本日はゲーミフィケーションとO2Oに関して記載します。
今日、久々に銀座線に乗っていたら「縦横無尽線隊メトロン9」という中吊り広告がありました。これは東京メトロとセブン&アイグループがタイアップしている企画で、MANTA(東京メトロの情報配信サービス)で3枚のデジタルトレカを入手し、セブン-イレブンのセブンスポット(無料Wi-Fiサービス)にアクセスすると、最後のデジタルトレカ「プレミアム・メトロン9 ナインライブス」が手に入るというものです。そしてその後ゲームにチャレンジして勝利すると「東京メトロオリジナルグッズ」が抽選でプレゼントされます。これは、駅から店舗へ、そして店舗から駅への送客効果が見込める、O2Oと言えます。
縦横無尽線隊メトロン9のようにゲームの要素を取り入れて店舗の集客を図る“ゲーミフィケーション”は、現在、世界のIT業界で注目されていている単語です。大手IT調査会社のガートナーはゲーミフィケーションの可能性を高く評価し、2015年までに50%以上の企業がゲーミフィケーションの手法を導入すると予測しています。O2Oを活用して、消費者を店舗に誘導し、その後の再来店を促し、さらにお得意様になってもらうために、ゲーミフィケーションは非常に有効な手段のようです。
株式会社ゆめみが、2011年11月に位置情報ソーシャルサービス「MyTown iPhone版」を提供しました。これは利用者がリアル店舗へ訪問しチェックインを行うと、実際の店舗の外観そっくりにデザインされた建物アイテムが獲得でき、それをアプリ内の自分の土地に自由に配置でき、自分好みの理想の街づくりを行うことができるものです。このMyTownにはローソン、ドン・キホーテ、東急ハンズ、牛角、ケンタッキー・フライド・チキンなど大手14社が参加(2012年1月31日現在)。その中でドン・キホーテは2011年12月21日から2012年1月31日まで、MyTownとレシート広告と連携したキャンペーンを実施しました。これは、実際のドン・キホーテの店舗付近でチェックインを行うと回数に応じて「宝箱」アイテムを入手できるものです。そして「宝箱」を開けるには「鍵」アイテムが必要で、それを入手するためにはドン・キホーテで商品を購入し、レシートについているQRコードを読み取ることが必要となります。「宝箱」を開くとMyTownの限定アイテムがもらえます。このように、ゲームでの限定アイテムを手に入れるために、店舗に何度も来店し、更には商品の購入にまで進んでいくのです。
様々な情報があふれる中で消費者から自らの店舗に愛着を持ってもらうための手法がゲーミフィケーションということでしょう。実際のゲームのことを考えると、ゲームソフトがたくさんある中でヒットするものはわずかであり本当に面白いものだと思います。O2Oを活用したゲーミフィケーションの流れは今後より大きなものになっていくと思いますが、それを活用する企業が増えれば増えるほど、ゲームの中身や企業の販売する商品・サービスのレベルが高いかどうかが、今まで以上に消費者に求められるようになってくるであろうなとも思いました。
(参考文献 新・消費革命 ネットで客を店舗へ引きつける)