ネット通販に関して楽天を中心に記載します。
ネット通販の市場は拡大傾向にあり、BtoC-EC市場は2012年には9兆円規模に成長していると言われています。その中でインターネットショッピングモールとして日本最大の楽天も成長していて、1997年5月に13店で開業しましたが、現在では4万店を超す規模に成長しています。商品数に関しても1億2000万個にまで達しています。
高いポイント還元が魅力の楽天ですが、様々な取り組みを行っています。例えば3年前から中古品の取り扱いを強化していて、ブックオフなども含めて2300店が出店しています。また、今年の5月8日から6日間、横浜髙島屋で催「楽天市場うまいもの大会」を開催。人気のマダムシンコなど79店舗が参加。前大会の売上が1億8500万円ということですから、大きな規模の売上を上げています。楽天としては百貨店の顧客を取り込み楽天の認知を上げるという目的もあるようです。
楽天は電子書籍市場にも参入しています。電子書籍というと「次は電子書籍の時代だ」とつい最近言われていましたが、日本でのアマゾンの「Kindle」の販売前後には話題になりました。電子書籍市場は2016年には2000億円の市場になると予測され、今後の成長が期待される市場です。家が本だらけにならなくて済むし、捨てたり売ったりしなくてもずっと持ち続けることができるので、僕もちょこちょこと電子書籍を読むようになりました。ところが電子書籍で本を買おうと思っても新刊がないことが多々あります。アメリカでは95%まで紙と電子書籍の同時販売が進んでいますが、まだまだ日本は普及途上な状態なのです。さて、楽天においては電子書籍サービス「kobo」事業を本格化させています。3年後にはkobo事業で500億円の売上目標を達成しようとしているようです。
楽天は物流拠点の強化も行っています。6月現在、千葉に2か所物流拠点がありますが、来年までに関西、東北、中京、九州など全国5都市に8拠点を整備する予定です。予定通りに拠点ができれば、当日・翌日配送のエリアが広がり、競合に対して有利になることが想定されます。
また、楽天市場の出店者に対して、Eコマースのノウハウを提供する楽天大学というものを開催しているということです。Eコマースの初心者から上級者クラスまで約100の講座が用意され、すでに5万人以上が受講しているそうです。この講座の中では、商品のストーリーを語るようにすること、人が集まってコメントを残すようなページを作ること、そしてロングテールに関しての教育をしているそうです。
ネット通販売上高順位は日本においては現在、「アマゾンジャパン売上高7800億円」「楽天売上高4434億円」「ヤフージャパン売上高3429億円」「スタートトゥデイ(ZOZOTOWN)売上高350億円」「ネットプラスドットコム売上高108億円」というような状況になっていて、やはり知名度のあるところは売上高も高いです。いまネット通販は成長期にあり、これからも全体的な売上高は上がっていくことが想定されます。ただ、楽天が教育をしっかり行っていることからも分かるように、ただHPを作れば人が来て買ってくれるようなものではなく、ネットでの商売を始めた時は原っぱの真ん中にお店を作るようなもので、お客様を呼び込む魅力がなければ、売上を上げるのは非常に厳しくなります。何につけてもそうなのでしょうが、魅力的な力(ブランド力)をつけるよう努力しなければ商売は難しいということなのでしょう。
(参考文献 東洋経済 ネット通販大解明)