デアゴスティーニの販売手法の強みに関連して記載します。
デアゴスティーニは「創刊号は○○円から」というTVCMでインパクトのある会社ですが、その切り口も「週刊日本の城」だとか「自衛隊モデル・コレクション」だとか特徴があるので目を引きます。
【デアゴスティーニ 販売手法の強み】
デアゴスティーニの販売手法の強みは“分割する”という点です。
デアゴスティーニは1901年創立の老舗出版社で、百科事典や全集などを1冊ずつに分けて販売することで、今のビジネスモデルを確立した企業です。TVCMで創刊号を大々的に宣伝し、割安感を消費者にアピールします。その魅力にひかれ創刊号を買った人は2号目が欲しくなります。続けて3号目も欲しくなります。そして、気づくと、どんどん買っていき、ある程度揃えたら最後まで揃えたくなってしまいます。最初の入り口は「安く買えるから買おう」というものですが、次第に「コンプリートしたい」という状態になっていくのです。“分割”という販売手法は人間の心理を巧みについているのです。
【デアゴスティーニ 販売例】
ネットで調べてみると、例えば「隔週刊 自衛隊モデル・コレクション」。これは全70完結予定の物ですが、創刊号は特別定価で990円、通常価格で2,490円。これに特製バインダーが加わるのですが、全て揃えると総額176,670円になります。他の例でみると「隔週刊ハーレーダビッドソン・プレミアムコレクション」全10号完結予定の物だと、創刊号特別価格890円、通常価格1,990円、特製バインダー1,490円。全て揃えると総額20,290円となります。創刊号だけ見ると、それほど高くないように感じますが、全て揃えるとなると意外と高額なお買い物となるのです。
この商売の方法を採ることで、デアゴスティーニの在庫リスクを小さくすることもできています。創刊号の売れ行きを見れば、それ以降の発行部数の予想が立てやすくなるからです。
あの印象的なCMも面白いですが、デアゴスティーニの商売のからくりも興味深いものです。
(参考文献 図解カール教授と学ぶ 成功企業31社のビジネスモデル超入門)