男性のいないフィットネスクラブ“カーブス”の戦略

本日は男性のいないフィットネスクラブ“カーブス”の戦略に関して記載します。

【フィットネスクラブ カーブス】

カーブスは1992年のアメリカテキサス州の一号店開業から10年程度で世界的な規模となったフィットネスチェーンです。日本では2005年10月から展開をスタートし、わずか8年間で1300店舗を達成しています。また会員数も58万人に上っています。店舗面積が40坪程度で、それほどスペースも取らない形なので、気づかなかったのですが、自宅の近所にもありました。意外と身近なフィットネスチェーンなのでしょう。

また、同社は50代以上の女性をメインターゲットにしていて、30分健康体操教室を行い効率性もアピールしています。

【カーブスの戦略】

カーブスは従来のフィットネスクラブから、ターゲット顧客である中高年女性が不要だと感じていた3つの要素“3つのM”を排除することによって成功しています。3つのMとは以下のようなものとなっています。

■Men:カーブスは女性専用のフィットネスになっています。顧客もスタッフも男性はいません。体型に自身のない女性や必死に運動している姿を男性に見られるのが恥ずかしい女性からの支持を受けることが出来ます。

■Mirror:鏡で自分の体型を見ると不愉快になる女性の気持ちを考え、鏡を設置していません。

■Make up:カーブスのトレーニングは器具を使って30分程度で終わります。激しい運動は行いません。ですので、シャワー室も必要ありませんし、化粧が落ちてしまうということもないようです。ちなみにフィットネスクラブによくあるプールもありません。

これら3つのMを取り除くことにより、運動不足は気になるが従来店には行きたくない中高年女性を取り込むことに成功したのです。中高年女性が無駄だと感じていたことを省き、コアのサービスに絞り込む“ノンフリル(装飾(フリル)がない)”な戦略をとったわけです。月会費も5900円~6900円と手ごろな価格となっています。

カーブスのビジネスモデルは店舗数を拡大するのにも役に立ちました。同社はシャワー室やプールがなく店舗面積も40坪程度と狭い場所を活用できるので、住宅街や商店街など主婦が通いやすい場所に多く出店することが出来たのです。

カーブスはまさしく、無駄を省きコアのサービスに特化することで成長した企業ということです。

(参考文献 図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書)