ビル・ゲイツのシンク・ウィーク

本日はビル・ゲイツの「シンク・ウィーク(考察週間)」に関して記載します。

【時代の先端を行き成長するための手法 「シンク・ウィーク」とは?】

ビル・ゲイツはマイクロソフトの経営者の時に「シンク・ウィーク(考察週間)」というものを設けていました。シンク・ウィークとは1992年から2008年にかけて、ビル・ゲイツが実施していたもので、彼は大量の企画書を持って、太平洋北西部に休みを取って、1週間引きこもっていました。その際、ただ休んでいるわけではなく、スタッフや家族と離れ、社会との関係性を断つことで、会社の未来にとって重要な問題を深く掘り下げ、会社の今後の戦略を再調整していたのです。

シンク・ウィークのアイデアはビル・ゲイツ一人の発想でした。この時間は娯楽に使うわけではなく全て仕事に使われます。このシンク・ウィークの期間、論文・資料を読み、眠り、食べること以外、何もしなかったようです。食事はキッチン・スタッフが届けてくれるようにして、書斎に冷蔵庫も用意。徹底的に思考に時間を費やす工夫をしていました。

この期間にビル・ゲイツは、ゲーム・映画・コミュニケーションなど様々なエンターテイメントが楽しめるオンラインサービス「エックスボックス・ライブ」構想にゴーサインを出したり、1995年に広告収入ベースの無料コンテンツが勝利することやユーザーがインターネット上でつながりたい人やサービスの名前を見つけられるようになることを予言した有名な内部文書「インターネットの潮流」を書きはじめたりしています。

マイクロソフトにおいても、多くの企業同様、重要な製品はチームワークから生み出されていましたが、会社のコアな部分はビル・ゲイツが握っていました。だからこそ、ビル・ゲイツ本人が、多忙な中、マイクロソフトの未来について沈思黙考し、構想を練る時間を作ることが重要だったのです。そのために、シンク・ウィークが設定されていました。

【シンク・ウィークによる社員のモチベーションアップ】

マイクロソフトのある幹部が「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記事において、シンク・ウィークを「世界でいちばんクールな提案書」と評しています。ビル・ゲイツがシンク・ウィーク期間中に、社員自らが書いた論文に目を通し、その論文の提案内容に目をとどめてくれれば、その社員のキャリアにとって最大の転機にもつながります。つまり、シンク・ウィークの設定が社員の士気を向上する効果も持っていたのです。

徹底的に自らを振り返り将来の方向性を設定するということは非常に重要なのでしょう。休日に、娯楽に興じるのではなく、そういった時間に充てるということは大切なようです。

(参考文献 ありえない決断)