本日はSCを特徴化するエンターテインメント系 非物販テナントに関して記載します。
【コト消費に特化した新しいショッピングセンター(SC)イオンモール幕張新都心】
2013年12月20日に「コト消費」に特化したSCイオンモール幕張新都心がグランドオープンしました。年間来街者数目標3500人を目標に掲げ、現在のところ計画通りの推移をしているようです(ちなみに同SCの近くにある東京ディズニーランド並びにシーの来場者数は直近で2750万人なので、その目標数字の大きさが伺えます)。同SCの新しい試みとして、エンターテインメント性にあり、「よしもと幕張イオンモール」、「東映ヒーローワールド」、お仕事体験パーク「カンドゥー」、体験型スポーツモールの売り「ボルダリング」などが施設内にあります。
【非物販テナント シネコン】
エンターテインメントを高める非物販テナントは、SCを特徴化し集客やその特徴化させることとなります。例えばSCのテナントとしてよく見られるシネマコンプレックス(シネコン)においてはスクリーン数でみると、単独の映画館が2013年1148→2012年525とその数を減らしているのに対し、シネコンは1533→2012年2765とその数を増やしています。
【ゲーム業界の攻撃】
また、SCと親和性が高いと言われるゲーム業界においては、2013年に新業態が3施設できました。
ⅠJ-WORLD TOKYO
2013年7月にナムコが運営主体となりサンシャインシティに開業。J-WORLD TOKYOは週刊少年ジャンプとコラボした企画で、「ドラゴンボール」や「ワンピース」といった人気コミックの世界観をテーマにしています。池袋にはアニメイトなどサブカルチャーの店舗が多くあることも踏まえ、コアなカテゴリーに挑戦しています。
Ⅱ東映ヒーローワールド
2013年12月に先ほど記載したイオンモール幕張新都心に東映とナムコの共同事業としてスタート。東映は以前から「仮面ライダー」など、男児向けプログラムを充実させていて、この施設のターゲットも小学生男児が中心となります。モール内に映画館もあることから映画上映との相乗効果も狙っています。J-WORLD TOKYO同様、コアなファンを狙った施設と言えると思います。
ⅢOrbi Yokohamaオービィ横浜
セガが運営主体となって、イギリスのBBCが保有するコンテンツを主題とした、2013年8月にオープンした体験型ミュージアム。横浜湾岸部にオープンした「MARK IS みなとみらい」に立地し、開業1ヶ月間で約10万人の入場者を集めました。コンセプトは「地球上の大自然を体感する」であり、年齢・性別を超えた集客が可能。
近年、若者のゲーム離れがあり、ゲーム業界は苦戦が続いています。2013年3月末のバンダイナムコホールディングスのアミューズメント施設事業の数字を見ると売上高約601億円、前年比で△1.4%、セガサミーグループは売上高約427億円、前年比△4.3%となっています。この業界不況を脱するために3つの新業態がSC内に開業したこととなりますが、これらはSCの差別化・集客強化を図る重要な要素となります。コト消費が言われる中、これらの非物販テナントが今後どれほどの力を発揮できるのか気になるところです。
(参考文献 販売革新2014 2月)