T2O2O(O2O2O)に関して

本日はT2O2O(O2O2O)に関して記載します。

【T2O2O(O2O2O)】

2013年6月、国内最大手の『電通』とネットベンチャー企業『スポットライト社』が業務提携を発表しました。

スッポトライト社(2013年10月に楽天の傘下に入る)は、消費者が参加企業のリアル店舗に“来店するだけでポイントが貯まる”スマートフォンアプリ「スマポ」を提供する企業で、O2O黎明期の2011年からこの市場に参入し、実績を積み上げてきました(スマポ会員数:数十万人(2013年10月時点))。スマポ参加企業は大丸百貨店、ビックカメラ、ユナイテッドアローズなど約700店舗。店内で消費者がスマホアプリを立ち上げると、店内に発生している超音波を拾いポイントが貯まっていく仕組みです。

さて、電通とスポットライト社は業務提携をすることによって、マスメディアとO2Oの価値を高めていくことを狙っています。内容としてはテレビCMが流れている時、消費者がスマポを立ち上げると、CMから発信される人には聞こえない音声信号を拾い、ポイントが付くようにするというものです。テレビCMを見た人が興味を持って売場に行くと、さらにスマポのポイントが付きます。もし、来店前に商品に興味を持ってウェブページにアクセスするとそこでもポイントがもらえる仕組みになっています。ポイントは店舗の商品券などと交換できます。

このようなテレビCMや番組からオンライン(ネット)を経由して、オフライン(リアル店舗)へ消費者を誘導する手法を“T2O2O(テレビ・ツー・オンライン・ツー・オフライン)”もしくは“O2O2O(オンエアー・ツー・オンライン・ツー・オフライン)と称され、注目され始めていると言います。

この仕組みは整っていて、現在、CMのクライアント企業数社と相談している段階だと言います。

【T2O2Oのメリット】

今までは「テレビCMを見た人が来店したか」ということや「商品を購入したか」ということを測定できませんが、T2O2Oによってそれが測定可能になります。電通にとってはマス広告に大きな付加価値を付けられるというメリットを加えることができます。また、メーカーが小売店と交渉する際の新たなカードにもなるようです。今までメーカーがスーパーマーケットなどと棚のスペースの広さを交渉する際「テレビCMをたくさん打つので」というカードを切っていましたが、T2O2Oの仕組みを取り入れることにより、「当社の予算でスマポの仕組みを設置するので、店舗に売場を設けてほしい」と交渉できるようになります。スマポは超音波を発生する装置を設置することで、消費者が売場に来ればポイントや特典クーポンがもらえるので集客が見込めます。メーカー経費でスマポの装置が設置できれば、小売業側としてもメリットがあるので検討する余地が出てくると思われます。

今まで、テレビCMはザッピングして飛ばしてしまうことも多々ありましたが、T2O2Oが一般化したら、興味を持ってテレビCMを観るということが出てくるようにも思われます。技術の進歩によりネットとリアルの境界線は今後益々なくなっていくのかもしれません。

(参考文献 O2O、ビッグデータでお客を呼び込め!)

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