本日は今後の激戦が想定されるディスカウントストアに関して記載します。
【消費増税とディスカウントストア】
4月1日から消費税8%の増税が始まりました。更に今後10%へと消費増税が予定されていますが、それに加え円安による生活物資のインフレにより消費者の可処分所得が減少することも想定されています。このように社会環境が変化する中で総合ディスカウントストアが市場規模を拡大していくことが想定されると言います。現在の日本では小売業の主勢力はGMSや百貨店系で総合ディスカウントストアの最大手であるドン・キホーテでも売上高ランキングは15位となっています。
〈参考〉2012年の上場小売業売上トップ15位→1位イオン 2位セブン&アイHD 3位ヤマダ電機 4位三越伊勢丹HD 5位ファーストリテイリング 6位Jフロントリテイリング 7位ユニーグループHD 8位高島屋 9位ダイエー 10位ビッグカメラ 11位アマゾンジャパン 12位エディオン 13位ケーズHD 14位ヨドバシカメラ 15位ドン・キホーテ
日本の小売業の主勢力が上記のようになっているのに対し、欧米ではウォルマートやカルフールといった総合ディスカウントストアが売上の上位を占めています。これは欧米諸国では所得格差があることと、間接税(日本の消費税)率が非常に高いということが理由のようです。このことから日本においても今後ディスカウントストアが力をつけてくるのではないかという見方もあります。
今回の消費増税をチャンスとして捉え、ドン・キホーテはコスト削減などを図ることにより低価格志向の消費者を取り込むような動きを進めています。また、同社のように企業体力に余裕のある企業もディスカウント路線を強化していると言います。
【各エリアのディスカウントストア】
■北海道・東北
・北海道では地場のアークスが「ビッグハウス」を展開。「マックスバリュ北海道」がそれを追っています。
・東北のディスカウント激戦地の宮城県では、酒類のディスカウントを開始した「やまや」が店舗数で抜きんでています。
■関東
・家電の安売り戦争があった北関東では、「ベイシア」が「カワチ薬品」と業態を超えた熾烈な安売り合戦を繰り広げています。
・「オーケー」が首都圏で事業を拡大中。14年度には出店数を10店舗と前年度から倍増させます。
・「ららぽーとTOKYO-BAY」に1200坪の大型店で出店した「ロピア」。18年に1000億円企業を目指して急成長。
■中四国
・大黒天物産がコスモス、トライアルを迎え撃つ。「ザ・ビッグ」も参戦し、競争は激化。
■九州
・九州は安売り競争が激しいエリアです。特に福岡を中心とした北福岡では「トライアル」や「ルミエール」「コスモス薬品」などが激しく戦っています。
消費増税により、消費者心理が変化し、小売業の今後の展開が変化する可能性があると思われます。
(参考文献 販売革新2014 4)