本日は空港の商業施設“空ナカ”に関して記載します。
【空港ビル:売上高の大きいショッピングセンター】
空港へ行くと、ちょっと一休みできる飲食店もあればお土産を買うための店舗もあり、さながらショッピングセンターのようです。
空港にある商業施設の売上高も非常に大きなものとなっています。成田空港の商業部門の売上高は、全国のショッピングセンターの売上と比較し、2008~2010年度までトップを走っていました。2011年は東日本大震災の影響を受け外国人観光客が減少したために売上高は減少しましたが、それでも全国3位でした。関西空港の売上高も成田空港同様高く、関西エリアの主要ショッピングセンターと肩を並べる売上高を記録していると言います。
空港ビルは非常に売上高の大きい商業施設であるということが言えます。
羽田空港、成田空港、関西空港で商業店舗(物販店、飲食店、免税店)の賃貸や運営を行っている「日本空港ビルディング株式会社」は本来の事業は空港ビルの管理運営となりますが、実際のところは物品販売や飲食業で全体の約7割近くに達しています。同社が管理運営に留まらず商業店舗の賃貸・運営を行うということは、大きな空港の空港ビルを商業施設として活用することにはメリットがあるということだと思われます。
【空ナカの将来性】
空港の商業施設の売上を支えているのは海外からの旅行客となります。例えば中国人ツアー客は成田空港→東京→富士山→京都→大阪→関西空港という観光パターンが多いそうですが、最後の関西空港で土産物を買って国に帰ります。話は逸れますが、面白いことに中国人の関西空港の免税エリアでの隠れた売れ筋が1位:炊飯ジャー、2位:ミルク、3位:紙おむつとなっているそうです。最近、中国の日本製紙おむつ買い占めが話題となりましたが、空港の商業施設においてもその流れがあったということです。
2013年、訪日外国人旅行者が1000万人を超えましたが、政策的にその数を2030年に3000万人まで増やそうとしていますし、東京オリンピックもありますので、今後、空港の商業施設の売上高は増えていく可能性が高いと思います。空港ビルの商業施設の集客力に着目し、積極的に出店を行う企業も増えてきていると言います。今後、空ナカがどれだけ売上を拡大していくのか注目です。
(参考文献 立地ウォーズ)