100円ショップ「セリア」のPOSシステム活用

本日は100円ショップ「セリア」のPOSシステム活用に関して記載します。

2012年度、100円ショップ大手各社はおおむね増収となっていて、各社が都市部の商業施設に出店しました。首位の大創産業(ザ・ダイソー)は2012年12月にはブラジル・サンパウロ市に現地1号店を出店。積極的な海外展開により業績を底上げしています。100円ショップ2位はセリア。セリアは2008年度にキャンドゥを抜いて2位に躍り出た企業です。同社はデザイン重視の商品を集め、女性に人気となっています。特徴は質の高い品揃えとPOSシステムを利用した効率の高い経営です。

POSシステムとは、光学式自動読取方式のレジスタにより、単品別に販売情報を収集・蓄積し、様々な用途に利用するものです。最大の特徴としては“単品レベルでの管理”が可能になる、つまり、商品ごとに「いつ」「いくらで」「いくつ」売れたかというデータがリアルタイムに把握できることです。

セリアは2004年に100円ショップ業界でいち早くリアルタイムPOSシステムを導入し、売れ筋商品と死に筋商品を把握。売れ筋商品を中心とした品揃えを行うことで、商品の回転を速め、在庫コストを減らし、経営効率を高めました。ザ・ダイソーとセリアでアイテム数を比較すると、ザ・ダイソーが約7万点あるのに対し、セリアは1万9000点と、アイテム数は少なくなっていますが、品揃えの質を高めることにより競争力をつけているのです。

同社が品揃えの基準としていることに「お客さま支持率」というものがあるそうです。これは、店舗ごとに各商品の販売数を1日の客数で割って算出するもので、この数値を持って商品ごとに全店の平均支持率と比較します。そして、低い支持率の商品の取り扱いをやめ、高い支持率の商品の類似商品を即座に増やすということを行っていきます。POSデータを品揃えや売価設定などに活用する際にPI値を見るというものがありますが、まさしくそう言った考え方を基にして、市場の変化に適切に対応し品揃えを変えているということでしょう。

(PI(Purchase Incidence)値とは、ある一定(1000人あたり)の購買客数の中で当該商品を購買する確率を表す指標。自社内の同カテゴリー商品の比較や、自社と他社・全国的なPI値との比較を行うことで、売れ筋分析、商品陳列を行う際の棚割り、今後の商品戦略の策定などに活用します。PI値には「金額PI」と「数量PI」があります。金額PIは『総販売金額/レジ通過客数(レシート枚数)(1000人単位)』で表せ、数量PIは『総販売点数/レジ通過客数(レシート枚数)(1000人単位)』で表せます。)

セリアがPOSデータの活用をしっかり行ったことでキャンドゥを抜けたように、所有している仕組みを有効活用することが店舗の強みにつながるということが言えそうです。

(参考文献 「週刊ダイヤモンド 2013 12/7」「日経MJトレンド情報源2014」TAC中小企業診断士講座)

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