稲川淳二 恐怖の現場
言わずと知れた恐怖の語りべ、稲川淳二さんの登場する作品です。なぜこの作品をお勧めするかと言うと“リアリティが感じられる”という点です。よくホラーものだと幽霊が「どん」と効果音とともに出てきたりします。映画館でホラーものを見ている時に「あれ、これは幽霊に恐怖しているのか? それとも音にびっくりしているのか?」と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。また、幽霊や化け物が明確な形で現れるということに対して、「ああ、こんな感じなのね。」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。その気持ちは、悪魔の名前が分かれば対応できる的な感じかもしれません。
『稲川淳二 恐怖の現場』の特徴は、明確な形をした霊が出てくることがほとんどないということだと個人的に感じています。ここから少しネタバレですが、この作品には悲壮な顔をした霊や動き回る黒い影等は出てきません。出てきて霊の手までです。ならば怖くないのではないかと思われるかもしれません。しかし、そのようなことは全くありません。そこは観る人のことを考えて、しっかりとつくられています。
この作品の概要は次のようなものです。廃墟等の心霊スポットに稲川淳二さんと女性2人が行きます。そして稲川淳二さんに選ばれた場所で女性2人が心霊現象が実際に起きるかどうか検証をします。
実際に観ていただくと、女性の悲鳴や発言が気になると言う人もいるかもしれません。しかし、悲鳴や発言など気にならない程のリアリティがあります。耳を済ませて、目を凝らして、観てみてください。きっとあなたの体感温度を下げてくれると思います。