求められる感覚的な情報

情報化社会にリアル店舗で求められる感覚的な情報という内容で記載します。

インターネット通販が急成長をしていますが、そのような状況の中においても約7割の消費者が「インターネットで商品を買う場合でも、実物を店舗などで確認する」といいます。この理由のトップとしてあがっているのが「微妙な色合いや質感、サイズなど、見ないとわからない詳細な情報を知りたい」というものです。その次に「手触り、におい、フィット感など、感覚的に気に入るかを確認したい」というものです。つまり、消費者は「文字ではわからない感覚情報」を求めてリアル店舗に訪れているのです。詳しい商品説明や、わかりやすい説明、売れ筋情報や裏話、ブランド自体の人気などは、インターネットで簡単に誰でも入手することができるようになっています。そのために消費者はリアル店舗に、視覚・触覚・感覚などの五感で判断する感覚情報を求めるようになってきているようなのです。ちょっとネットで調べれば、どんどん知識が手に入るので、消費者は知識を補完するためにリアル店舗での感覚的な情報を求めるということでしょう。

 最近では、リアル店舗では商品の検討や確認だけを行い、実際の購入は検索が簡単なオンラインショップで価格の安いところなどを探して行うという、“ショールーミング”という消費者の行動があると言われています。このショールーミングに対するため、ヨドバシカメラでは店内の全商品に専用アプリで読み込み可能なバーコードの設置を行っています。これにより、商品情報検索、価格、商品レビューやQ&Aなどの情報照会、リアルタイムの店舗在庫検索と店舗受け取りの申し込み、オンラインでの注文が行えます。ヨドバシカメラはスマホやPCと店舗を専用アプリで融合し、店頭でしか得られない楽しさを演出しているとも言えます。

また、ここ数年、菓子メーカーのアンテナショップが話題になっています。これらのお店では話題作りのための限定品販売などともに、ショップ内で調理して、良い香りを漂わせたり、出来立ての製品を味わってもらったりするなど五感に訴えかける取り組みがなされています。例えば横浜中華街の「ベビースターランド」では出来立てのベビースターラーメンが食べられますし、東京駅一番街にあるカルビーのアンテナショップ「カルビープラス」では、揚げたてのポテトチップスをイートインコーナーで食べることができます。お菓子はコモディティ化が進みやすく、価格競争に陥ることがありますが、上記のようにショップで五感を通した経験を味わってもらうことにより、消費者の経験価値を高め、ブランドロイヤリティを高めるという効果が期待されます。

 情報化社会という社会環境の変化に伴い、消費者の購買行動に変化が訪れています。この変化を踏まえ、リアル店舗の強化を図っていくことが求められています。時代が変わっても、リアル店舗が消費者に足を運んでもらうためには、立地や品揃え、サービス、接客などなど、強みを尖らし、消費者に感動を与えられるような店づくりを目指していくことが必要そうです。

 (参考文献 「なぜ、日本人はモノを買わないのか?」「リアル店舗で商品を売るにはどうしたら良いか!?」)

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