本日は出店する際の立地に関して記載します。
商売を行うに当たって商品力やサービス等が重要であることはもちろんですが、どこに立地するかということも重要になってきます。そのことはネットで商売しようとHPを作成したとしても誰も見てくれなければ売上が上がらないのと同様です。どこに立地するか判断する上で難しいのは、この場所は交通量が多いからとか駅が近いからとかで立地場所を選んだとしても100%うまくいくとは限らないということだと思います。いい場所に立地するには、人口総数や年齢別人口、就業者数、世帯人数別世帯数など各種データをもとに分析するとともに現地で調査を行い五感で人々の動きを感じ取るということも必要なようです。
立地を行う際に通行人を対象とした場合、交通発生源(Traffic Generator)を把握することが基本となるようです。交通発生源とは駅や大型小売店のことを指し、多くの人が向かうところになります。この交通発生源と交通発生源を結ぶ、人々が歩くラインを、動線と呼び、この動線にそって出店を行うといいということです。駅周辺に立地する場合は “駅の改札口はいくつあるのか”“駅の改札口はどのように使われているのか”“駅のホームから見えるのか”といったことも判断材料とします。駅によっては、北口は発展しているけれど南口はそれほど、などということが多々あるような気がしますから、そういった部分を出店の検討を行う際には事前に現地で見ておくことが必要だと言えます。自分の出店しようとしている場所が多くの人から見える、視界性の高い場所であることが重要です。また、駅の乗降客数が多い駅は商売をするにあたって有利になると考えがちですが、バスやタクシーが運行する駅であれば、乗降している人々は乗り換えでその駅を使用しているだけで必ずしも顧客になるとは限りません。しかも乗り換えをする人は歩くのが早いですから、自分の店をそれほど見てくれないということもあります。
ロードサイドの出店の際にも注意することがあります。100m以上手前から店舗あるいはその看板が見えていないと車を使用しているので、顧客が店を使用してくれる確率が減ります(車は急に止まれないから)。通行人を対象とした場合と同じで視界性が高い場所で立地をすることが重要となります。例えば街路樹がある通りの場合、冬はドライバーから店舗やその看板が見えるかもしれませんが、夏になってしまえば葉っぱで店舗やその看板は隠されてしまい、ドライバーからその存在を気づいてもらえなくなります。また、道がカーブしている場合は左カーブにしても右カーブにしても共通してアウトカーブ側の方が視界性は高くなります。合わせて、通行人の際に記載した動線と同様の考え方で、ロードサイトの場合にも例えば空港と都市圏を結んでいる道路であるといった場合、立地に有利な場所となります。店舗前道路がどのくらい延びているかということも立地の判断材料となります。その道路の利便性、つまり広域に商圏が伸びる可能性があるかどうかがわかるためです。
立地は店舗を持つにあたって最初の重要なポイントとなります。立地をするにあたってはそれなりの投資額も出費するわけですから、しっかりと調査を行った上で判断をしてROIを少しでも高めていくことが必要だと思います。
(参考文献:売上予測と立地判定)