本日は企業の価値づくりに関してエフピコを例に記載します。
エフピコは成長を続ける1962年に創業した食料品店などで使用される簡易食品容器の専業メーカーです。
そもそも、箱や容器などの梱包容器は商品を運ぶ際には必ず必要になりますが、商品を使用し終わった後はすぐに廃棄されます。その様なわけで、箱や容器が商品の価値を向上させるわけではないので、小売業側からすればコストとして捉えられる傾向があります。
その様な中、同社は、底面を傾斜のついた段々の形状にして、薄切りにした精肉がよってしまうのを防ぐ容器を作るなど、内容物の崩れや転倒・汁漏れなどが少なく、更に商品の見栄えが良くなるような容器の開発を行ってきました。
同社は食品トレーの販売にとどまらず、盛り付けした商品の陳列方法など、顧客企業の売上が向上するようなノウハウを提供しています。また、小売業において容器代は商品売価の2%が一つの目安とされますが、それを踏まえて容器代が売価の2%を下回っている商品を使用する取引先には、適正価格の容器を使った効果的な販促方法や、積み重ねができる容器の採用によりスタッフの作業を軽減化する方法などを、営業担当が提案しているそうです。
現在、様々な分野でコモディティ化が進んでいますので、単に機能や性能が優れている商品を提供しているだけでは、他社に対して優位に立つことが難しくなってきています。今、「生活者が求めるサービス」という見えない価値を付与したり、他社には提供できないサービス対応をしたりすることによって、商品そのものだけでなく、“価値”を作り上げていくことが求められているようです。そのためには自らの強みを知り、できることを見つけ出し、実践していくということが必要になってくるように思われます。
(参考文献 成功事例に学ぶマーケティング戦略の教科書)