LINEを軸にして記載します。
LINEが8月21日に音楽配信やECサービスに参入すると発表しました。また、ビデオ通話機能なども追加するようです。今回のこの発表の中で特に注目すべき点はECサービスへの参入だと考えます。LINEのECサービス「LINE MALL」は今秋スタートを予定していますが、企業が出展するショッピングモールに加え、ユーザー同士が売買を行えるC2C(Consumer to Consumer)プラットフォームとしても構築し、「いつでもどこでも、誰でも簡単に商品の売買を行うことができる」ようにするというのです。すでにEC市場にはアマゾン(昨年売上高7,500億円余り)や楽天(昨年4,430億円余り)という大きな企業が存在していますので、どこかの企業を買収でもしない限り、新規参入するのは大変ではないかと個人的には考えましたが、そういったどこかの企業を買収するとかそういったことでもなさそうです。LINEが人気になった理由として大きなものにスタンプがありますが、その「スタンプを買う」などの行為の中で、アプリ内課金が一般化してきています。また、ローソンのクーポン(O2O)に見られるように、企業の公式アカウントがいろいろと出てきています。そういったところからLINEはECサービスの新規参入が可能であると踏んでいるようです。
LINEが人気になった理由のスタンプも今ではFacebookなどSNSでも使えるようになってきています。また、SNSの特徴として新たなSNSが登場すると、ユーザーごと他のSNSに移動してしまうという問題があることから、LINEは日常的なインフラとしての役割を果たせるように、今回のような挑戦を試みるようです。LINEは8月21日時点で2億3000万人のユーザーがいて、昨年比で460%の増となっています。また、「有料スタンプ課金」「ファミリーアプリ課金」「BtoBマーケティング」「ライセンスやキャラクターグッズ」といった売上で4~6月期の売上高は約98億円(前年同期比32倍)というように急成長を遂げています。今だからこそ新たな攻めに出て、独自のポジショニングを築き上げようとしているのかもしれません。
話はずれますが、ソーシャルメディアは潜在顧客を育成し、顧客との関係性を深めていくことを得意とします。マス4媒体やOOH広告(交通広告・屋外看板など)が絨毯爆撃のように情報を発信ことができるのに対し、ソーシャルメディアはバズ(口コミによる話題化)で広がっていきます。LINEはお店と組んだ屋外看板などをよく見るような気がしますが、このOOH広告による情報発信とバズによる情報拡散をうまく活用し、それぞれの特徴を使い分けているような気がします。また、LINEは情報がリアルタイムで流れるのでソーシャルメディアマーケティングとしてそのポジショニングを位置付けるとtwitterのような位置づけに当たるのかもしれません。
今回のこのLINEのニュースで驚いたのは「C2C」ビジネスという言葉です。BtoBやBtoCならよく聞きますが、C2Cという言葉には不思議な衝撃がありました。そもそもヤフオクなどで個人間の売買が一般的になってきているような気もしますし、アフィリエイトやドロップシッピングといったものもあります。モノを売買するということが企業間や店舗間に留まらない時代が到来してきているということなのかもしれません。