本日はネット販売とPB(プライベートブランド)に関して記載します。
アメリカにおいて1916年にグローサリーストアのピグリーウイグリーが、顧客が自分で商品を手に取って選び、買物かごやショッピングカートに入れ、レジで一括会計して代金を決済するというセルフサービス方式を導入して以来、豊富な品揃えとローコストオペレーションが実現し、小売店では対面販売の小売店からセルフサービス方式が発展するという変化が起きました。そして現在、その時と同じような小売業の変化がアメリカで起きているといいます。それがネット販売の急成長です。2012年のアメリカのネット販売市場は小売業トータルの約5%のシェアを占め、前年比で15%強の成長を示しているようです。
その中で、アメリカにおいて、リアル店舗で商品の実物を見て、実際の購入はアマゾンのようなネットショップで行う「ショールーミング」という消費行動が常態化してきています。
ウォルマートのようなスーパーセンターの大型店は圧倒的な品揃え数によるワンストップショッピング機能で人々に支持されてきました。それと同時に「エブリデーロープライス」などの価格訴求を行ってきました。しかしながら、品揃え数についてはネットの方が豊富になってきていますし、最低価格は、スマホで簡単にどこが一番安いか確認が取れるようになり、小売業の低価格戦略が以前ほどの強みではなくなってきました。スーパーセンターの強みが弱体化してきているのです。その状況に対抗するため、アメリカの大手ディスカウントストア「ターゲット」は、商品はリアル店舗で見て買い物はネットという「ショールーミング」を避けるため、大手トップブランド企業に「差別化のできるPB商品の開発」を迫っています。PBで独自の商品を提案することでネットとの価格比較を避ける作戦です。今後もPB商品の開発が進むことが想定されます。PBが増えるということは、メーカーにとっては商品の陳列スペースが減るということになります。メーカーとしては対策を取らなければならないわけで、生き残りをかけてネットを使って消費者へ直接販売を始めているようです。そのことが小売業とメーカーの間で軋轢を生んでいることもあるとのことです。
さて、日本のPBの購入率を見てみると、その数値は意外と高いものとなっています。例えば2012年で最近1年間に最もよく利用したスーパー・コンビニにおける「菓子/デザート/おつまみ」の購入率を見てみますと43.8%という数値になっています。さらに20代の購入率においては50.3%と約半数もの人がPB商品の購入を行っているという結果となっています。また、清涼飲料やお茶もPBの購入率は高く、ともに30%を超える数値となっています。最近、スーパーやコンビニへ行くとだいぶPBが多いなあというような実感もあります。2012年に「ファミリーマートコレクション」にブランド統一されてはいますが、「ボクのおやつ」は税込105円で安かったですし、PBのお茶系も安いから商品棚で選んでいる時にはすぐに見てしまう自分がいます。日本においても小売業者ごとに差別化を図るためPBを強化する=メーカー独自商品の陳列スペースが減るということが確実に起こっているということが言えると思います。
ネット販売とPB、相関関係がないように思っていましたが、そうではないということを感じました。
(参考文献:実店舗で商品を売るにはどうしたらよいのか!?)