コーヒー戦争

本日はコーヒー戦争に関して記載します。

【コンビニコーヒー、ブレイク】

2013年1月、セブン-イレブンはドリップ式コーヒー「セブンカフェ(Sサイズ100円)」の販売を始めました。この商品は大ヒットとなり2013年12月12日で累計3億杯を販売するに至りました。そしてこの「セブンカフェ」が登場したことにより、競合他社はコーヒー戦略を見直し、その結果コンビニコーヒーの販売数は各社合計で7億杯以上となりました。コンビニ業界2位のローソンは「マチカフェ」というコンセプトを打ち出しました。「マチカフェ」はスターバックスなどを手本としており、本格的なコーヒー関連商品を10種類以上販売するとともに、同業他社がセルフ方式なのに対し「挽きたて、淹れたてコーヒー」を店員が作ります。ローソンはさらに2015年春までに商品を店内で調理し、出来立て、手作り感にこだわった「まちかど厨房」を5000店に広げる計画を立てています。この「まちかど厨房」はカツサンドやハンバーガーなどを店内で調理したり、惣菜の量り売りをしたりしています。ローソンは「まちかど厨房」によりカフェやファストフードから顧客を奪うことを狙っているのです。コンビニ業界3位のファミリーマートも「ファミマカフェ」を展開するとともに、新店ではイートインコーナーを設ける方針で、「すぐに食べられるコンビニ」への転換を進めようとしています。2014年にはコンビニコーヒーは10億杯を突破すると想定されています。

【コンビニコーヒーに浸食される缶コーヒー・チルド系のコーヒー】

セブン-イレブンが「セブンカフェ」で100円コーヒーを展開した時に、最初に影響を受けたのが缶コーヒーとチルド系のコーヒーでした。もともと缶コーヒーとチルド系のコーヒーは店内でカニバリズム(共食い)を起こしていたのですが、そこに「セブンカフェ」が登場し、それらのシェアを奪っていったのです。缶コーヒーの上位銘柄には日本コカ・コーラの「ジョージア」、UCCの「UCCミルク&コーヒー」、サントリーの「BOSS」がありますが、軒並み売上を落としています。そもそも缶コーヒー自体、競合が激しい商品となっており、スーパーやディスカウントストアでは安売りされるため、利幅が取りにくくなっています。コンビニで販売すれば、110円以上で販売できるので利益が取りやすいのですが、そこをコンビニコーヒーに奪われている形となっています。

【コーヒーを取り巻く企業の変化】

コンビニコーヒーの勢いは回転ずしの「くら寿司」や牛丼の「すき家」などにもコーヒーメニューを登場させることとなりました。また、「ミスタードーナツ」は2013年9月にコーヒーの刷新に取り組み逆襲に転じようとしています。

ドトール・日レスホールディングス傘下の「ドトールコーヒー」では、古くなった店舗を「白ドトール」と呼ばれる新店舗に改装。白ドトールは外壁や店内の壁紙を白で統一し、女性が入店しやすい雰囲気作りを行っています。また、ブランド力の落ちる「エクセルシオールカフェ」の見直しも進めるとともに、コメダ珈琲店を参考にフルサービス型の喫茶店「星乃珈琲店」も展開。また、都心部立地の「銀座ルノアール」も2013年にキーコーヒーと資本提携し、郊外型立地「ミヤマ珈琲」で成功を収めています。

コンビニの店舗数の飽和が言われる中、セブンカフェのような商品を販売することにより、その存在感をますます強めているように思われます。今後、国内市場が縮小していく中で、「どこで新規市場を作るか」「どこからパイを奪うか」という考え方が、より重視されていくのかもしれません。

(参考文献 月刊BOSS 2014年3月号臨時増刊号)

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