本日はO2Oによる街づくりに関して記載します。
2011年3月に東急電鉄は東京都世田谷区の二子玉川に、商業、オフィス、住宅などの複合施設と自然環境が調和した「二子玉川ライズ」という新しい街をオープンさせました。総開発面積は約11.2ヘクタールと、民間の都市開発としては都内最大級で、2015年6月には第2期事業が竣工する予定となっています。
この二子玉川で街全体をネットとリアルで融合させる取り組みが行われています。2011年11月30日から2012年3月31日にかけて「ニコトコ」というサービスが行われました。これは利用者のスマホや携帯電話に、地域や店舗の情報、クーポン、ポイントなどを配布して、街歩きを楽しんでもらうO2Oサービスとなっていました。AR機能を活用し、スマホのカメラ機能で街中を眺めると、街中の風景にクーポン発行店舗のアイコン画像が表示されるということも行っていたようです。このような企画を、今後も改良を加え、イベントごとに実行していくようです。
昔はマンションを建設すると、別段営業をかけなくても入居者が集まりやすい環境だったそうです。しかし、最近は少子高齢化、人口減少、巣ごもり、ネット消費などの影響により街に人が集まりにくい環境になってきています。そうなってくると街VS街の競争が起こり、魅力の少ない街に人が集まりにくくなってきます。街としても生き残りをかけ魅力を高めていく必要があるようなのです。
実際問題としては、ニコトコの利用者は4ヶ月で4000人弱ということで、1日30人くらいの利用かなと考えると、現段階ではそれほど大きな効果があるのかどうかはわかりません。とはいえ、ITを使い、商業・オフィス・住宅といった街全体を盛り上げていこうとする試みは非常に興味深いものがあります。
(参考文献 新・消費革命 ネットで客を店舗へ引きつける)