店舗の照明に関して記載します。
最近の居酒屋の多くは照明の色はオレンジ系の暖色系の色が多いと思いますが、昔、色彩を一緒に勉強していた友人とある居酒屋に行ったとき店内が蛍光灯で明るく照らされていて、驚いたことがあります。ふつう、食べ物は青みを帯びた色になると美味しくなさそうに見えるので、暖かいイメージを持つ暖色系の色を当てる方がいいのです。蛍光灯の種類にもよるとは思いますが、青白い光を出すタイプが一般的だと思うので、居酒屋で蛍光灯を選択するということに驚いたのです。電球の色には昼光色・昼白色・温白色・電球色があり、それぞれ光の色が異なります。昼光色が一番青みを帯びた色になり、電球色に向かうにしたがって赤みのある色になります。青みの色を使うか赤みの色を使うかによってイメージが全くことなりますので、使い方を理解した上で使用することが必要です。例えば高級ブランド店は高級感を演出することができる電球色を使うほうが適しています。また、商品説明など文字を読む機会の多いドラッグストアや家電量販店は昼白色(5300K以上)の明るい色を使った方が良くなります。
照明には先ほどの居酒屋の蛍光灯のようにお店全体に光を当てるような全体照明以外に、「ある商品を強調したいときに当てる“スポット照明”」「直接光を当てるのではなく、一度、天井や壁などに光を当てて、その反射光を利用した“間接照明”」があります。光の色と合わせて、どのように照明を使うかという部分も店舗運営を行う際には重要です。全体照明では光が強い場合、間接照明にすれば、やわらかな光になり「落ち着いた」「優しい」雰囲気を演出することができます。
スポット照明に関しては、商品の正面から光を当てるという方法と、商品の左右から2つの照明を当て、どちらか一方を弱い光で、もう一方を強い光を当てるという方法があります。2つの照明を当てることによって商品に立体感を出すことができます。
スポット照明を設置するときには、光がお客様の目に入ってしまう(グレア)ことに気を付けなければなりません。スポットライトの光はかなり眩しいので。照明はお客様の立つ方角から棚のほうに向けて光が当たるように設置するのが基本です。また、ちょっと気になるのは白熱電球を背の低い什器につけて、商品に光を当てているケースが見受けられることです。小学生の時にプラスチックの枠で囲まれた温度計を白熱電球に近づけたらプラスチックが溶けました。白熱電球を使用してお客様を火傷させてしまっては大変です。
例えば最近、都内の駅のホームで青いライトが照らされていることがあります。これは青い色に心を落ち着ける効果があるからです。何気なく使われているように思われる照明にもそれぞれの工夫がされていることがあります。意識して見てみるといろいろと興味深いことが見つかるものです。
(参考文献 繁盛店が必ずやっている商品陳列最強のルール)