行動経済学 現状維持バイアス

行動経済学の「現状維持バイアス」について記載します。

 現状維持バイアスとは、人は現状を好む傾向にあることを言います。

プロスペクト理論という理論がありますが、人は1万円のお金をギャンブルでかけて1万円得するというものには、あまり参加しません。1万円をかけて2万円とか2万5千円とかの儲けがでれば、そのギャンブルに参加する人が増えていきます。人は同じ額であれば、得をするよりも損をする方がダメージを大きく感じるのです。

このようなことから、過去のやり方を捨てて新たな道を選ぶという行為にはリスクが高いと人は感じてしまいます。結果、人は新たな一歩を踏み出すことをせず、現状を好む傾向が強くなるのです。これを行動経済学では現状維持バイアスといいます。

しかし、この現状維持バイアスの傾向は非常に良くないことを引き起こす可能性があります。カエルを水の中に入れて、その水を徐々に熱していくと、カエルは熱がることもなく、やがて死んでしまうそうです。現状維持を続けたことによって、結果、危機を回避できず最悪の事態を招いたのです。

 現状を維持・前年踏襲は一見安全なように見えますが、現状維持は危険をはらんでいる可能性があることも十分に頭に入れておく必要があります。

 (参考文献 行動経済学の基本がわかる本)

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