スーパーのカイゼン活動(整理・整頓)に関して記載します。
【業務の効率化・コスト削減につながる『整理・整頓』
工場でよく5Sと言われる、「整理(Seiri)」「整頓(Seiton)」「清掃(Seisou)」「清潔(Seiketsu)」「しつけ(Shitsuke)」というものがありますが、その中で、整理・整頓は業務の効率化・コスト削減を行う上での最初のステップとなる行動です。整理とは「必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てる」ことを、整頓とは「必要なものを必要なときにすぐに取り出せる」ことを意味しています。この整理・整頓は工場だけの話ではなく、スーパーマーケットにおいても効率化の手段として活用されているようです。
【ユニーの事例】
東海圏をメインとする全国第3位のスーパーマーケット「ユニー」は2005年ごろ売上高の伸びが減り、売上の増加で利益を確保することが難しくなりました。そこで安定的に利益を生み出す経営体質を目指すべく、2005年3月、ユニーは経営効率化手法として当時注目を集めていた、トヨタ自動車が行うカイゼン活動の導入に踏み切りました。そのカイゼン活動の導入に当たっては、トヨタグループの中心企業である豊田自動織機の協力の下、プロジェクトを立ち上げ、アピタ東海通店の食品売場を対象に実験を行いました。その結果、1年後、同店の利益は前期比でほぼ倍増したそうです。
アピタ東海通店で最初に行われたものは「2S」と呼ばれる品揃えの「整理・整頓」でした。アピタ東海通店で行われた整理とは“来店客が求める商品と求めない商品を分け、あまり求められていない商品を棚から外す”であり、整頓とは“来店客が求める商品がどの売場にあるのかをすぐに把握できる状態にする”ということです。つまり、売れていない商品を店頭から外し、お客様が求める商品を多く取りそろえ、そして、お客様が買い物をしやすいように、欲しい商品を見つけやすくなるよう取り組んだのです。2Sを行うためにユニーは店頭に商品が並んでいない状態を「欠品(開店時に商品が並んでいない状態)」と「品切れ(16時の時点で商品が並んでいない状態)」に分けて考え、欠品や品切れが生じている商品の件数を調査し、それを集計することで、お客様から求められている商品を欠かさないようにしたのです。
【まとめとして】
業務の効率化を行うに当たっては、整理整頓を行い無駄な動きをなくしていくことが重要です。お客様の立場であれば、欲しい商品がすぐに手に入る方がいいので、品揃えの整理・整頓はありがたいことです。機会損失を防ぎ、品揃えを強化するために、どれを整理するか(どの商品の販売を止めるか)を検討・実行し、お客様から求められている商品を補充・拡大し続けることが、大量の商品数・商品量がある中、小売店にとっては大変な作業ではあるものの、大切なことなのでしょう。
(参考文献 1からのリテール・マネジメント 世界一わかりやすいコスト削減の授業)