スマートフォンの普及

本日はスマートフォンの普及という視点で記載します。

 最近、スマホを持つ人が街を見ていても随分と増えたなという感想を持ちます。実際に国内の携帯電話販売に占めるスマホの割合は8割を超えていると言います。また、総務省がまとめた2012年通信利用動向調査によると、スマホの世帯保有数は2010年末9.7%、2011年末29.3%、2012年末49.5%とうなぎ上りで増えてきています。

スマホの世帯保有数が増えるのと同時にスマホを使ったインターネットの利用も増してきています。2011年末と2012年末でインターネットの世代別個人利用の状況を比較してみると、スマホの利用者数は各年代ともに増加しています。中でも20代以下を見てみると、インターネットの利用端末として初めて携帯電話を上回るという状況になっています。

スマホの普及により消費者の購買行動に一つの特徴が表れているようです。それは、スマホの利用者はネット通販の消費意欲が高い傾向にあるということです。スマホ経由のネット通販で商品やサービスを購入した人の平均額は24,376円で、この数字は携帯電話より6,800円ほど高くなっていると言います。スマホの普及はネット通販の売上拡大のけん引役ともなっているのです。僕もスマホにHOT PEPPERのアプリを入れていますが、スマホの普及によって移動しながら商品を買ったり、店を探したりする消費行動が定着してきています。このような状況にあることから企業は消費者を囲い込むためのサービス競争を展開していることになってきています。

スマホの普及は消費行動の変化を生み、それに合わせて企業の取り組みも進んできているということでしょうか。スマホの普及は今以上にどんどん進んでいくでしょうから、ネットをどう活用していくかは、今まで以上に重要なポイントとなってくるのかもしれません。

 (参考文献 Q&A 日本経済の基本100)

ディズニーのマルチ展開

本日はディズニーのマルチ展開に関して記載します。

ディズニーはかつて映画などのコンテンツ制作が中心の会社でした。しかしながら、ウォルト・ディズニーの死後、1970~1980年のディズニーは白雪姫やピノキオなどの過去の名作のリバイバル上映が多くなり、映画部門やディズニーランドの入場者が低迷していったと言います。そのような中、マイケル・アイズナー氏が社長となり、ディズニーの“仕組み”を変えていきます。まず、映画製作で最も重要なのは優れたストーリーですが、その部分を強化するべく、優秀なシナリオライターをたくさん雇いました。一方でギャラの高い俳優は使わず、旬を過ぎた俳優を起用し、コストダウンを図っていきます。また、映画コンテンツの2次利用を行うべく、映画をビデオ化して収益を上げていきました。また、キャラクターグッズを販売する直営店ディズニーストアを全米に展開。人気キャラクターのライセンス事業を行うことによりライセンス収入も得ました。そして、ディズニーランドに来る来場者を分析し、ホテルやゴルフ場、結婚式場といった事業まで展開。テレビ局を買収することによって強力な情報発信手段も押さえました。このようにアイズナー氏はディズニーのコンテンツを軸としてマルチ展開を行っていったのです。

サービス面で注目されることが多いディズニーですが、ビジネスの仕組みを作り上げたことにより成長し、今の地位を築き上げているということも重要だと思われます。また、ディズニーを見るとき、ビジネス視点で見るといろいろと発見がありそうで面白そうです。

 (参考文献 成功企業31社のビジネスモデル超入門)

「カミソリと刃」型のビジネスモデル

本日は「カミソリと刃」型のビジネスモデルに関して記載します。

この間、家で大量に印刷をかけていたのですが、多分500枚くらいだったかで黒のインクがなくなってしまいました。そこで、新しいインクを買ったのですが、インクは意外といい値段がします。今の話の印刷機ではありませんが、コピー機のビジネスモデルは本体をリースして、紙とトナーを買ってもらうというものです。

このようなビジネスモデルを「カミソリと刃」型というようです。過去、髭剃り本体を安く売り替刃を継続的に販売するジレット社のビジネスモデルからそう呼ばれているようです。

この例としてはネスレのネスプレッソマシンも同様の例として言えます。家庭や会社にネスプレッソマシンを売って、粉をカプセル化して販売します。ネスレとしては、ネスプレッソマシンにより家庭や会社に新鮮なコーヒーや顧客の望むコーヒーを提供し続けることができお客様から喜んでもらえると同時に、売上としても継続的に維持することが期待できるわけです。

