ウォルマート 土曜日早朝ミーティング

本日はウォルマートの土曜日早朝ミーティングに関して記載します。

【土曜日早朝ミーティング、スタート】

1962年、アーカンソー州ベンドンビル郊外の小さな小売店であったウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、土曜日の早朝に従業員を店の事務所に集め、直近一週間の販売実績を見直させるようにしました。これをきっかけにウォルマートの運命が変わっていったと言います。

週末に作り上げる売上は大きなものであることから、サム・ウォルトンは毎週土曜日の早朝に店の事務所で、何が売れているのか、売れていないのか、前週と比べて今週の売上はどうなのか、ということを知るために、直近一週間の数字を見直していました。

そして、サム・ウォルトンは開店の表示を掲げる前にミーティングを開き、従業員全員に自分の調査結果を伝え、従業員の意見を求め、そしてどの品を特売に出すか、陳列でさらに目立たせるべき商品は何かを決めていきました。

【土曜日早朝ミーティングがもたらした成果】

土曜日早朝ミーティングでの大きな成果は、事業についての情報を全社員と共有できるということであり、そしてそれにより、従業員も店主意識を持つようになったということです。加えて、競合他社よりもスピーディーな対応ができたことです。

1970年代、安売り業界の最先端を行く企業はKマートで、ウォルマートの規模はKマートと比べるとその数分の一の規模でした。この中でウォルトンが競合できると考えたものがスピード面でした。当時、Kマートやシアーズといった競合店は地域オフィス方式をとっていましたが、ウォルマートはベントンビル本社の人間が各店舗を見て回るようにしていました。彼らは月曜から木曜までいろいろな店を回り、金曜の早朝に本社でマーチャンダイジングのミーティングを開きました。そして、土曜日の早朝に各店舗で販売ミーティングを開く際には、各店舗を回って集められた情報を基に、何を修正すればいいのか決めていきます。そして土曜の昼前には地域マネジャーが全地区マネジャーに連絡して、“何をするか”“何を変えるか”の指示を出します。これにより、競合他社では月曜日に前の週の売上を検討していたので、ウォルマートは他社よりも一歩リードした対応が行えたのです。

【現在の土曜日早朝ミーティング】

現在では、細かい問題については平日に行われる無数の会議で扱われ、土曜日早朝ミーティングは月一回のペースになっています。しかしながら、このミーティングは今でもウォルマートが市場の動向を把握するための機会であり、本社と各店舗の一体感を醸成するのに役立っていると言います。

土曜日の早朝にミーティングを行うということを表面的にみると、それほど大きなことのようには感じませんが、結果としてはウォルマートの成長を支える大きな力となったようです。一見、小さく見える行動でも、それが大きな力につながっていくことがあるということを土曜日早朝ミーティングは示していると感じます。

(参考文献 ありえない決断)

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