本日はフェイシングに関して記載します。
スーパーやコンビニに行った際に陳列棚にずらりと並ぶ商品の数々を見ます。それらの商品はパッケージを正面から見た面がお客様から見えるように陳列されています。どのような商品でも「商品の顔」としての面=フェイスがあり、このフェイスをどこに、いくつ並べるかを決めることをフェイシングといいます。また、パッケージを正面から見た面をメイン・フェイスといいますが、このメイン・フェイスをお客様から見えるように陳列することが基本です。
一般的に商品のフェイスを増やせば売上も増えていきます。そうは言ってもフェイスの数を増やせば増やしただけ比例的にその商品の売上が増えていくのかというとそうでもなく、フェイス数の増加に伴って売上は逓減していきます。例えば、同じ2フェイス増でも、2フェイスから4フェイスにした時の売上増よりも、4フェイスから6フェイスにした時の売上増の方が売上の伸びは小さくなります。ここが面白いところで商品陳列数を闇雲に増やせば増やしただけ、売上が比例的にあがるというわけではないのです。このことを「フェイス効果逓減の法則」と呼びます。
商品の品切れによる販売機会の損失や、過剰在庫による坪単価の減(スペース生産性の低下)をなくし、どの商品も店頭在庫に対して同じ割合で売れるようにするには、商品ごとのフェイスの配分を行う際に、フェイス数をその商品の販売実績に応じて決定することが基本となります。例えばAブランドとBブランドの売上比が5:1ならば、商品陳列のスペースの割合も5:1を基準とします。しかしながら、店ごとの品揃え方針もあるため、これはあくまで基準となります。
フェイシング効果逓減の法則は商品陳列を行う際のテクニックです。消費者の側として、普段何気なく見ている商品陳列に関しても、上記のような視点で見ると買い物をする際、楽しさが増えると思います。
※なお、フェイス数の増減が売上に及ぼす影響を「フェイス効果」、フェイス数の増減によって売上が変化する比率を「フェイス弾力値」と言います。
(参考文献 インストア・マーチャンダイジング)