 上記のような例とは逆の例としてアップル社の戦略があります。アップル社の収益の8割以上はiPhone、iPod本体というハード販売からの利益となっていますが、その魅力を増すためにアイチューンストアでほとんどの音楽を99セント以下という安い値段で販売しているのです。アイチューンストアで安価で音楽の販売をすることでiPhone、iPod本体の魅力を増しているわけです。

カミソリの刃型の商売は非常に魅力的ですが、こういった気づきができるかどうかは日頃からの観察力が重要になるのかもしれません。

 (参考文献 成功企業31社のビジネスモデル超入門)

フラッシュマーケティング

本日はフラッシュマーケティングに関して記載します。

フラッシュマーケティングとは一定の時間内に共同購入すると安く買うことができる仕組みのことをいいます。例えば、ある地域のレストランの1万円のコースの購入希望者が24時間以内に50人集まると5,000円で購入できるというクーポンのことを指します。あらかじめ決められた時間内に希望者が一定数を超えれば、消費者は割引率の高いクーポンを利用することができるのです。このような取り組みを行っている代表的な例としてはグル―ポンやボンパレが挙げられます。

スーパーの特売品のような数の限られている目玉商品をたくさん買いたいと思ったら他人には言わない方が得ですが、フラッシュマーケティングは希望者数が一定数を超えないとクーポンの機能が発動しないわけですから、お客様となる人間が周囲に積極的にその情報を伝えることとなります。店舗が情報を拡散しようとせずとも、バイラルで自動的に情報が拡散していくわけです。そのため、店舗側は広告費での経費が削れ、商品・サービスの割引に経費を使え、割引率が大きくなります。

 上記のように、フラッシュマーケティングはバイラル効果が重要なポイントとなりますので、Twitterなどのリアルタイムウェブの台頭やiPhone等のスマホの普及によって実現することができた新しいマーケティング手法と言えます。

 高い割引率以外の特徴としては数量・時間の限定にあります。このような数量・時間の限定は商品・サービスの希少性を高める効果がありますので、消費者は「今、買わなければ損だ」と思ってしまうわけです。

フラッシュマーケティングという新たなマーケティング手法は2010年ごろから一気に出てきていますが、インターネットの発展やスマホの登場は明らかにマーケティングの形を変えてきているということが言えそうです。

 (参考文献 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門)

コカ・コーラの販売戦略

コカ・コーラの販売戦略に関して記載します。

コカ・コーラを買おうと思った時、販売場所を思い浮かべるとコンビニやスーパー、自動販売機、レストラン等いろいろな場所が思い起こされます。しかしながら、実際にどこで購入するかによって価格が異なります。つまり、このことはコカ・コーラ社側から見るとそれぞれの販売場所によって利益率が変わるということになります。

【どこで販売されている商品が、利益率が高いのか】

コカ・コーラの販売場所で最も利益率が高いのが、レストランでの販売になります。これはレストランでのコカ・コーラの販売価格を考えてみると比較的簡単に想像できます。ホテルでの販売でもそうでしょうけれど、レストランという場所の付加価値がついているため高い価格での販売が可能となっているようです。

ではコンビニと自販機を比較するとどちらが儲かるかというと、自販機になります。スーパーやコンビニは消費者に選択権があるので、低価格で販売せざるを負えません。それに比べて自販機はコカ・コーラ社の直販となりますし、その場所に1台しか自販機がなければ消費者に他に選択肢はありません。

【利益率が低いスーパーやコンビニで商品を販売するメリット】

1970年以降、ペプシ・コーラが台頭してきました。それによって、コンビニやスーパーに商品を置かないわけにはいかない状態になっているといいます。コンビニやスーパーに商品を置くのは、消費者にコカ・コーラをアピールするための宣伝効果もあるわけです。コカ・コーラ社はコンビニやスーパーに商品を展開しつつ、レストランと契約したり、自販機網を拡大したりして、自社の利益が上げられるようにしながら、価格のコントロールができるようにしているのです。

普通は商品を変えることによって利益率を調整しますが、コカ・コーラ社は、同じ商品の販売ルートを変えることによって価格を変え、利益を上げるビジネスモデルを構築しています。

日本の自販機の1/4はコカ・コーラが占めているそうです。利益率を上げるためには巧みな流通戦略が必要になるようです。

(参考文献 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門)

