本日は百貨店の物産展でO2Oに挑戦したコロプラについて記載します。
最近スマホのゲーム「パズドラ」を超えるのではないかと業界で噂されていて、最近TVCMもやっている「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」というゲームがありますが、このゲームを制作している会社が“コロプラ”です。この会社ですが地域活性のO2Oで成功している企業として知られています。この会社は「コロニーな生活」というゲームを開発しましたが、このゲーム、携帯電話の位置情報を利用して、実際に1キロメートル移動することでゲーム内仮想通貨1プラを獲得でき、その通貨を使って自分だけの街を育てていくゲームです。そして、このゲームではユーザーが提携店に足を運び、特産品を購入するとゲームの限定アイテムを獲得できるような仕組みになっています。「コロニーな生活」は各地の特産品を販売する提携店とユーザーをつなげるO2Oビジネスなのです。この仕組みは、ゲームを楽しみながら買い物も楽しめるというゲーミフィケーションの要素もあると思います。このコロプラの取り組みは、全都道府県にある提携店との事業で月間2万人を超えるユーザーを全国の店に送客していると言います。まさしく地域を活性化するO2Oと言えます。
この「コロニーな生活」の提携店になるには非常に狭き門です。月に全国から提携店への申し込みや問い合わせが300~400件あるそうですが、実際に提携店となれるのは一月当たり2~3件だそうです。提携店を決めるために毎月行われる試食会には全社員が参加。総勢100人の舌で試食をして、時間をかけて厳選していきます。遠方まで特産品を買いに行ったユーザーが「行ってよかった」と思えるようにしたいからだそうです。
この「コロニーな生活」のO2Oは特産品の提携店に限らず、百貨店の物産展でも取り組まれています。2013年10月17日~23日まで東急百貨店吉祥寺店の催会場並びに屋上にて「日本全国すぐれモノ市-コロプラ物産展2013-」が開催されますが、2011年に初めて開催した際には、“初日会場前に300人以上の行列ができ入場規制がかかる”“前日の閉店前から徹夜で並ぶユーザーがいた”というような状況で、総来場者数4万人、売上合計7,000万円という結果を残しました。同規模会場の催としては東急吉祥寺店開店以来の最大の売上になったそうです。
このコロプラの代表取締役の馬場功淳氏が、会社の業務をこなしながら、平日の深夜と週末にユーザーサポートや開発を一人で行い、5年間毎日3時間睡眠で「コロニーな生活」を一人で立ち上げたというエピソードがあり、尊敬の念が湧き上がったのですが、それはさておき、ゲーミフィケーション、O2Oという2つの要素を兼ね備えたコロプラの取り組みは、今後の小売業の集客の方向性を位置付ける一つとして非常に興味深いものがあります。
(参考文献 O2O 新・消費革命)