本日はカテゴライゼーションに関して記載します。
ちょっと前にネットとかでもよく売れていた明治乳業のヨーグルトLG21を飲んでみました。味はあっさりした飲むヨーグルト的な感じで飲みやすかったです。また、この商品に使われているLG21乳酸菌が胃癌の発生原因の一つとされるヘリコバクター・ピロリなるものの活動を抑える効果があるようで、健康にも良さそうな気がします。1本112mlで税別126円ですからちょっとだけ高めの価格設定になっています。健康関連商品がたくさんある中で同じような健康関連商品を販売したとしても売れるものでもありません。このヨーグルトLG21がピロリ菌を抑えるという消費者から通常の商品とは違ったものと位置付けられたからこそ高価格にもかかわらず売れたということなのです。ヨーグルトLG21は、新たに消費者ニーズが存在しているものの、消費者にとって今までになかった判断軸を創りだし、ほかの類似の商品群からはっきりと区別できる差別化軸を成立させたということになります。ほかの例として虫歯予防のための健康ガム「キシリトールガム」があります。虫歯を治療するという発想から健康な歯を維持するという考え方の転換を行い成功しました。虫歯になる人は日本人全体の1割に過ぎないところ、虫歯になる前の9割の人も顧客に取り込み、新市場を開拓。ガムというカテゴリーの中での異質化を図ったのです。
新たなカテゴリーを作り、どの既存の製品カテゴリーにも属さなければ、判断基準となる値ごろの価格がないので、企業側で比較的自由に価格設定ができることになります。また、新たなカテゴリーを作らないまでも、カテゴリーの中の小さな特異ポジション、サブカテゴリーとして消費者から通常とは違ったものと判断してもらえれば企業側に価格決定の主導権が握れるようになるということです。
さて、小売業の中でもカテゴリーキラー(※1)という業態があります。価格設定の話とは異なるかもしれませんが、特異ポジションを作り上げていた業態と言っていいような気がします。いくつかの企業の有価証券報告書を見てみると売上・経常利益ともに順調に推移しているようです。ファーストリテイリングは2008年から2012年にかけて売上高を58.4%増、経常利益を46.1%伸ばしています。また、マツモトキヨシは同期間で売上高11.2%増、経常利益15.6%増、ニトリは売上高52.4%増、経常利益122.6%増という結果になっています。集中と選択、特化するという効果の表れなのでしょうか。
いずれにしても自身・商品のカテゴリーをいかに他と差別化するかということが重要だということだと思います。
(参考文献:「日本一わかりやすい価格決定戦略」「100円のコーラを1000円で売る方法」)