ザッポス 1999年の決断

本日はザッポス 1999年の決断に関して記載します。

1999年当時、アメリカにおいてはウェブサイトにアクセスする人数の数で業績が判断されるドットコム・ブームの時代でした。ザッポスはそのころシューサイトドットコムという名前で、「靴のアマゾン」になると宣言してスタートしました。

そのころはガム一個から無料で宅配してくれる時代で、利益ではなくウェブサイトにアクセスする人数で業績が判断される時代でしたが、ザッポスの試し履きもできない、ネット上での靴の販売に関しては、あまり人気がありませんでした。そのため、徐々にザッポスの経営者は窮地に立たされていきます。

その中で思いついたのが「靴の返品を受け付けるリスクを取る」という判断でした。この導入に至っては何時間も議論・分析したというわけではなく追い詰められたザッポスがエイヤで始めた戦略だったと言います。

この作戦は一か八かの勝負でしたが、結果、成功。顧客数が伸びただけでなく、閲覧していただけの人の購入に転じる顧客転換率も上がっていきます。ザッポスのスインマーンによれば、注文の40%は返品されるそうですが、これをコストとみなすのではなく、マーケティング費用とみなしていると言います。返品が多い顧客は繰り返し利用してくれる顧客であり、客単価も高いと言います。

このような一か八かの賭けによって判断された、返品自由(しかも無料配送)というサービスによって、創業時の資金も尽きかけていたザッポスは復活したのです。

更にザッポスは、ネットの仮想店舗という立場から、自社倉庫に数十万足の在庫を抱える立場に転身。この倉庫を設けるという選択によって、従来は一週間だった納期を短縮。顧客からの支持を受けていきます。

ザッポスは経営のハウツー本のように、無料配送・返品自由の戦略をとり入れた際、綿密な分析を行ったわけではなかったのです。オンラインショップという立場を守るのではなく、顧客との関係性を重視するということを積み重ねることによって今日のような成功に至ったのです。ネットでビジネスを行う際にも顧客との関係性が重要となるわけです。

(参考文献 ありえない決断)

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