VMD(色彩の活用)に関して記載します。
2013年の8月ごろに渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催していた『レオ・レオニ 絵本のしごと』に行きました。レオ・レオニは絵本作家で、1959年に孫のために作った絵本『あおくんときいろちゃん』でデビュー。教科書に載っている『スイミー』など有名で色の魔術師と称されています。さすがにその二つ名を持つだけあって色の使い方が素晴らしいなと感じました。類似色相の配色や対照色相・補色色相の組み合わせがすごいですし、ブルーアンダートーンやイエローアンダートーンを意識して描いているような絵もありました。
(ブルーアンダートーン・イエローアンダートーン→パーソナルカラーの理論でも使用されるもの。例えば一枚の絵を描く際、使用する絵の具すべてに青(黄)を混ぜると、調和のとれた絵になる。)
さて、店舗の商品陳列においても、“色”は人に大きな印象の違いを与えます。VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)という言葉がありますが、これは、お客様がいかに売場に興味を抱き、その後、どのように店内を回遊して商品を選び、購入まで至るかを想定した売場づくりを考えていくことを言います。店舗側の都合で、売りたい商品を並べるのではなく「お客様はどう買うのか」と常にお客様視点で考えるのがVMDの基本となります。その中で、色は重要な役割を果たします。例えば商品ディスプレイを赤や橙、黄でまとめれば暖かなイメージを与えることができますし、夏をイメージしたいならビビッドな色を組み合わせたほうが夏っぽくなります。
また、商品を順番に並べるときには、人の視点は「前から奥」「左から右」に流れることを意識して並べてあげることも必要です。左から右へ明度が高い色から低い色へ並べてあげたり、色相環の順番(赤橙黄緑青藍紫)に並べてあげたりするのが良いです。よくぐちゃぐちゃに色を並べていることがありますが、きれいに並べたほうが商品を探しやすくなるので、お客様視点からいけば色彩の理論を押さえた上で商品陳列をすべきでしょう。部屋がぐちゃぐちゃで汚いなと感じるのは色数が多すぎるということがあります。VPでは色をある程度絞り込むことも重要です。
色は空気のように存在しているので意識して見て使わないといけないと思います。かなり色の世界は奥深いと思いますので。