本日は消費者から見たコンビニエンスストアの位置づけと買上点数を増やす施策に関して記載します。
流通経済研究所が東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県在住の女性消費者を対象として2006年に実施したアンケート結果によると、コンビニの利用頻度は最も多いのが「週に1日程度(27.5%)」、次いで「週に2~3日(25.7%)」、「月に2~3日(18.2%)」という回答になっていました。店舗までの来店手段は「徒歩」が約6割。店舗までの所要時間は「5分未満(51.4%)」「5~10分未満(35.7%)」と10分未満がほぼ9割に達しています。普段の生活を思い起こせば当たり前のことではありますが、アンケート結果からコンビニは消費者にとって基本的に自宅や勤務先から歩いていく店だと位置付けられているということがわかります。また、店舗選択時の重視項目の結果を見ると、消費者が最も重視していることが「自宅や勤務先から近い」ということになっており、店舗へのアクセス面を重要視しているということが伺えます。
さて、コンビニにおいて、総買上点数が動線長に比例して増加する傾向があります。来店前にその商品を買うことを決めていた者が商品購入者のうちどの程度あるのかを“計画率”、その商品を買う者が来店客のうちどの程度あるのかを“購入率”とすると、動線長を長くし買上点数を増やすためには、計画率が高く購入率も高い商品を分散配置することが有効的になります。コンビニで計画率が高く購入率も高い商品は日本茶、おにぎり、タバコなどになります。これらはコンビニの来店目的となる商品群となりますので、集客のカギとなるものです。さらに買上点数を増加させるには、計画率が高く購入率も高い商品を陳列している売場の間に、計画率は低いが購入率が高い、ついで買いされるような商品を配置することが重要です。計画率が低く購入率が高い商品としてはファストフードのようなものがあります。米飯類→飲料→レジ、もしくは飲料→レジの動線上にチョコレートなどの菓子、またレジ台にファストフードを配置することによって、総買上点数の増加が見込めます。
東日本大震災後、コンビニはそれまで以上に身近な存在になりました。そして、今現在もコンビニ各社は出店攻勢をかけています。競争が激しくなる中で、様々な手法を用いて各社が他社との競争に打ち勝とうとしていきますので、いろいろな観点からどのような対策をとっていくのか興味深いものがあります。
(参考文献 インストア・マーチャンダイジング)