本日はアンバサダーに関して記載します。
アンバサダーとはソーシャルメディアなどを使って、商品やブランド、サービスといったものの良さを、その企業や組織に成り代わってアピールしてくれる消費者のことをさします。かつては一般人の情報発信力は小さなものでしたが、ソーシャルメディアの普及に伴って、その状況は変わりつつあります。仮に、企業やブランドのファンが1000人いて、それぞれが100人の友達にブランドなどについての情報を発信したら10万人伝わるという可能性があります。それだけ大きなバイラル効果が期待できるのです。
そして、アンバサダーを組織化し、商品開発や改善のアイデアを募ったり、実売につなげたりする企業が出てきています(一般人による口コミの発信力に期待して、それをマーケティングに活用する手法を「アンバサダープログラム」と呼びます)。現在、アメリカが先行していますが、ネスレ日本をはじめとして、日本においても取り組み事例が増えてきているといいます。
日本ネスレのアンバサダープログラムは「ネスカフェ アンバサダー」という施策で、「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」という家庭用コーヒーマシンをアンバサダーになった人に無償提供し、コーヒーの詰め替え品を同社の通販サイトから定期的に購入してもらうことなどを期待しているものとなります。このネスカフェ アンバサダーへの応募者数は約10万人にも達していて、売上アップにも貢献しています。
ユニクロではUNIQLOOKSというFacebookと連動したファッションコミュニティーとして開始したWebサイトがあります。ユニクロファンにユニクロの服を着た写真を投稿してもらうことで、世界中のユニクロファンを可視化しようと試みたものです。
また、「ドロリッチなう」というものもあります。これは消費者から立ち上がっている特徴的なものだなと感じたのですが、グリコ乳業が販売する「ドロリッチ」のファンであるエンジニアが個人で開発したTwitterと連動したコンピュータプログラムになります。Twitterで「ドロリッチなう」とつぶやいたユーザーに自動的に話しかけるbotです。これにより累計で14万件もの「ドロリッチなう」投稿を生み出すことに貢献したといいます。
「ドロリッチなう」のような商品のファンから立ち上がったものは非常に興味深いものがあります。ファンとともに共創していく時代において、こういった動きは今後、さらに加速していくのかもしれません。
(参考文献 最新マーケティングの教科書)