ノンフリル実践企業例

本日はノンフリル実践企業例に関して記載します。

【ノンフリルを実践する企業】

ノンフリルとは、余剰サービスを極力省き、コアのサービスだけを質を下げることなく、低価格で提供するビジネスモデルです。このビジネスモデルの代表例として挙げられるものとしてLCC(ローコストキャリア)があります。また他の事例として『QBハウス』『スーパーホテ』『IKEA』の取り組みも挙げることができます。上記、4つの企業に関して以下にそれぞれ取り組み内容を記載していきます。

【LCC】

LCCの元祖は1967年に創業したサウスウエスト航空です。共同創業者のハーバード・ケレハーらが「高額な航空運賃を安くできないか」と、必要性の低いサービスを省きました。その後、アイルランドのライアンエアー、オーストラリアのジェットスター、マレーシアのエア・アジアなど世界各地でLCCが誕生していきます。各社は「座席の幅を従来よりも狭くする」「食事や飲み物の提供・機内サービスの有料化」「手荷物預かりの有料化」「不便な郊外の空港を発着地に選ぶ」といったことを実践しコアのサービス以外でかかっているコストを削減。航空券を安くすることに成功し、低価格指向の顧客の心を掴むことに成功します。

【QBハウス】

QBハウスと言えば、10分1000円のヘアカット専門店。創業者の小西國義氏が「散発の時間をもっと短くしたい」と考えて生み出されました。一般的な理美容室では“カット”“シャンプー”“マッサージ”“ブロー”“セット”が一連のサービスとして行われますが、QBハウスは“カット”のみを行い、それ以外のサービスは切り捨てました。短時間でカットすると質が劣るのではとも考えてしまいますが、一般的な理美容室でもカット時間は10~15分だそうです。また、QBハウスは事前の予約や理美容師の指名もなくし、レジ作業の効率化を図ります。このような取り組みにより顧客から支持を受け、1号店オープンの1996年から20年足らずで、国内に500店舗を構えるほどの成長を遂げることができています。

【スーパーホテル】

スーパーホテルは「ぐっすり眠れる」というコンセプトして成長している企業です。1989年創業以来売上は右肩上がり、店舗数は全国100店舗を超えています。同社は「ノーキー・ノーチェックアウト・システム」を採っています。このシステムは、まず宿泊者はチェックインの際に部屋番号と暗証番号がプリントされた領収書を受け取ります。そして宿泊者はそこに記載されている暗証番号を部屋の扉に設置されているボタンに押すと鍵が開きます。これにより同社はチェックアウト時の顧客対応を省くことができました。また、部屋に電話を置いていないため、問い合わせによるスタッフ対応の手間も省きました。このように、スーパーホテルは宿泊者の安眠に注力し他のサービスを省くことで顧客からの支持を得ています。同社の宿泊代は、平均1泊7000円程度のビジネスホテル業界で、一泊・朝食付き4980円という価格設定に成功しています。

【IKEA】

IKEAで買い物をする際には、“気に入った商品を見つけたら番号をメモし倉庫に行く”→“家具の番号を見ながら倉庫で自分の家具を探す”→“家具を見つけたら、カートに積みレジまで運ぶ”→“会計を終えたら車まで自分で家具を運ぶ”→“家で自ら家具を組み立てる”という流れになります。日本の開梱設置まで行うシステムとは随分違います。この仕組みによりIKEAは「商品を倉庫からレジまで運ぶ要員」「配送費」「組み立てを行う要員」を削減。商品の低価格での販売につなげることに成功しています。(同社は80年代に一度日本に上陸しましたが、上記システムが日本人に受け入れられずに撤退しています。再上陸は2006年になるのですが、その際には有料での宅配サービスや組み立てサービスも組み込んでの上陸となります。)

消費者が必要とするサービスを絞り込み提供する“ノンフリル”というビジネスモデルは、長引いたデフレに慣れた日本の消費者に支持を受けているのではないかと思われます。

(参考文献 図解&事例で学ぶ ビジネスモデルの教科書)

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