キャバリア 抜け毛について

犬種を問わず抜け毛はあるものですが、その中でもキャバリアは抜け毛が多い犬種です。こちらの記事では、キャバリアに抜け毛が多い原因と、抜け毛対策を記載しております。

キャバリア 抜け毛が多い原因

①キャバリアの被毛がダブルコートだから

キャバリアに抜け毛が多い原因は、被毛が「ダブルコート」のためです。では、そもそも「ダブルコート」とは何でしょうか。「ダブルコート」とは、犬の被毛の種類の一つを指し、アンダーコート(下毛)とオーバーコート(上毛)の二種類の性質の異なる被毛から構成されていることを言います。アンダーコートは、体温調整や保湿の役割をしている細く柔らかい密度のある性質を持った被毛のことです。そしてオーバーコートは、水を弾いたり、紫外線や外部の刺激から皮膚を保護する役割を持った太くしっかりした被毛となります。犬の被毛の種類として「ダブルコート」の他にもう一種類「シングルコート」があります。「シングルコート」は、アンダーコートがなくオーバーコートのみ生えてくる被毛のことを言います。

「シングルコート」なのか「ダブルコート」なのか犬種の見た目から区別はつきません。例えば、キャバリアは「ダブルコート」ですが、パピヨンは「シングルコート」です。犬の被毛をかき分け、地肌が見えれば「シングルコート」、密な被毛が生えていれば「ダブルコート」と判断します。

※写真はうちのキャバリアの毛をかき分けたもの

さて、「ダブルコート」の2種類の被毛のうち、アンダーコートがよく抜けます。アンダーコートは1年を通じて抜けるのですが、特に換毛期にはごっそり抜けます(換毛期:春・秋 個体差あり。空調の効いた部屋にいるとズレることあり。)。キャバリアはダブルコートの犬種の中でもアンダーコートが多い犬種です。結果、キャバリアのふわふわした毛が、床に落ちているにとどまらず、飼い主の身体に張り付いていたり、自炊した食べ物から出てきたりする事態に陥るのです。

②子犬から成犬になるタイミングのため

生後3~4か月頃に子犬の被毛(パピーコート)から成犬の被毛に生え変わります。このタイミングで抜け毛が多くなります。

③病気の可能性

キャバリアは被毛が長く絡まりやすいため、毛玉ができることで、皮膚への通気性が悪くなります。そのことが原因で皮膚炎になる可能性があります。また、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、脂漏症という、脱毛を伴う病気になりやすい犬種でもあります。日頃からブラッシングなどのお手入れをしてあげて、皮膚が見えてしまうほどの脱毛があるなど、異常が見られる場合、動物病院で診てもらうことをお勧めします。

キャバリア 抜け毛対策

キャバリアの抜け毛対策は、大きく分けて「お手入れ」と「掃除」の2種類です。

①お手入れ

抜け毛対策の一つ目として、キャバリアのお手入れをしてあげることです。ブラッシングをしてあげたりシャンプーをしてあげたり等することで家に散らばる抜け毛の量を減らせます。

ⅰ)ブラッシング

ブラッシングをすることで、身体に留まった抜け毛を取り除くことができます。1日か2日に1回の頻度でブラシをかけてあげるのが良く、特に換毛期には毎日ブラッシングをしてあげると抜け毛対策になります。

ブラッシングで身体に留まった毛を取り除くと、皮膚への通気性が良くなります。また、ブラッシングはマッサージ効果もあり、血行を促進することも期待できます。結果、ブラッシングをすることが皮膚と被毛の健康にもつながるのです。

キャバリアのブラッシングには「スリッカーブラシ」と「コーム」を使用してあげるのが良いです。「スリッカーブラシ」とはL字型の細いピンがたくさんついたブラシのことです。このブラシは、アンダーコートを絡めとるのに役立ちます。ただ、ブラシの先が鋭くなっているので、皮膚を傷つけないように優しく毛をといてあげる必要があります。次に「コーム」についてですが、こちらは定規のような櫛のことです。「スリッカーブラシ」でブラッシングしてあげた後に、毛並みを整えてあげるのに使用します。

加えてキャバリアの毛を美しく保つためには、仕上げのタイミングで豚やイノシシの毛から作られた獣毛ブラシを使用するものありです。獣毛ブラシは、静電気が生じにくく、毛についたホコリなどを取り除き、ツヤのある毛にしてあげることができます。

ⅱ)シャンプー

シャンプーを月に1~2回程度してあげることで抜け毛を減らすことができます。またシャンプーをすることで、ノミやダニといった害虫対策や皮膚などの汚れを洗い流すこともできます。自宅でのシャンプーは慣れないと大変なので、定期的(3週間に1回とか)にトリミングでシャンプーをしてもらうのがお勧めです。

なお、あまり多くシャンプーをしてしまうと、犬は皮膚が弱いので、必要な皮脂まで洗い流してしまい皮膚病の原因になってしまいます。また、ご自身でシャンプーをしてあげる時は、人間用のシャンプーは刺激が強いので、必ず犬用のシャンプーを使用するようにしましょう。

ⅲ)サマーカット

サマーカットにすると、ブラッシングがしやすくなり抜け毛対策に繋がります。

注意しなければならないのは、バリカンの後に生えてくる毛の質が以前とは変わってしまうことがあるようだということです。バリカンで毛を刈った後に毛が伸びてこないという病気になってしまうこともあるそうです。うちのキャバリアは夏場はサマーカットにしているのですが、特に毛の質が変わったということはないので、個体差がある話だとは思います。トリマーさんと相談しながら毛の長さを決めてあげるのが良いと思います。

ⅳ)レーキング

犬のアンダーコートをトリミングナイフで処理する「レーキング」という手法があります。ブラッシングのみですと身体にたまった毛を取り除くことはできますが、毛量そのものを減らすことはできません。レーキングは抜け毛だけでなく今生えている毛の処理もすることが出来ます。

ⅴ)洋服を着せる

お手入れとは少し視点がずれますが、洋服を着せてあげるという対策もあります。室内に舞う抜け毛を減らせたり、抱っこした時に洋服に毛がつくことを防ぐことが出来ます。洋服を着せるとストレスを感じるワンちゃんもいますし、洋服を着ると暑くなります(キャバリアは暑がりさん)。洋服を着せてあげたら様子を見て対応を変えると良いでしょう。

②掃除

抜け毛対策のもう一つが掃除です。身体のお手入れをしっかりしてあげても抜け毛はでます。こまめに掃除をすることで抜け毛を取り除いていきましょう。

掃除をするにあたっては、カーペットにはコロコロを使用し、フローリングにはフローリング用のウェットシートを使用するのがお勧めです。忙しいようであればロボット掃除機や床拭きロボットに掃除を任せていくのもありだと思います。

掃除機の使用については、スピードと効率を踏まえるとメリットも大きいと感じますが、一方でデメリットもあります。まず、掃除中の排気により床に落ちている抜け毛が舞います。また、吸い込んだ抜け毛についた汗や皮脂の成分が酸化することで雑菌が繁殖し、掃除機から掃除中に臭いが発生します。そのことを踏まえたうえで使用すると良いと思います。(掃除機の臭いについては、脱臭効果のある重曹を吸わせることで臭いが軽減するそうです。)

エアコンのフィルターにも抜け毛は張り付きます。フィルターもこまめに掃除することで、抜け毛が原因の臭いを取り除きましょう。

洗濯をしても洋服についた抜け毛が全然取れないことも良くあります。その場合は、エアチケットブラシ等を使って抜け毛を取りましょう。