ユナイテッドアローズのO2O

本日はユナイテッドアローズのO2Oに関して記載します。

アパレル業界では厳しい経営環境が続いていますが、その中で、衣料・小物などのセレクトショップ国内大手のユナイテッドアローズは着実に成長を続けています(平成21年3月 売上高797億円 経常利益43億円。平成25年3月 売上高1,150億円 経常利益126億円)。

そしてユナイテッドアローズの注目すべき数値としてネット通販売上比率があり、2011年9月6日付の『繊維新聞』によると、その数値は10.6%にもおよびます(ユニクロ3.8%)。この数値はユナイテッドアローズがネット通販に注力したわけではなく、ネット通販を始めとした、新しいネットサービスを戦略的に駆使し、リアル店舗への来店や売上向上につなげた結果だと言います。つまり、主体はあくまでリアル店舗でネットはあくまで補完の役割だということです。

ユナイテッドアローズの顧客の特徴として、ネット通販で購入金額が多い顧客は、リアル店舗にも頻繁に来店する傾向があるようです。その中でユナイテッドアローズは「通販サイトで商品を選択すると、取扱しているリアル店舗の一覧や各店の在庫状況が確認できる」「買い上げ金額に応じて付与されるポイントは、リアル店舗とネット通販両方に使える」「ネット通販サイト上で、リアル店舗より約2カ月早めに商品を販売する「先行受注会」を実施する」といったことを行っていて、ネット通販とリアル店舗を融合させることにより、相乗効果で顧客満足度を上げているというのです。

 上記のようにユナイテッドアローズは様々なO2Oを実施することにより、売上・経常利益を毎年着実に伸ばし成長を続けているわけですが、着目するポイントは、主体はリアル店舗という考え方だと思いました。ネットを強化するためには、その受け皿であるリアル店舗の商品・接客レベル・サービスが重要なポイントとなる、つまり、オンライン強化のためにはオフラインの強化が欠かせず、オフラインを強化すればオンラインが強化しやすくなるということです。これはネットの活用が取りざたされる中で、地に足の着いた重要な考え方なのではないかなと感じました。

 (参考文献 新・消費革命 ネットで客を店舗へ引きつける)

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