ブランド・イメージの低下に関して記載します。
消費者は、過度な値引きが実施される商品に対して「品質が悪い」「人気がない」というイメージを持つようになるそうです。そのことに関して、ムーア、オルシャヴァスキー(1989)が次のような実験を行っています。
実験内容は、学生を対象に「馴染みのある既存ブランド」と「馴染みのない新規ブランド」の男性用ワイシャツに関して、値引き額を5%、30%、75%としたときに、それぞれ購入したいと考える比率を計測したものです。実験の結果、馴染みのないブランドの選択確率が5%の時0.42、30%の時0.61、75%の時0.32となりました。大幅な値引きをすると馴染みのないブランドは購入したいという反応が減ってしまうという結果です。
馴染みのあるブランドでは、値引きは購買意欲を高める結果となっていますが、馴染みのないブランドの場合は「品質が悪いから安い」「人気がないから安い」という判断をされてしまったということです。
例え馴染みのあるブランド商品だったとしても、値引きの回数を重ねると、消費者に通常価格が高いと感じさせてしまいます。値引き販売を行う際、この点は認識しておいた方がよさそうです。
(参考文献 インストア・マーチャンダイジング)