ローソンとリラックマのコラボ

ローソンとリラックマのコラボに関して記載します。

【ローソンとリラックマのコラボによる成功】

最近、コンビニに様々なキャラクターがあふれているような気がします。例えばローソンはリラックマとコラボする際に「既存の商品にリラックマの要素を取り入れる」「コンビニの色にあったグッズの開発を行う」というわけではなく、ローソンが全面的にリラックマの魅力を押し出していくキャンペーンを行っているそうです。それにより店舗全体でリラックマキャンペーンが盛り上がっていくと言います。ローソンとリラックマの最初のキャンペーンでは、想定を上回る商品が売れ、パンについている応募券を集めるともらえるリラックマのマグカップは各店舗で品切れが続出しました。

【ローソンとリラックマ コラボによる成功の理由】

リラックマの会社サンエックスとしては、ローソンとコラボをするに当たり、リラックマは物臭でかわいいという世界観を守り通しているといいます。それによりリラックマを知る人が安心して商品を購入することができるためです。

ローソンとリラックマのコラボの成功の秘訣はお互いに協力し合い「リラックマ」を店舗全体で打ち出したことと、商品開発を行う際にその世界観を守り通したことにあるようです。今後も店舗とキャラクターの新たなコラボが続々と出てくると思われます。

 (参考文献 ローソンのソーシャル・キャラクター戦略)

キャラクターコラボに関して

キャラクターという視点から記載してみます。

2013年7月30日~8月31日までLAWSONで『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE2000%』というコラボ企画がTwitter上を賑わせたようです(イラスト入りのLチキ袋)。この『うたの☆プリンスさまっ♪』は通称『うた☆プリ』と呼ばれ、㈱ブロッコリーがPSP用ソフトとして販売した女性向け恋愛アドベンチャーゲームのようです。そういえば渋谷駅の『うた☆プリ』ポスターを前に何人もの女性が写真を撮っていたような記憶があります。

 近年、ゆるキャラブーム等で様々なキャラクターが登場しています。8月6日には日本百貨店協会のご当地キャラ総選挙も開催され、千葉県船橋市のふなっしーがトップに立ったようです。このようにさまざまなキャラクターが誕生しているキャラクター市場、その市場規模は大きく、2012年の日本国内のキャラクター商品の小売市場規模は1兆5340億円となっています。前年比でみると△4.5%とその規模を縮小はさせているようですが、20代、30代の購買シェアが拡大しているようです。先ほど上げた『うた☆プリ』などは若年層をターゲットにし、ゲームとコンビニがコラボして、登場するキャラクターを前面に打ち出した商品を販売することで売上の拡大を狙っているのでしょう。ちなみに2012年のキャラクター商品の小売市場ランキングは1位「アンパンマン」2位「ミッキーマウス」3位「ポケモン」となっているようです。個人的にはミッキーマウスよりアンパンマンのキャラクター商品のほうが売れていることには驚きです。

キャラクターと言ってもくまもんやチーバくんのようなゆるキャラや『うた☆プリ』のようなキャラクター、ペコちゃんやカーネルサンダース人形のようなキャラクター、様々です。これらを分類すると以下のようになります。

 1.ファンシフル・キャラクター

新聞、雑誌等に掲載される漫画、アニメや特撮のテレビ番組、映画などに登場する人物、擬人化された動物、植物、ロボットなど。

 2.オリジナル・キャラクター

内外を問わずグリーティング・カードの絵柄や各種の商品に使用されている絵柄(多くは名前がついている)、また一般的に市販されている人形やロボット玩具など(平面に使用する場合は平面化した絵柄)、マスメディアから生まれたものではないキャラクター

3.アート・イラストレーション

美術家、イラストレーター等の作品でライセンス契約によって商品に使用されるもの

4.商標、マーク、ロゴ

著名な商標、絵柄をあしらったマーク、文字だけのマーク、ロゴなど、またその組み合わせで商標登録されないものでも、知名度が高く、個人や法人が権利をもつとみられるもの(これは不正競争防止法や民法907条の不法行為の規定によって保護される)

 5.パーソナリティ

実在するプロスポーツ選手、タレント、著名人等の肖像や氏名。有名な馬、犬、猫などの容姿も含まれる(この場合、権利をもつのは所有者)

 一口にキャラクターといっても様々ありますが、ある企業の方がテレビでキャラクターの人気は株価のようなものだと話していたことを思い出します。キャラクターを登場させることによって競合との差別化を図り経済的なメリットを得ることを目指しているという部分が多々あると思いますが、多くのキャラクターが登場することによってキャラクター自体がコモディティ化しているという考えも否めないような気がします。キャラクター業界においても、やはり経済的なメリットを産み出すためには、他キャラクターとの差別化しオンリーワンの存在になることが必要になってくるということでしょう。