オープンビジネスモデル

本日はオープンビジネスモデルに関して記載します。

【オープンビジネスモデルとは】

オープンビジネスモデルとは、自社のみならず社外とのコラボレーションによって新しい価値を作り出し、これまで以上の利益を得るビジネスモデルのことを言います。近年、技術や製品のライフスタイルが短くなり、研究開発のスピードがより求められるようになっています。そこで自社の技術をオープンにして製品開発などをすることで、自社のみでやるよりずっと早く、斬新な技術開発を促すオープンビジネスモデルに注目が集まりました。

このオープンビジネスモデルを大きく分けると社内のアイデアや資産を社外のパートナーにオープンする「インサイドアウト」と外部のアイデアを社内に取り込む「アウトサイドイン」という二つの種類があります。

【ゴアテックスのインサイドアウト】

ゴアテックス(GORE-TEX)はアメリカのゴア社が開発した防風・防水性と透湿性を両立させた(水蒸気は通すけれど雨は通さない)画期的な繊維素材です。部品メーカーや素材メーカーはエンドユーザーにブランドの価値を見出してもらうことが難しい業種なのですが、ゴア社はゴアテックスの良さを伝えることが、良い素材を求めているエンドユーザーに対して大きなメリットとなると考えました。また、付加価値の高い製品づくりを目指す製品メーカーにとってもゴアテックスの良さを知ってもらうことは大きなメリットがあると考えました。そこでゴア社はインサイドアウトのビジネスモデルを活用します。同社は限定した生地メーカーやアパレルメーカーに対してのみ製品を提供するとともに、彼らと高い防水性や透湿性の製品を作り上げるために協働しました。この結果、ゴアテックス素材の「防水性・透湿性」はより磨きがかかっていくこととなりました。

【プリングルズのアウトサイドイン】

P&Gのポテトチップスにプリングルズという人気商品があります(P&Gが食品事業撤退により、2012年以降はケロッグが商標権を所有)。アメリカにはプリングルズ1枚ずつにスポーツや音楽などに関するクイズや豆知識などを印刷した「プリングルズ・プリンツ」という商品があります。この商品はパーティーで盛り上がるという新しい価値を消費者に届けることで大ヒット商品になったそうです。この商品はP&Gの社内の研究開発から生まれたのではなく、外部研究者とのやり取りから生まれたそうです(P&Gに当初ポテトチップスに絵や文章を印刷する技術がありませんでしたが、イタリアの大学教授が経営する小さなパン屋が食用のインクの技術を持っていることを知り製品改良を行いました)。まさしくアウトサイドインの手法を使って開発された商品ということが言えます。

自社と他社の情報の垣根をどう取り払って、どう自社の成長につなげていくか。情報を囲い込むのではなく、情報をどのように使っていくのかが企業の成長につながる時代になってきたのかもしれません。

(参考文献 図解&事例で学ぶ ビジネスモデルの教科書)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です