プロセスのマニュアル化による安価なサービスの提供

本日はプロセスのマニュアル化による安価なサービスの提供に関して記載します。

【高級品も安価で提供するビジネスモデル】

学生時代、てんやの天丼を週に何回も食べていました。天ぷら料理を食べようと思えば、それ相応の値段がするでしょうけれど、てんやの天丼は安くてしっかり食べられます。さて上記のてんやの天丼以外にも、イタリア料理、焼き肉、すしなど数々のファストフードが、もともとは高級品だった料理の提供を安価で行って成功しています。

これは、提供価値の種類を絞り込み均質化した上で、価値提供プロセスをマニュアル化し、価値提供過程にプロフェッショナルを不用とすることによって要員単価を下げ、かつ提供価値のばらつきをなくして、従来のプロフェッショナルによるものと同等なサービスを安価かつ大量に販売して利益を上げるビジネスモデルをとっているためです。

このビジネスモデルは、プロ意識の高い風土を持っている企業は採用することが難しいものとなっています。中古買取サービスのガリバーインターナショナルやブックオフなどは、従来プロフェッショナルのみが目利きとして行ってきた査定を、すべてITを使ってプロセス化し、素人でもできるようにする一方で、同業種で働いてきた人の雇用を拒否しているそうです。本来であれば同業種で働いていた人は即戦力になりそうなものですが、ブックオフやガリバーインターナショナルはプロを雇ってしまうとプロ意識からマニュアルに従わず、ビジネスを攪乱するというリスクを回避するために、同業種で働いてきた人の雇用を拒否しているようです。

【業務プロセスのマニュアル化による価値創造】

このビジネスモデルのメリットとしてコストの削減と要員管理の容易さが挙げられます。コスト削減の観点では、サービスの提供過程をプロセスで定義しマニュアル化することによりプロフェッショナルが必要なくなり、要員単価を下げることが可能となるということが言えます。さらに従来は人が行っていたプロセスを機械化して、省力化。更なるコストダウンを図ります。マネジメントする立場の者としてはマニュアル化や機械化により要員の個性を気にする必要がなくなるため、要員管理が比較的容易になります。また、マニュアル化によってサービスの提供内容が店舗によってズレが発生しにくくなり、顧客はどの店でも同じようなサービスを受けられるようになります。

要員単価を下げることにより、サービスを安価で販売できるようになることにより、商品を低価格で販売することができるようになります。市場は下方に向かって加速度的に大きくなりますので、低価格販売の実施は販売量の増加が見込め、低粗利でも大きな利益を上げることが可能となります。インフレが進みつつありますが、中間層の崩壊によって顧客の二極化が進んでもいますので、このビジネスモデルは今後も有効に働くことが想定されます。

(参考文献 経営戦略を見る目と考える力を養うビジネスモデルの教科書)

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