本日は店舗数が拡大するコンビニに関して記載します。
コンビニの国内の総店舗数が5万を超えると飽和状態になると言われていましたが、2012年にその数を超えました。そして、2013年、大手5社(セブンイレブン。ローソン。ファミリーマート。サークルKサンクス。ミニストップ。)の合計出店数は4500店。過去最高を更新するようです。優秀な開発担当者であれば、1ヶ月に1店舗のペースで新規出店を続け、コンビニ業界がバブルの時には1週間に1店舗開発する人もいたようですが、コンビニの店舗数は、今後も増えていきそうです。2012年度に店舗数が最も増えたのは、東京414店、次いで大阪206店、そして愛知199店という3大都市圏でした。このエリアは人口が流入している地域ですので、コンビニとしても成長を見込めるため出店数を増やしたというところでしょう。一方で都市圏以外においても徳島県以外のすべて都道府県で店舗数が増加しています。セブンイレブンは2018年までに四国に570店出店する予定ですし、ファミリーマートも都道府県別にみると100店に満たない地域が24あるので、その地域に経営資源を投下しようと考えているようです。
このような出店攻勢により2012年度の国内のコンビニの全店売上は9兆4556億円(前年比3.5%)と売上を伸ばしていますが、一方で既存店の売上高は1.0%減。店舗数の増加に伴い競争が激化していることが伺えます。
海外に目を移すと、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップの4社合計の海外店舗数は2012年度末時点で5万128店。コンビニの国内総店舗数が5万439店でしたので、国内の店舗数に肉薄してきている状況です。これらコンビニの海外進出を後押ししている要因として、アジア各地での中間層の厚みが増してきているということが大きいと言います。英ユーロモニターインターナショナルは、店舗販売ベースの2013年の小売市場は、インドネシア12兆4000億円(前比5%増)、タイ6兆5500億円(前比3%増)、フィリピン5兆4000億円(前比3%増)、中国148兆2000億円(8%増)と予測しています。
このような数字を見ると海外のコンビニの利益は非常に大きいのであろうと想定してしまいますが、現時点ではそういったことはないようです。ファミリーマートでは海外店舗数が約1万2000店と国内店舗数9600店を上回っていますが、経常利益に占める海外比率は2012年度で約1割だそうです。またローソンについては海外事業が赤字だそうです。現時点では海外への進出は先行投資的な位置づけが強く、利益を確保する基盤は国内といった状況のようです。
海外進出するにあたっては、店舗開発、サービス、商品開発など“現地化”していく取組が必要だと言われています。個人的に、現地化に関しては、過去から地域とともに成長してきた日本的な商売のあり方が活かせるような気がします。
競争が激化するコンビニ各社が、国内・国外を舞台にどのように生き残りをかけて戦っていくのか、興味深いです。
(参考文献 日経MJトレンド情報源2014)