会員制ホールセールクラブに関して記載します。
会員制ホールセールクラブとはディスカウントストアの一種で、会員制の倉庫型店舗のことを言います。法人及び個人の会員から年会費を徴収し、会員のみに破格値で商品を販売する仕組みです。
現在、アメリカにおいて会員制ホールセールクラブは現在、コストコ、サムズ・クラブ、BJ’sの3社が市場を独占しています。各社の2010年の売上はコストコ762億5500万ドル(そのうち、海外の売上は150億円)、サムズ・クラブは478億600万ドル、BJ’sは106億3300万ドル。アメリカの2010年の小売業全体の売上は4兆3535億8500万ドルですので、会員制ホールセールクラブはアメリカ小売業全体の2.7%となります。アメリカ小売業全体規模でみると会員制ホールセールクラブはニッチであるということが言えます。
一方で、アメリカ会員制ホールセールクラブの売上推移を見てみると、コストコ2002年37,995百万ドル→2011年87,048百万ドル、サムズ・クラブ2002年29,395百万ドル→2011年49,459百万ドル、BJ’s2002年5,729百万ドル→2010年10,633百万ドルと、拡大傾向にあります。
会員制をとる魅力としては低価格で販売を行うディスカウントストアとの差別化が図れることです。会員は年会費を払わなければなりませんが、そのことにより高価値商品を卸売価格で特別に販売しているというイメージを表すことができます。また、会員制をとることで顧客を選別するという部分もあるようです。コストコ会員の平均年収は一般世帯の1.5倍だそうです。
フランスのカルフールやイギリスのTescoが日本市場に撤退したり、ウォルマートが苦戦したりする中、日本市場に遅れて進出してきたコストコは比較的好調なようです。会員制ホールセールクラブという特殊な販売手法が一定の効果を見せているということだと思われます。
(参考文献 「コストコ」がなぜ強いのか)