小売業は従来内需型産業と考えられてきていましたが、日本の少子高齢化に伴う人口減少を見据えて、どんどん海外事業展開を積極的に行っているようです。ただ、その進出先の傾向としてはアジア志向が強く、特に人口増加エリアである中国本土に対しては2007年の64社に対して2011年は136社と近年多くの企業が海外進出を行っています(その他のアジア諸国 香港:2007年22社→2011年28社。 台湾:2007年27社→2011年40社 シンガポール:2007年24社→2011年33社)一方、グラフには載せていませんが同じく人口増加エリアで世界最大のGDP国となる予定のインドへは2007年2社→2011年5社と倍増しているものの、そもそもの進出企業数が圧倒的に少ないという状況。アメリカ・中南米・中東・オセアニア・アフリカについては海外進出している企業数はほとんど変化なしです。最近、中国に対するカントリーリスクが言われていましたが2011年までは圧倒的に中国市場が小売業にとっても魅力に感じられていたようです。
僕たち自身の生活の部分においても、円をタンス預金するのか、銀行に預けるのか、金を買うのか、債権を買うのか、株を買うのか、不動産を買うのか、お金をどう使うのかは様々ですが、それぞれに“リスク”と“リターン”があるのは事実です。新たに企業が進出する際には僕たちの生活と同様、一時的な流行に流されるのではなく“リスク”と“リターン”をしっかりと見極めていくことがきっと必要なのでしょう。
ちょっと別の話をしますと、経営の世界でいう「ブルーオーシャン」、先行者有利という話もあります。競争が激しい分野に入り込むのではなく、市場が荒らされていないところに進出するほうが成長が望めるというものです。そして何もしなければ機会損失というデメリットをこうむるという話もあります。
日本は人口減少エリアです。アベノミクスの成長戦略も特区とコンセッション以外期待できないという話も聞きました(まだまだ分かりませんが)。この国においては、様々な観点からその時持てる知識を最大限導引し判断しリスクを負うのは怖いけど一歩ずつ前進していくしかないのかもしれません。