって開放的に製品を流通させる政策となります。一気にシェアを拡大できるというメリットがある一方、販売管理が複雑になるというデメリットがあります(商品クレームが出たときに、小売業者が、どのメーカーで作ったものか探すのが大変、といった感じでしょうか)。また、同じ製品を流通業者間で販売競争させることになりますので、価格の下落や、ブランド力の低下・製品のイメージダウンにつながる可能性があります。この政策は消耗品のような薄利多売に向いている政策です。

・選択的流通政策

これは取引先との関係の中で、販売力・資金力・協力度・競合製品の取り扱い状況といったことを踏まえて、流通チャネルを選定する政策となります。開放的流通政策に比べるとシェア拡大のスピードは遅くなります。

・排他的流通政策

特定の地域や製品の販売先に独占販売権を与える政策で、このような販売先は代理店・特約店と呼ばれます。メーカーがチャネルをコントロールしやすく、価格競争に巻き込まれにくいというメリットがあります。一方でメーカーがチャネルの維持をするためのコストが大きくなるというデメリットがあります。

チャネルは長ければ長いほど商品の価格も高くなり、短い方が良いという先入観がありますが、バケツリレーのように、長いことは長いなりにメリットがあるということがわかります。短絡的に考えることの危険性を垣間見ることができます。

(参考文献 変わる世界の小売業)